月の沙漠の物語〜ある少女の話〜

榊咲

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①沙漠を行く

⑷オアシスにて2

 オアシスについて、分担してテントを張ったり、食事を作ったりしていると、おしゃべりな女衆の声が聞こえたのか、助けた男が起き上がって、焦点のあっていない目を女衆に向けているのをラクダの世話をしていたダイが見つけて、声をかけた。

「おぉ~い、目が覚めたか?」
「えぇ」

 話しかけたダイの方を向いた男は目を見開いて、ダイを見つめています。しかし、この状況がわからないようで、しきりに首を振っています。ダイは仕方がないので、状況を説明する事にしました。

「えぇと、言葉はわかるか?……あんたは沙漠で倒れてたんだが、覚えてるか?」
「はい、言葉はわかります。……それで僕は沙漠にいたんですか?」
「ああ、そうだ。俺たちの商隊キャラバンが偶然通りかかって見つけたんだ」
「それはありがとうございます。それで僕はこれからどうなるのですか?」

「まあ、それはメシを食った後に話そう。商隊長が話を聞きたいそうだ」
「今すぐでなくて、いいのですか?」
「ああ、もうすぐメシの時間だしなぁ。腹が減ってちゃぁ、話も出来んだろう?」

「(クゥ)そうですね。お言葉に甘えさせてもらいます」
「あんたはここにいろよ。オレがメシを持ってきてやる。待ってろ!」

 ダイは必要最低限の情報を沙漠で助けた男に言いました。そして、食事後に商隊長のヒロトが話を聞きたいと言っていた事も知らせた。男は言葉遣いが沙漠を行き来する商隊キャラバンとは違う事に気が付き、これは面倒ごとを引き寄せたかと、頭を抱えた。

 しかし、もう助けた後でもあるし、取り敢えず、食事をしてしまおうと思った。この感覚のことは男との話し合いをする前にヒロトに話さなければと思った。女衆は男を見て、キャキャとはしゃいでいる。まあ、確かに良い男だとダイも思ったが、ユーリとあまり違わない年ではないかと思い、女衆の側に行った。

 すると女衆と一緒にいたユーリがダイに男の事を聞いてきた。これはマズイ事にならないか?と思ったので、ユーリにはまだ何も聞いていないと言って、側を離れた。

「ねぇ、ダイおじさん。あの人、大丈夫なの?」
「そうだな。まだ話を聞いてないから、なんともいえねぇなぁ」
「そうなんだ」

「そうだ、さっき目を覚まして、どうしてここにいるのか分かってなかったぞ」
「ふ~ん。じゃぁ、ダイおじさん、後であの人の事、教えてよ」
「それはオヤジのヒロトに聞きな」

「もう、ダイおじさんのケチ!!」
「仕方ないだろ?ヒロトが心配するんだから……。オレが教えるよりヒロトに聞いた方がいいに決まってるしな」
「わかったわ。お父さんに聞くわ」

「そうそう、それが無難だぞ。……そうだ、2人分、メシをもらっていくぞ」
「は~い、じゃぁね。ダイおじさん」

 ダイは食事を2人分女衆からもらい、男のところに戻りました。男は周りを珍しそうに眺めていました。
 そこへ食事を持ったダイが近づいてくるのがわかったのか、ダイの方に近づいて来て、自分の分の食事をダイから受け取り、今まで寝ていたところに戻って行った。
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