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《湖の章》
ある湖畔の森の処罰【商人】
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森の調査が終わり、神からの罰が決まりました。碧は水鏡で妹の湖の聖霊の和泉に連絡をとりました。
「和泉、聞こえますか?」
「はい、姉様」
「神から処罰の許可を頂きました。…青と梓さんはそこにみえますか?」
「はい、みえます。代わりますね」
「碧、決まったのね」「碧様、決まりましたか」
「ええ、決まりました。狩人達達は無罪放免とはいきませんが、神からは寛大な処置を頂きました。そして、商人には森の動物達に処罰を下して貰う事になりました」
「そう、それで狩人達の処罰は?…碧」
「それですが、考えていなくて。一緒に考えて欲しいのです。お願い出来ますか?」
「珍しいですね。碧様」
「そうですね。姉様が考え付かないなんて」
「本当ね。なのも思いつかなかったの?碧」
「それが本当に思い付かなかったの。困ったわ」
「そんな困ってない様な顔をして困ったと言っても信憑性に欠けるわよ、碧」
「でも本当な事よ」
「はいはい、わかったわ。それで狩人達の処罰はどうします?…梓、何かない?」
「姉さん、突然言われても考え付かないよ」
「はいはい!私は薬草栽培をしたらどうかと思います。どうですか?…姉様」
「あら、それが良さそうね!…どうかしら青、梓さん」
「まあ、この森は和泉さんの領域だから和泉さんが提案したのでいいんじゃないの」
「そうですね。和泉様が決めたのならよいのではないですか」
「和泉はどうして思いついたの?」
「はい姉様。…私が薬草を復活させても良いですが、狩人達だけが知っている森の奥で栽培すれば、今回の様な商人に付け入る隙を与えないで済むと思って…」
「そうね。商人がわからない場所に栽培すれば狩人達だけ採取出来るわね。では、この案でいきましょう」
「この案が無難ね、碧」
「そうですね。碧様、和泉様、姉さん」
狩人達への処罰も決まり、碧は人里にある神殿に商人達と狩人達への神託を授けました。神託を受け取った神殿の神官は、商人達と狩人達に知らせに走りました。
「すみません。こちらに毛皮商人の方はみえますか?」
ある宿屋に神殿の神官が駆け込んで来ました。宿屋の女将は滅多に神殿から外に出ない神官が駆け込んできたのでビックリしました。
「どうしたんだい、神官様」
「どうしたもこうしたもありません!毛皮商人に神託が降りたんです!」
「えー、し、神託!」
「そうです。神託です。……それで、毛皮商人はいるのですか?」
「…毛皮商人だね!い、いま呼んで来るよ。待ってな…」
宿屋の女将は神託と聞いて、一目散に毛皮商人の部屋をめざしました。そして商人の部屋に入り、神官が呼んでいると伝えました。
「す、すみません。宿の玄関に神殿の神官が来てるよ!早く行っておくれよ!」
「なんだい、そんなに慌てて」
「なんでもいいから、行っとくれ!神官様がお待ちだよ!」
「わかった、わかったから、そんな形相で追い立てないでくれ」
毛皮商人は宿の女将に追い立てる様に部屋から神官がいる玄関に向かいました。そこには慌ててきたと思われる神官が息を整えながら待っていました。
「すみませんね。貴方が毛皮商人ですか?」
「はい、私どもが毛皮で商いをしている商人です」
「では、神託を授けます。よく聞いて下さい。……『狩人達に過剰に動物を狩らせた罪は許し難し。よって、森の動物達による制裁を罰とする』との事ですが、何か心当たりはありますか」
「いえ、私どもには、心当たりはありません。…何かの間違いでは…」
「そうなのですか?もし嘘を付いているなら、その心根を改めなさい。神は嘘付きを嫌いますからより#酷__ひど__#い事になりますよ。いいですね。…」では私はこれで」
神官は毛皮商人に神託を告げましたが、商人は神託の内容を否定しました。もし商人が嘘を付いていた場合の事を商人に告げて神殿に戻りました。
神官が神殿に帰った後には顔を真っ青にした毛皮商人が残りました。毛皮商人は本当は神託の内容が当たっているにも関わらずウソを付いて“心当たりはない”と答えたのです。それで、神官が最後に口にした“神は嘘付きを嫌いますからより酷い事になりますよ”との言葉に震え上がってしまったのです。
「商人様、大丈夫かい。顔が真っ青だけど」
顔の青い商人を心配して女将が聞きました。それに「ああ、大丈夫」と言って商人は泊まっている部屋に戻って行きました。部屋に戻って毛皮商人は頭を抱えてしまいました。それをみた部下がどうしたのか聞きました。
「旦那様、どうされたのですか?」
「ああ、俺はもうお終いだ」
「どうしたのです。昨日まで順調だと言っていたではないですか。…神官が何か言って来たのですか?」
「……神託が降りたそうだ」
「え……」
“俺達がやっていた狩人を使った動物の狩りの事を神は怒っているそうだ。…し、神罰が……来る……逃げなければ…」
「ま、待って下さいー、旦那様。…置いて行かないで下さい」
「は、早く準備しろ!置いて行くぞ!!」
「は、はい。すぐ準備します」
毛皮商人は部下を怒鳴りながら準備させ、すぐに宿を出ました。そして街道を通り帰ろうとしました。しかし、街道を通るにしても一度森に入らなくてはなりません。迂回路もないので仕方なく森に入って行きました。
森に入った瞬間、動物達が襲ってきました。最初は小さな兎や鹿等の草食動物が、その内、猪や狼等が襲って来る様になりました。
