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第7章
第360話 ユジンとお菓子作り①(ちょい※)
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うぅ、まだおしりの中に何か入っている気がする。交渉の末、ユジンとのお菓子作りだけはなんとか認めてもらったものの、これでは代償が大きすぎるような。
「んぐ…んぅ~ぷはぁ…、はぁ、はぁ、いって…らっしゃい」
「行ってくる。俺が帰るまで部屋からは出るなよ。とくに医務室には絶対に近づくな」
「医務室は今外部からもお医者様がきて患者もいっぱいいて大変だから近づいたらダメなんでしょ? それは何回も聞いたからわかってる…っん」
濃厚なキスをして、ぽふぽふ頭を撫でて、トドメにもう一度キスをした後、やっと彼は生徒会室へと出かけていった。
「よし、机を拭いて食器洗って、掃除でもしよっかな」
水で濡らした布巾を絞っていると、ドアのベルが鳴った。
(あれ? もう来たの? 早っ!)
「キル兄様、お招きありがとうございます」
「ううん、わざわざ来てくれてありがと。入って。んひゃあ! びっくりした。ポポも来たの!?」
ドアを開けると、ユジンの飼いメフメフであるポポが僕の胸元に飛び込んできた。彼(あ、この子はオスらしい)を顔の前に抱き上げると、ポポも顔をこちらに寄せ、鼻と鼻がちゅっと触れ合う。
ふふっキスみたい…だけどキスじゃないからセーフだよね。もふもふの最高の毛並みを思う存分撫でさせてもらう。
(はぁ、癒される……もふもふ最強)
「こんなに耳をパタパタさせて喜んで、ポポはキル兄様が大好きですね」
彼をソファーへと案内してから、机を拭き、お湯を沸かすためにコンロ的魔道具に火をつけた。急いでお茶の用意をしようとするのだけど、おしりの違和感と削られた体力のせいでどうしてもスローになってしまうのが悲しい。
(さすがにあれは止めてもらわないと、僕の体力が持たない)
「つい先ほど王子に、兄様が呼んでるから来るようにと伺ったのですが、何かご用事でしたか?」
よたよたしている僕とは正反対に、ピシッと姿勢良く座っているユジンは、キラキラ眩い笑顔でそう尋ねた。
「うん。実は僕、ユジンと一緒にお菓子作りがしたいと思って」
なんで急に、って感じの提案だけど、ツッコまれる前に「ユジンは今までにお菓子を作ったことある?」と質問を続ける。
「お菓子作りですか……。いえ、作ったことは無いです。厨房に入ったこともありません。ここでは学食で食べていますし」
やっぱりないのか。僕はふむふむと頷いた。
普通に生活していて、公爵家の令息が料理をする機会なんてそうそうない。家では何もしなくても腕の良いシェフたちがご馳走を作ってくれるし、お茶菓子だって用意してくれる。学園も、学食やパレットタウンに行けばキーカードひとつでなんでも食べられる環境だし、自炊する貴族は滅多にいない。
むしろ、ゲームのユジンはなぜお菓子が作れたのかと不思議に思う。
(クッキーやらカップケーキやら、色々作って配っていたはずだけど……)
「そか。もし嫌じゃなければ、一緒にお菓子作ってみない?」
普通ならいらないスキルだけど。好感度を上げる絶好のアイテムだとわかっているからには、ユジンにできるようになってもらいたい。1年と6年は今学園が休みだから時間に余裕があるし、医務室へは午後から行く予定だと聞いている。練習するなら今がチャンス。
僕は彼が頷くようにと念を込め、ちょっと上目遣いで小首を傾げながら、あざとい笑みを浮かべてみた。
「…………」
ユジンは声を出さずに口だけぱくぱく動かして、首をこくこく揺らしている。ん~これはイエスってことでいいのかな?
「きゅううう」
ポポが代わりに返事をするように鳴いた。
「んぐ…んぅ~ぷはぁ…、はぁ、はぁ、いって…らっしゃい」
「行ってくる。俺が帰るまで部屋からは出るなよ。とくに医務室には絶対に近づくな」
「医務室は今外部からもお医者様がきて患者もいっぱいいて大変だから近づいたらダメなんでしょ? それは何回も聞いたからわかってる…っん」
濃厚なキスをして、ぽふぽふ頭を撫でて、トドメにもう一度キスをした後、やっと彼は生徒会室へと出かけていった。
「よし、机を拭いて食器洗って、掃除でもしよっかな」
水で濡らした布巾を絞っていると、ドアのベルが鳴った。
(あれ? もう来たの? 早っ!)
「キル兄様、お招きありがとうございます」
「ううん、わざわざ来てくれてありがと。入って。んひゃあ! びっくりした。ポポも来たの!?」
ドアを開けると、ユジンの飼いメフメフであるポポが僕の胸元に飛び込んできた。彼(あ、この子はオスらしい)を顔の前に抱き上げると、ポポも顔をこちらに寄せ、鼻と鼻がちゅっと触れ合う。
ふふっキスみたい…だけどキスじゃないからセーフだよね。もふもふの最高の毛並みを思う存分撫でさせてもらう。
(はぁ、癒される……もふもふ最強)
「こんなに耳をパタパタさせて喜んで、ポポはキル兄様が大好きですね」
彼をソファーへと案内してから、机を拭き、お湯を沸かすためにコンロ的魔道具に火をつけた。急いでお茶の用意をしようとするのだけど、おしりの違和感と削られた体力のせいでどうしてもスローになってしまうのが悲しい。
(さすがにあれは止めてもらわないと、僕の体力が持たない)
「つい先ほど王子に、兄様が呼んでるから来るようにと伺ったのですが、何かご用事でしたか?」
よたよたしている僕とは正反対に、ピシッと姿勢良く座っているユジンは、キラキラ眩い笑顔でそう尋ねた。
「うん。実は僕、ユジンと一緒にお菓子作りがしたいと思って」
なんで急に、って感じの提案だけど、ツッコまれる前に「ユジンは今までにお菓子を作ったことある?」と質問を続ける。
「お菓子作りですか……。いえ、作ったことは無いです。厨房に入ったこともありません。ここでは学食で食べていますし」
やっぱりないのか。僕はふむふむと頷いた。
普通に生活していて、公爵家の令息が料理をする機会なんてそうそうない。家では何もしなくても腕の良いシェフたちがご馳走を作ってくれるし、お茶菓子だって用意してくれる。学園も、学食やパレットタウンに行けばキーカードひとつでなんでも食べられる環境だし、自炊する貴族は滅多にいない。
むしろ、ゲームのユジンはなぜお菓子が作れたのかと不思議に思う。
(クッキーやらカップケーキやら、色々作って配っていたはずだけど……)
「そか。もし嫌じゃなければ、一緒にお菓子作ってみない?」
普通ならいらないスキルだけど。好感度を上げる絶好のアイテムだとわかっているからには、ユジンにできるようになってもらいたい。1年と6年は今学園が休みだから時間に余裕があるし、医務室へは午後から行く予定だと聞いている。練習するなら今がチャンス。
僕は彼が頷くようにと念を込め、ちょっと上目遣いで小首を傾げながら、あざとい笑みを浮かべてみた。
「…………」
ユジンは声を出さずに口だけぱくぱく動かして、首をこくこく揺らしている。ん~これはイエスってことでいいのかな?
「きゅううう」
ポポが代わりに返事をするように鳴いた。
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