2 / 30
第1章 黒衣の竜騎士
2 家族の崩壊
しおりを挟むそれからというもの、俺の生活は一変してしまった。
父やシバ先生が言うには、本当に領地一帯を浄化してしまったらしいのだ。
その日の夜は、魔族の仕業か神の御技かと、屋敷の周囲はおろか田園地帯の住人までもが侯爵家の城門に集結してしまったらしい。
俺は体調が回復して歩けるようになってからも、どうにも不意に魔力がくすぶって、脚をもじもじさせる時間が増えてしまった。
十五歳の兄リドルや七歳の弟のフェルズとはたまに裸で水浴びをする仲だったのに、発情した姿を見せてしまって以来、俺はすっかり裸を見せることに羞恥を覚えるようになった。
「セオにいさま…っ、ぼくの、およめさんになって…?」
「んや…っ、やぁ…っ、だめ!あぁん…っ!わ、ワーズレー!ワーズレー来てぇ!」
弟のフェルズなどは、一度夜這いじみた夜襲をしかけてきたこともあり、いつの間にかパジャマの中に頭を突っ込んでいたフェルズに乳首をチュウチュウと吸われて、俺はやはり喘いでしまった。
警戒していたワーズレーにフェルズを引き剥がしてもらって、騒ぎを聞きつけた父と兄に慰めてもらったのだが。
「フェルズはセオをお嫁さんにしたいようなのだが…セオはどう思う?」
「な…、そんな、だめ、だめです!」
「では、僕はどうだい?セオ。この命をかけて、お前を幸せにすると誓うよ…?」
「あ、あに、うえ…?」
「ああ、セオ…。どうかこの父のことも忘れないでおくれ。お前を母上と同じくらい慈しみ、一生大事にすると誓うから…」
「え、父上…っ?」
肉親からそんな熱烈なプロポーズと共に欲情した視線を向けられて、俺は混乱し、ともかく三人とは少し距離を置くことにしたのだった。
そして俺を救ってくれたシバ先生は、俺が父に再三訴えたにも関わらず、解雇されてしまった。
「シバ先生は何も悪くありません!俺を助けてくださったのに…なぜ解雇などになさったのです!?」
「わからぬか?セオ。あやつはお前を騙していたのだ。魔導士の素質があるなどと唆し、お前を連れ去ろうとしている。お前は私と母さんの子だ。そんな大それた魔力などあるはずがない。お前は多少の生活魔法が使えるようになってくれれば、それで良いのだよ」
シバに唆された。
本当にそうなのだろうか。
シバの講義は今まででほんの数回だけだったが、これまでの彼の発言や態度には矛盾はないように思えた。魔力や心臓のもやに翻弄された自覚があるからこそ、シバに助けを求めたのだ。
それよりも俺は父や兄弟、使用人などの態度の変わりようの方が空恐ろしいものに感じられた。
今も夕食の最中だというのに、以前にはなかった好奇な視線がそこかしこから向けられている。
子供のくせに醜態を晒した次男坊が面白いのか、はたまた本気で小児性愛に目覚めたと言うのか。
俺は、あれほど幸せに包まれていた家庭が、自分のせいで一気に居心地の悪いものに変貌してしまったように感じていた。そして、いっそのこと逃げ出してしまえたらと思うようになっていった。
そうしている内に季節が変わり、穏やかな夏になった。
俺の体調は徐々に悪くなっていった。
近頃では魔力が性感を刺激するというよりも、熱と疼痛で全身を怠くさせるようになっている。浄化をしても、元から綺麗なせいかあまり魔力は消費できないようだった。
その日も俺は体調が悪いと言って部屋に引きこもり、こっそり魔法書を読んでいた。
けれどどうしても上手くいかなくて、ついつい手慰みに紙飛行機を折ったりしていた。
すると窓から玄関の前に上等の馬車が停まったのが見えて、俺は眉をひそめた。
馬車の紋章は見間違えるはずのないの双頭の獅子。エストバール王家の紋章だった。
リズレイ家は侯爵といえども実質はただの田舎領主だ。使者が訪れるような王族関連の行事など、心当たりがなかった。
リズレイ家の領地は王都からはあまりに遠く不便なため、父もよほどのことがない限り手紙で用件を済ませ、社交界へ赴くことも少ない。
さては留学に行っているという王太子あたりが、結婚式でも行うのだろうかと呑気に当たりをつけていると、コンコンとドアをノックする音がして振り返った。
「どう、ぞ」
「お休みのところ申し訳ありません。セオ坊っちゃまに、お客様がいらっしゃいました」
「…僕?」
使用人の言葉に俺は慌ててジャケットを着込んでタイを締めた。