商人は馬車を使っていたのですが、馬車を引いていた馬まで襲って来る様になり、慌てて荷物はそのままにして、走って逃げました。命は助かりましたが、荷物は捨てて逃げた為、売り上げが無くなり、次第に没落して行きました。
それを空の上から見ていた青と梓は和泉と碧に報告する為に湖の神殿に向かいました。
「和泉、聞こえますか?」
「はい、姉様」
「神から処罰の許可を頂きました。…青と梓さんはそこにみえますか?」
「はい、みえます。代わりますね」
「碧、決まったのね」「碧様、決まりましたか」
「ええ、決まりました。狩人達達は無罪放免とはいきませんが、神からは寛大な処置を頂きました。そして、商人には森の動物達に処罰を下して貰う事になりました」
「そう、それで狩人達の処罰は?…碧」
「それですが、考えていなくて。一緒に考えて欲しいのです。お願い出来ますか?」
「珍しいですね。碧様」
「そうですね。姉様が考え付かないなんて」
「本当ね。なのも思いつかなかったの?碧」
「それが本当に思い付かなかったの。困ったわ」
「そんな困ってない様な顔をして困ったと言っても信憑性に欠けるわよ、碧」
「でも本当な事よ」
「はいはい、わかったわ。それで狩人達の処罰はどうします?…梓、何かない?」
「姉さん、突然言われても考え付かないよ」
「はいはい!私は薬草栽培をしたらどうかと思います。どうですか?…姉様」
「あら、それが良さそうね!…どうかしら青、梓さん」
「まあ、この森は和泉さんの領域だから和泉さんが提案したのでいいんじゃないの」
「そうですね。和泉様が決めたのならよいのではないですか」
「和泉はどうして思いついたの?」
「はい姉様。…私が薬草を復活させても良いですが、狩人達だけが知っている森の奥で栽培すれば、今回の様な商人に付け入る隙を与えないで済むと思って…」
「そうね。商人がわからない場所に栽培すれば狩人達だけ採取出来るわね。では、この案でいきましょう」
「この案が無難ね、碧」
「そうですね。碧様、和泉様、姉さん」
狩人達への処罰も決まり、碧は人里にある神殿に商人達と狩人達への神託を授けました。神託を受け取った神殿の神官は、商人達と狩人達に知らせに走りました。
「すみません。こちらに毛皮商人の方はみえますか?」
ある宿屋に神殿の神官が駆け込んで来ました。宿屋の女将は滅多に神殿から外に出ない神官が駆け込んできたのでビックリしました。
「どうしたんだい、神官様」
「どうしたもこうしたもありません!毛皮商人に神託が降りたんです!」
「えー、し、神託!」
「そうです。神託です。……それで、毛皮商人はいるのですか?」
「…毛皮商人だね!い、いま呼んで来るよ。待ってな…」
宿屋の女将は神託と聞いて、一目散に毛皮商人の部屋をめざしました。そして商人の部屋に入り、神官が呼んでいると伝えました。
「す、すみません。宿の玄関に神殿の神官が来てるよ!早く行っておくれよ!」
「なんだい、そんなに慌てて」
「なんでもいいから、行っとくれ!神官様がお待ちだよ!」
「わかった、わかったから、そんな形相で追い立てないでくれ」
毛皮商人は宿の女将に追い立てる様に部屋から神官がいる玄関に向かいました。そこには慌ててきたと思われる神官が息を整えながら待っていました。
「すみませんね。貴方が毛皮商人ですか?」
「はい、私どもが毛皮で商いをしている商人です」
「では、神託を授けます。よく聞いて下さい。……『狩人達に過剰に動物を狩らせた罪は許し難し。よって、森の動物達による制裁を罰とする』との事ですが、何か心当たりはありますか」
「いえ、私どもには、心当たりはありません。…何かの間違いでは…」
「そうなのですか?もし嘘を付いているなら、その心根を改めなさい。神は嘘付きを嫌いますからより#酷__ひど__#い事になりますよ。いいですね。…」では私はこれで」
神官は毛皮商人に神託を告げましたが、商人は神託の内容を否定しました。もし商人が嘘を付いていた場合の事を商人に告げて神殿に戻りました。
神官が神殿に帰った後には顔を真っ青にした毛皮商人が残りました。毛皮商人は本当は神託の内容が当たっているにも関わらずウソを付いて“心当たりはない”と答えたのです。それで、神官が最後に口にした“神は嘘付きを嫌いますからより酷い事になりますよ”との言葉に震え上がってしまったのです。
「商人様、大丈夫かい。顔が真っ青だけど」
顔の青い商人を心配して女将が聞きました。それに「ああ、大丈夫」と言って商人は泊まっている部屋に戻って行きました。部屋に戻って毛皮商人は頭を抱えてしまいました。それをみた部下がどうしたのか聞きました。
「旦那様、どうされたのですか?」
「ああ、俺はもうお終いだ」
「どうしたのです。昨日まで順調だと言っていたではないですか。…神官が何か言って来たのですか?」
「……神託が降りたそうだ」
「え……」
“俺達がやっていた狩人を使った動物の狩りの事を神は怒っているそうだ。…し、神罰が……来る……逃げなければ…」
「ま、待って下さいー、旦那様。…置いて行かないで下さい」
「は、早く準備しろ!置いて行くぞ!!」
「は、はい。すぐ準備します」
毛皮商人は部下を怒鳴りながら準備させ、すぐに宿を出ました。そして街道を通り帰ろうとしました。しかし、街道を通るにしても一度森に入らなくてはなりません。迂回路もないので仕方なく森に入って行きました。
森に入った瞬間、動物達が襲ってきました。最初は小さな兎や鹿等の草食動物が、その内、猪や狼等が襲って来る様になりました。
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