にゃんこの居場所【完結】

榊咲

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【大トラの章】

オレの居場所

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 オレはいつもお父さんと一緒にいる。お父さんは家で仕事をしているんだ。その仕事をする所には、大きな車『トラック』って言うのが来るんだけど、その車が来ると『邪魔になるからあっちに行ってろ』と言われるから、お父さんの側から離れる。でも、普通の車?の窓が開いてたから入ってみたら、凄く気持ち良くって、もうここで昼寝をしようと寝てしまった。

 よく寝たと思って周りを見たら、全然知らない場所だし、窓が閉まってて外に出られない…。うわぁ、どうしよう。外は暗くなってきたし、出られないし、家に帰れないよ~。まいったなー。しょうがない、もうここで寝ちゃおう。明日になれば帰れるだろうと安易に考えていたんだよ。

 そしたら、窓が開いたからでたらさ、家とは全然違う所だったんだ。もうビックリだよ!仕方ないから、匂いを頼りに家までの道を探したよ。もうダメだって思った時にやっと家が見えたんだ!凄く嬉しかった。そしたら、お嫁さんが『なんだん。トラここに居ったのかん!』って言われちゃった。へへ!

 なんかね、みんな心配して探してくれてたみたい。お父さんもお兄さんも『どこに行っとったっだ』って言ってくれたんだ。心配してくれたんだなぁって、改めて嬉しくなった。だからオレは、この家から絶対出て行かないって思ったんだ!それにご飯も美味しいしな。

 あんな事があってから、車とくにトラックには近づかせて貰えなくなった。まあな、オレが悪いってわかってるから、オレも近づかない様にしたけどな!でも、ついつい、トラックが入ってきた時にお父さんの近くにいたんだけど、お父さんとお嫁さんがお昼ご飯を食べてたのに急いで出て行ったから、オレも一緒について行ったら大きなトラックが停まってたんだ。

 お父さんがトラックの運転手さんとなんか話してた。『ニャン、ニャン、ニャウン(ねえ、ねえ、どうしたの?)』って、お父さんに聞いてみたんだけど、忙しいみたいで、《あっちに行ってろ』って言われちゃったんだ。仕方ないから、トラックから少し離れた所に行ったんだ。でも、暇だからトラックの側に行っちゃったんだよ。お父さんのは近くなって言われてたけど、好奇心に狩られたんだ。

 トラックの近くに行ったら、後ろの扉が開いてた。わ~、ラッキーって思った。だって、あの車事件から、オレが車の近くにいるとすぐに『トラ、こっちにおいで!』て言われるから、近付けなかったんだ。だから、すっごく久しぶりにトラックに近付いた。そしたら、扉が開いてるんだもんな。絶対、オレに乗れよ!て言ってるみたいだった。だから、迷わず、乗ったよ。フフフ。久しぶりに乗ったけど、あんまり気持ちよくなかった。

 だから、すぐ降りようとしたんだけど、扉が……閉まってた!!アレ、どうして!なんで閉まってるんだ。お~い、って言っても、ユラユラするし。なんか動いてるっぽい!どしたらいいんだ!!
 お父さん達が心配するよ~!次に停まったら、ここから出て、家に帰らなきゃな。

 でも、外をみたら、全然みた事がない場所だった。これじゃあ、家に帰れない。仕方ない。ここで暮らすしかないな。ハア~、なんであの時乗っちゃったんだろう。今更、思っても仕方ないよな……。お父さん達、また探してくれてるかなあ?


その頃のお父さん達………………

『おい、トラがおらんぞ!』とお父さんが仕事に来ているパートさん達に聞きます。『昼にトラックが入って来てたけど乗って行っちゃったか?』とパートのおばさんが言います。
『え、あのトラック!……あれって、神戸に行くって言ってなかった?』とお嫁さんが言いました。その途端、みんななんとも言えない顔になりました。

 お嫁さんが『人懐っこいトラの事だから、あっちに行っても大丈夫だよ』と言うとみんな頷き合いました。心配だけど、神戸じゃあ仕方ないと、みんなが思っているのは丸わかりでした。
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