ワーズレーに案内される間、屋敷の中には十人を越す王都の騎士が立っていたのを確認する。物々しい雰囲気に怯えながら、俺は熱と疼痛に苛まれている身体を必死に運んでいった。
応接間につくと、勅使だと告げた男が、護衛を従えて難しい顔の父と共に待ち受けていた。
俺も名乗って形式通りの挨拶を交わす。その間の両者の険しい表情を盗み見ると、良い用件ではないことがひしひしと伝わってきた。
勅使が盆に乗せて丸めた紙を紐解くのに合わせて、父は畏まって絨毯に跪いた。俺も慌てて父の斜め後ろに陣取りそれに倣う。
絨毯の模様を見つめる内、朗々と紙を読み上げる声が響いた。
「王命である」
勅使と名乗った時点でただ事ではないなと思ったが、その紙は本当にエストバール王からの命令書らしかった。
カッチリと燕尾服を着込んだ使者の明朗な声が続く。
「臣下オルザ・リズレイ、ならびにその子セオ・リズレイに命ずる。セオを王太子グラン・エストバールの妃とし、即座に婚姻を結ぶこと。また勅使の馬車にてセオ・リズレイを速やかに登城させること。以上である」
そのあまりに現実離れした突飛な内容に、俺も父も唖然として息を呑むことしかできなかった。
しかしこの国において、王命は絶対である。
この勅使が偽物でない限り、俺は必ずその命令を実行しなければならない。
つまり俺は、これから外の馬車に乗って王都に向かい、留学中だったはずの王太子と結婚し、その妻になるのだ。
まるで前世に聞いた童話のような話だが、力のない田舎領主の息子が場違いな地位に収まったところで、待っているのは権力に蹂躙される人生だけだ。
俺は十二歳にして、以降の人生が王家の慰み者になることが決定してしまった。
サーッと頭から血の気が引いていく。気を失いかけたが、何とか拳を握って耐えた。
「そ、それはあまりに…横暴です」
「…異議があると?」
「っち、父上…っ!」
声を上げた父に、俺は勅使の腰の物にチラリと目を走らせて、父の袖を引いた。
帯刀している。
一方の父は丸腰だ。
応接室には他にも屈強な三人の護衛騎士がいるし、外にも十人はいた。仮に彼らを使用人や家の護衛たちと総出で制したとしても、国家反逆罪で死刑になることは免れない。
使者は案の定、父を冷たく見下ろして護衛に顎で指図した。
「王命違反だ。リズレイ侯爵を捕らえよ」
「「はっ!」」
その有無を言わさぬ横暴で性急な態度に、俺は驚き戦慄した。しかし何とか自分を奮い立たせて、父を庇う。
「お、おやめください!父は…父は、そう、ぼう、望外の喜びだと、申し上げたのです!はあっ、あ、あまりの感動に、少し言葉を誤っただけなのです…。異存など、あろうはずがございません!ど、ごほっ、どうか、どうかお許しください…!」
「セオ…」
俺は近づいてくる護衛から隠すように、必死に父の身体に覆い被さり抱きしめた。
奇妙な視線を向けられていても、俺は父を信じているし愛している。
「ほう…言葉の間違いだと。…お若いのに随分聡明な方だ。ではセオ殿は、喜んで輿入れしていただけると?」
使者はニヤリと嫌な笑いを浮かべ、父に抱きつく俺をジロジロと眺めた。
好奇に満ちた視線に俺はゾクリと背筋を震わせる。
「も、もちろんです…。陛下のお言葉、ありがたく…頂戴いたします…」
嫌悪感と絶望感ですっかり顔色が真っ青になっていただろうが、何とかそう答えて、父にすがるように抱きついた。
「セオ…、ああ、セオ…っ!」
「父上…」
「ふん、健気なものだな。そんなにその父が良いと申すのか?まだ年端もいかぬ己の息子を、無理やり妻に娶るために戸籍の操作をしようとしていたというのに?」
「え…?」
そう鼻で笑った使者の言葉に、俺はすがりついていた父と使者を交互に見つめ、真意を尋ねようとした。
「本当ですか?父上…」
「…それは」
「ギルドから再三セオ殿の魔導士検査を受けるように警告されても無視し続け、魔導士会からの脅迫も知らん顔。あろうことか陛下の召還命令までをも無視する始末。挙句の果てに自らが管理する戸籍を改竄し、婚姻年齢にも達していない息子を無理やり妻と書き換えたのだ。まだ中央では受理しておらぬがな。田舎領地には目が届かぬと、陛下を侮っておったか」
使者が打ち明けた父の不手際だらけの行動に、俺は自分の耳を疑った。
ギルドだの魔導士会だのはよくわからなかったが、王の召還命令を無視とは、正気の沙汰とは思えない。
