【完結】空の青と海の碧

榊咲

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《湖の章》

ある湖畔の森の処罰【狩人】

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 神殿の神官は商人だけでなく、狩人達にも神託を伝えに向かいました。森に住む狩人達は森の入り口で大きな声で呼べば来てくれます。

「おおい、神託をを告げにきました。来て下さい!」

 大声で呼んでしばらくすると、森の#彼方此方__あちらこちら__#から姿を現しました。神官は『こちらに来て下さい』と狩人達を呼びました。不承不承、狩人達は神官の側に寄っていきました。

「それで、神官様が俺達に何のようだ」と狩人達のリーダーが神官に言いました。
「すみませんね。神よりあなた方に神託が降りたんですよ」
「はぁ~、神託だと~。おい、みんな、神託だとよ!」

「なんでぇ!…その神託ってのはよう!」とリーダーの言う事に1人の狩人が言いました。

「では神託を授けますよ。『狩人達、毛皮商人により酷い事をされていた事には同情するが、万物の長である聖霊に無断で森の動物達を多数、狩っていた事は厳罰ものである。これからは、商人に隙を見せる事はまかりなぬ。よって、森の奥にて秘密裏に薬草を育てよ!』との事です。よろしいか?」
 
 狩人のリーダーは神官の言葉に一族だけが知っている事を言われ、顔を真っ青にしました。それは狩人の大人達全員がリーダーと同じにしました。子ども達は全くわからず大人達を見ていました。

「何で、その事を……」とリーダーが#呟__つぶや__#きました。
「神はなんでも知ってみえます。嘘付きを神は嫌いますから、神託の内容をキチンと理解して行なって下さいね」
「ああ、わかった。皆んな、わかったな」
「「「「「ああ」」」」」

 狩人達から神託を#遂行__すいこう__#する事を聞くと神官は森から神殿に帰って行きました。神官が帰って行くとリーダーは大人達と話し合いをする為に森へと帰るように言いました。

「さあ、皆んな、森に帰ろう!そして男衆は広場に集まってくれ!」

 狩人達は『わかった』と了承して、家に帰るものと広場に集まるものとで分かれて行きました。
 女子どもは家に、男は広場へと向かいました。
 広場に集まった男達はリーダーを中心に丸く集まりました。そしてリーダーが話し出しました。

「さっきの神託についてだが、皆、どう思う?」

 リーダーが皆んなに話し出すと、サブリーダーが疑問を口に出しました。

「リーダー、神様はよ、俺達の行動をおk怒ってみえたよな?…罰を受けても当たり前だ!だが…『薬草を育てよ』って事は罰は無いってことかよ?」

「いや、この薬草を育てよって言うのが罰じゃないか?神官は『商人に見つからないように育てよ』って言ってただろう。俺たち狩人にとって森は庭と同じだが商人は違う。だから森の奥の俺達しか知らない所で育てなきゃならないんだよ。そうすると女子どもは手伝うことが出来ないぞ!…これは大変な事だ…」

「じゃあ、やっぱりこの事が罰って事だな」

 狩人のリーダーとサブリーダーは頭を抱えてしまった。集まった男達は大変な事をしなければならないと分かったものは、リーダー達と同じく頭を抱え、わからないものはキョロキョロと“どうしたんだ”という顔をして周りを見ていました。しかし、頭を抱えていても解決しません。リーダーは薬草を育てる場所を決める事にしました。

「では、神からの要望に応えて、薬草を育てる事にする。それで場所はどうする?」

 リーダーは男達に質問をしました。それに答えたのは、やはりサブリーダーでした。

「リーダー、森の中心にある大木の辺りはどうだろう?」
「そうだな。あの辺りなら俺達しか行けないよな…。皆んなはどう思う?」

 リーダーがサブリーダーの案を皆んなに聞くと『そこでいいじゃないか』と賛成しました。その声を受けてリーダーが言いました。

「それでは、これからは大木の土地に薬草を育てる場所を作ることから始める。5人位を1グループとし、毎日交代で行う。それと、女子どもは危ないから、このグループに入れないからな。それでは解散してくれ」

 リーダーがこう言って意見をまとめて、その日は解散となりました。その様子も商人と同じように空から見ていた青と梓は和泉と碧に報告する為に湖の神殿に帰りました。

 湖の神殿に帰ってきた青と梓は和泉に碧に報告するから水鏡の間に行く様に勧めました。

「和泉さん、今帰りました。商人と狩人の処罰について見てきた事を報告するから水鏡の間に行こうか」
「まあ、青様、梓様、お帰りなさい。…今から姉様に報告ですか?お疲れではないですか」
「ああ大丈夫ですよ、和泉様。早く報告して碧様を安心させてあげましょう」
「そうですか、ではあちらになりますから、行きましょう」

 和泉は青と梓を伴って水鏡の間に行き、碧に呼びかけました。

「姉様、聞こえますか?」
「ええ、聞こえるわよ。和泉、終わったのね」
「はい、青様と梓様のお陰で終わる事が出来ました。それで、お二人が報告をしたいそうです」
「そう、わかったわ。青、梓さん、ありがとうございました。報告をお願いします」

「碧、梓から報告させるからね。あとしばらくはゆっくりしたいわね」
「それは考えているわよ、青。それじゃあ、梓さん、よろしくね」
「もう、姉さん、いつも面倒な事は僕なんだから。姉さんが報告すればいいだろう」
「まあまあ、梓。いいじゃない。いつもの事でしょう」

「本当にもう、わかりましたよ。では報告します。毛皮商人は部下と併せて慌てて帰ろうとしたので、街道が森の中を通る時に合わせて、動物達が商人を襲う様に準備しました。上手いこと行きましたよ。あと、狩人達ですが森の中心にある大木を目印にして薬草を育てる事にした様です。まあ、こちらも罰だと思って一番最奥に作る様ですよ」

「本当にありがとうございます。青様、梓様。これでこの森も生き返ります」
「そうね、ありがとうございました、青、梓さん。心からのお礼を」
「もういいわよ。ね、梓」
「ええ、そうですよ。碧様、和泉様」

 お互いにお礼を言ったり、謙遜したりしていましたが、今回も上手く解決出来たので、青だった梓に湖の神殿で休暇を取って貰おうと和泉に話し掛けました。

「和泉、青と梓さんにそちらで休暇を取って頂こうと思っているのだけど、大丈夫かしら?」
「ええ姉様、大丈夫ですわ」
「では青、梓さん、和泉の神殿で休暇を取ってリフレッシュして下さいな。和泉が接待しますから」

「ええ和泉さん、いいの?」
「はい、今回は是非とも招待させて下さい」
「でも本当にいいの?和泉様」

「是非、是非、どうぞ」
「和泉もこう言ってますから梓さんも遠慮しないで下さいね」
「わかりました。では和泉様、お世話になります」

 こうして湖畔の生態系は守られました。まだこの件は氷山の一角だったのですが、今はゆっくり休んで次に備えて欲しいと碧は思いました。






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