しかも職権を濫用して貴族戸籍を改竄したという。確か法律の家庭教師に習った知識では、この国での公文書の偽造の罰は、爵位返上の上に斬首だったはずだ。
たかが息子一人への偏愛で、自分の命はおろか、一族郎党を路頭に迷わすつもりだったのか。
俺はとてもじゃないが信じられないという気持ちで、触れていた父の肩を離して後退った。
「セオ、誤解だ、私はお前を魔導士たちに奪われないようにと…」
「リズレイ卿、そなたの蛮行が陛下のお怒りとご関心を買い、こたびの異例の婚姻の申し入れとなったのだ。セオ殿は正式に王太子妃となられる。エストバールでは、未婚の王族ならば、いくらお相手が年若くとも入籍できるからな」
そんな特権があったのか。
しかし性別は。俺はスカートもはいていないし、男だということは皆わかっているはずだ。しかしなぜかそれに言及する者はいなかった。
俺も聞くことはできなかった。なぜかエストバールでの、男や女という単語を知らなかったからだ。
「陛下を差し置き、至宝である『魔導の御子』を占有しようなどと企てるからだ。そなたの愚行は、セオ殿の賢明な判断に免じて許してやろう。だが取り返そうなどとは思うな。この方はすでにエストバール王のものだ」
『魔導の御子』。
初めて聞くその言葉に、心臓が引き絞られる気分だった。まさか自分が、勅使の言うその至宝の存在だとでも言うのか。
また魔力がうねりを持って暴れ始めたようで、全身が熱く、痛い。
使者の不遜な物言いに、俺はただ震えて恐れ慄くしかなかった。
使者と護衛に囲まれて応接間を出ると、遠駆けから呼び戻されたのか、兄リドルと弟フェルズが沈鬱な表情で待ち受けていた。
「セオ…」
「セオにいさまっ」
「兄上、フェルズ…」
俺が足を止めると、王都の護衛たちは少し躊躇いつつも俺の前に立ち塞がった。
「お手を触れてはなりませぬ。セオ殿の御身はすでにエストバール王家に帰属していらっしゃいます。どうかお言葉だけおかけになってください」
使者が急に畏まった態度で話しかけてくる。使者としても、犯罪者の息子で王太子妃候補の俺を、どう扱うべきか決めかねているのだろう。
俺は二人を見つめて、引き攣る頬を何とか笑顔にした。
「どうか、お元気で…」
俺はそれだけ言うと、二人から顔を背け玄関に向かって歩き出した。
「セオ!!セオ行くな!!」
「セオにいさま!!どうして!?セオにいさまあぁっ!!」
どうして。
そう言って泣くフェルズの声が、やけに胸に突き刺さった。
どうして?こっちが聞きたい。なぜこんなことになってしまったのだろう。
あの胸のもやを晴らさなければ、こんなことにはならなかったのだろうか。今でも屈託のない笑顔に溢れた家で、俺も一緒に笑っていられたのだろうか。
ーーー戒めを解いた報いを受けよ!!
あの時頭に響いた声が、まだ俺の身体の中で木霊している気がした。
5
あなたにおすすめの小説
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~
トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。
突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。
有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。
約束の10年後。
俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。
どこからでもかかってこいや!
と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。
そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変?
急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。
慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし!
このまま、俺は、絆されてしまうのか!?
カイタ、エブリスタにも掲載しています。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる