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第2章 魔導の御子
6 魔臓(※)
しおりを挟む七賢人というのは、ここロスディアの魔導士会全体を指揮する重鎮で、ご意見番みたいな人たちのことらしい。
その七賢人のお墨付きもあって、アークは公然と一緒にいてくれることになったのだが。
「あの、管理官…俺、歩けます」
「どうせ転ぶ」
「で、でも…恥ずかしい…」
「何がだ」
「皆、管理官を見て…驚いていませんか?」
「そうか?…ではこれでいいだろう」
今日は病院の裏庭で魔力操作と初期魔法の訓練をするというので移動しているのだが、俺が歩き始めるとアークはヒョイと俺の身体を持ち上げてしまったのだ。
おまけにすれ違う人皆から驚かれて、それを指摘したところで、バサリと黒いマントもかけられてしまった。
余計密着して落ち着く…ではなくて、ちゃんと歩かなくては体が鈍る。
「ぷはっ、ダメですこれは。寝そうです」
「構わん」
「歩きます」
「遅いからいい」
「うぅ…」
そんなこんなでようやくたどり着いた裏庭でスリッパを履かせてもらい、熱と眠気でフラつきながらも白い寝間着の崩れを直して居住まいを正した。
「師匠…ご指導、よろしくお願いします…」
フィリップはアークから睨まれるのがやりづらいらしく、チラチラと視線を向けている。
ヘルシエフも付いてきてくれたのだが、どこか厳しい目つきだ。
俺も緊張しながらお辞儀をすると、フィリップは咳払いで気分を切り替えていた。
「はあ…まあいいでしょう。ごほん、それでは、セオ。今まで魔法について習ったことはありますか?」
「はい。エストバールで、三回ほどシバ先生…えっと、地方監査官から、初心者向けにと、ご指導を受けたことがあります。はあ…っ、あ、あとはシバ先生からお借りした魔法書を少々…」
「魔法書?監査官が配る初心者向けとなると…あれでしょうか」
フィリップは袖を引いて大きな腕輪のような機械を取り出すと、魔力を通して画面を浮かび上がらせた。
こんなものまであるのか。
俺は目を丸くして腕輪を見つめたが、フィリップの示した画像が見覚えのある本で止まったので、指で差した。
「あ、これです。入門用…魔法実技総論。これは、一通り読みました」
「ふむ…。しかし魔力操作はソレですか…」
「め、面目ないことで…」
俺はションボリと肩を落とす。
「いえ。その状態では無理もないことかも知れません。君は覚醒したといえど、他の十代の魔導士よりも余程しっかりして見えます。十三歳でしたね?本の内容の意味はわかっているのでしょう?」
「ん、あの、シバ先生からは、お腹の下に魔臓があるから、魔力はそこで作られてそこに蓄えられると…。はあ…っ、本にも魔臓の内壁に、魔力を貯めて膨らむ細胞があると、書いてあったのですが…その、絵を見ても、魔臓がどこにあるのか、自分ではよくわからなくて…」
「やはりそうですか…」
自信のなさにだんだん声が小さくなりながらもそう打ち明けると、フィリップも弱り切ったように短い白髪をザリザリと撫でた。
あ、短いの羨ましい。
俺も髪切ろうかなとぼんやりした視界で伸ばしっぱなしの金髪を摘み上げる。前はもっと短かったのだが、今は女の子のショートボブくらいの長さになってしまっている。
うっかり他ごとを考えていると、フィリップはまた咳払いをして向き直った。俺も慌てて髪から指を離して姿勢を正す。
「ごほん、まあ、はい。その見識でよろしい。魔臓というのは誰にでもあるものですが、魔力があっても訓練をしないと機能はしないのです。それで…その、ですが。セオ、これは魔力操作に大事なことだから聞きますが。…君、自慰はしたことはありますか?」
「ジイ」
「そうです。自分の性器…おちんちんを触って、気持ちいいなと思ったことはありますか?」
「へっ…?」
この快晴の空の下で、真面目くさった顔をして、フィリップは一体何の話をしているのだろうか。
しかも魔力操作に必要ということは、それは自慰の経験を自己申告しなければいけないということなのだろうか。
俺は熱ではなく羞恥で一気に頬が紅潮していった。
前にアークにも似たような質問をされたが、すぐに許してくれたのに、フィリップはまだ俺の答えを待っている。
「あ、あの…っ?」
俺は十三歳だぞ?十三歳の少年に大人が授業中に公然と聞く質問かこれは?いや何歳でもこんなこと言うのは恥ずかしいだろう。
それに自慰?あれ?したことあったっけ?
なんか王子に触られて辛かったことは覚えているけど、あ、あと弟に抱きつかれて射精しないでもイッちゃったこともあったか。
でもあれは最初の魔力に酔ったというか、自慰ともちょっと違う気がする…。
俺は自分の拙い経験を思い出して青くなったり赤くなったりしながら、目が潤んできてしまった。
前世では多少したことはあるはずだが、情けないことに歳を取るばかりでろくな経験はなかった。
しかも魔臓なんていう器官があるようだし、この身体の構造も感覚も、前の身体とは違うような気がしていた。
俺は迷いながらも正直に王子との経験を打ち明けることにした。
「あ、あの…触られた、ことなら…でも、気持ちは…悪かったので…。よく、わかりません…」
情けなくも涙ながらにそう言うと、フィリップは明らかにしまった、という顔をして額に手を当てた。
「ああー…そうですか…」
「あ、あの、でも。やり方なら、わかります。…大丈夫です」
俺もしまったと思いながら平気を装う。これでは気を遣わせてしまう。
しかし結局はエストバールでグラン王太子に襲われたことを思い出してしまい、少し気持ちが悪くなってきていた。
「セオくん?」
ヘルシエフの心配そうな声が聞こえる。俺は軽く手を口に当てて、うっかり吐かないように気をつけなければと、息を整える。
するとアークがツカツカとやって来て、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「おい、吐くか?」
俺は身体も少し辛くなって、アークを見つめ両手を伸ばした。アークも意を察してヒョイと足を抱えて俺を持ち上げてくれる。
不思議とアークが側にいると落ち着いて、身体の熱や痛みや怠さも、全てが楽になる気がする。助けてもらった安心感ゆえかもしれない。
そのままアークの胸に寄りかかって息をつく。
フィリップも心配そうに俺を覗き込んできた。
「大丈夫ですか?すみませんでした。辛いことがあったとは知らずに…」
「いいえ。あの、大丈夫です。それで、その、自慰をしなければ、魔力操作はできないのでしょうか?」
アークの胸にすがりついたままフィリップを見上げる。
フィリップは首を振って解説してくれた。
「できないわけではないのです。しかし精巣と魔臓は繋がっていますし、お互いに代わりの役割も果たします。だから魔臓は射精した時に一番感覚が鋭くなる。睾丸のすぐ裏側なんですが…普段はどこにあるのか全くわかりません。魔臓の感覚を掴めないと、魔力収納はなかなか難しいのです」
「そう…ですか…」
「だがこれは、まだ精通もしていないぞ」
「~~っ!」
アークが余計なことまでバラしてしまい、俺は顔を再び赤くした。
「射精をしなくとも、おぼろげな感覚だけなら掴めますから。しかし…辛いことがあったのなら無理強いも…」
フィリップが心配してくれて、何か別の方法はあるかな、と頭を抱えた。
しかし頭上から低い声でサラリと爆弾発言が降りてきた。
「ならば俺がやろう」
「は?」
「えっ?」
「ちょ…!アーク!?それはダメだ!というか、そういう医療行為なら僕の出番だろ!?僕がやる!」
俺はアークが何を言っているのかわかるようなわかりたくないような、空恐ろしい気分でアークを見つめた。ヘルシエフも名乗りを上げてくれてはいるのだが、彼の乗り気に見える態度にも若干怯えてしまう。
アークは何でもないかのように、いつもの仏頂面で見つめ返してきた。
「気分が悪くなったらやめる。どうだ?」
「え…あの、でも…」
「お前は一刻も早く魔力操作を覚えなくてはならない。魔臓を使えないまま垂れ流しにしていては、いずれ魔力切れで死ぬことになるぞ?」
「え…っ、そ、そうなんですか…?」
アークの言っていることがにわかに信じられずに、つい他の二人に視線を向けてしまう。
ヘルシエフは分厚いフレームの眼鏡を引き上げながら、ため息をついた。
「はあ…、まあ、今日明日の話ではないけれどね。魔力が覚醒した時には今まで身体に溜めに溜めてきたものを排出するわけだから、生成量も多いんだよ。魔力あたりになったり溢れるほど流れ出たりしても、生きていく上では問題ない。けれどその状態が長く続くと、今度は血が魔力の飽和に順応してしまうんだ」
「血が…?」
「うん。だんだん魔力が溢れるほどあることに慣れてきてしまって、魔力が足りなくなると、今度は血が魔力を消費するようになる。一時的なら血も魔臓のように貯蔵庫のような働きができるんだけどね。一度枯渇するとかえって魔力を消費してしまうんだ。それが常態化してしまうことを慢性魔力欠乏症と言う。慢性的な欠乏症になったら、誰かに補充してもらわないと、死ぬまで昏睡状態が続く」
俺はポカンと口を開けて冷や汗をかいた。そんなことになったら、折角世話になって衰弱から回復したところなのに、またアークやヘルシエフに迷惑をかけることになる。
アークはつまらなさそうに呟いて付け足した。
「こいつは覚醒してからすでに一季月以上が経っている。それでもこの生成量だ。血の消費量も凄まじいことになっているかもしれん。起きていられるのなら、今できることはしておかなければ。誰かに補充させるだけでは生きていくことすら難しくなるぞ」
「それは…そうだろうけどさぁ…だったらなおのこと僕の役目じゃない?」
「君は触りたいだけでしょう」
ヘルシエフがなおも言い募り、フィリップが明け透けにつっこんだ。
「お前らは一度解散しろ。部屋に戻るぞ」
「えっ?へ!?あ、あの…っ!」
そんなこんなで、中庭での修行は中断してしまった。
アークは俺を抱えたまま物凄いスピードで走り始め、中庭から病棟へ突撃すると、窓を開けて部屋に飛び入り、すかさず窓とカーテンを閉めた。
「…っび、びっくりした…」
アークが窓を突き破るつもりかと思って、心臓がバクバク跳ねた。
「お前は寝て…はマズイな。何か落ち着くようなものはないか?枕でも抱いて横になるか」
アークの言葉に、俺は首を傾げた。
「落ち着く…のは、管理官のマントの中は落ち着きます。これ、どこで手に入りますか?」
「…生産部に問い合わせよう。そういうことならひとまず入れ」
「わぷ」
「はあ…小さいな…」
アークは俺をマントの中に閉じ込めると、大きな腕でギュッと抱きしめてきた。
なぜだろうか。じんわりと幸せな気分になる。
マントにくるまったままアークに持ち上げられて、ベッドの上に腰かけた。スリッパはいつの間にか脱げていたので裸足だ。
背中から抱きしめられて、真っ暗な中の太陽の匂いに、ウトウトと眠気が襲ってくる。
しかし抱きしめていた腕がそろそろと股間に降りてきて、俺は身をよじった。
「ここも小さいな…」
「ん…ぅ…」
アークはやっぱり本当に俺の自慰を手伝うつもりなのだろうか。大きな手は少しいやらしく服の上から俺の股間をさすっている。
しかしこちらと地球ではやり方も違うかもしれないし、命がかかっているというのなら、誰かに確認してもらった方が安心ではある。だがこんなことまで命の恩人に手伝わせるのは気がひけるなんてものじゃない。
「あの、やっぱり自分で…うぅんっ」
アークの腕から逃れて断ろうとしたが、キュッと緩く股間を掴まれて、動きが止まる。
そのままやわやわと優しく揉まれて、感じたことのない温かな快感がジワジワと身体に伝わってきた。
「ん、ぁ…、な、に…これ…」
そうして揉まれてみて改めて気がついた。
前世では誰ともこんな接触の経験なんてなかったということに。他の人に触られたのは、王子が初めてだったのだ。
しかもアークは、あんな性急な感じではなく、優しく包み込んできて、まるで慈しむようにフワフワと撫でてくれる。
ヤバい。気持ちいい。
そう思った時には、もう手を離して欲しくなくて、俺は小猿のようにアークの腕に抱きついていた。
「ん、ん…」
鼻息荒くアークの腕にすがりつき、腰を擦り付けている自分が恥ずかしくて、でも心地よくて、その安心感が癖になってしまいそうだった。
「ん…っ、はぁ…っ」
俺のモノは小さく立ち上がってきて、アークはそれも指の腹で撫でるようにくすぐってくる。
「はぁ…ぁふ…」
熱で草臥れた身体で、ずっとこのまま包まれて眠りたいと思うほど、アークの手は心地よかった。
少し欠伸をして、すりすりと額を擦り付けて、俺は本格的に寝に入ろうと腕に抱きついて力を抜いた。
「おい。今寝たら…明日から来ない」
「ふぇ…っ!ぶはっ、ね、寝てません!寝ません!」
「そうか…」
「は、はい…」
明日来ないと言われたくらいで何を必死になっているのかと、マントから頭を出してしまってから、俺はかなり恥ずかしくなった。
赤くなって目を逸らすと、アークの手が下着の中にズボッと入り込んで来た。
直接強く握りこまれ、ビクンと腰が浮いてしまう。
「んぅっ!…はっ、ぁ、あの…!」
「なんだ」
「口を、塞いでもらえませんか…?その、変な、声が出そうで…」
「…わかった」
「んむっ」
アークは俺の頼み通り、空いていた方の手で口を塞いでくれた。
再び背中から抱き込まれて、ベッドの上で今度は少し激しく手でいじられる。
親指の付け根で陰茎をグイと挟まれて、絞り出すように節くれ立った指でしごかれる。しかも玉も無造作にゴリゴリ握られて、擦り合わされそうなくらいに揉まれ、俺は堪らず喘いだ。
「んむぅ…!んんぐ…っ、んふぅっ、ん、んふうぅ…!」
口を塞いでもらって良かったと思いながら、必死に鼻から息を吸った。
ヤバい。これ、めちゃくちゃ気持ちいい。
アークの手の感触にウットリと感じ入って、カクカクと腰を揺する。
自分で腰を動かすのも、中身や玉が揺さぶられて気持ち良かった。
「んふぅ、ん、ん、ん…っ、ふむぅ、んふ…っ、ん、ん…」
気持ちいい、気持ちいい。
本当はこんなことしちゃマズいのかもしれない。でも俺には大義名分がある。
きっと他の魔導士だって、こうして誰かに手伝ってもらって、勉強してるに違いないのだ。
ああ、気持ちいい。
アークに変なことをさせてしまっている罪悪感も、かなりの年の差で男同士という禁忌も、全てを忘れて俺は快感に没頭した。
「んうぅ…っ!!ん…っ、ん…」
頭をジンジンと麻痺させるような快感に酔い痴れて、貪るように腰を振った。
充血しきった小さな陰茎がビクビクと震え、内股がヒクヒクと痙攣する。
口を覆う手が外される。手にはヨダレがついていた。
「はあ…わかったか?」
何が。
アークの手が好きなことがだろうか。
気持ち良かった。
「ん…、きもち、いぃれす…」
「いや、そうではない。魔臓の位置だ」
「はぇ?」
まぞう?
って、何だっけ?
確かエッチな魔力の…
「そうだ魔臓!え?…ど、どこ!?」
アークの言葉で我に返り、俺はふらりと起き上がって自分のズボンとパンツを伸ばし、中を覗き込んだ。
「う…、え?…あれ?」
「はあ…」
狼狽える俺にアークは重苦しいため息をつき、俺は申し訳なさと恥ずかしさで泣いた。
「あ…っ、う、うぇ…、ご、ごめ、なさ…っ、おれ…っ!ばかで…」
「泣くな」
「ひっく、で、でも…かんりか…っ、どう、しよ…また、めいわくを…っ」
羞恥と後悔にビクビクと震えて泣いていると、アークはグルリと体勢を変えて、俺を押し倒し、上に覆い被さってきた。
「セオ」
「っ!」
名前を呼ばれて、ドクンと心臓が跳ねる。
ドクン、ドクンと下手な太鼓のように、誰かが胸を内側から叩いているような気がした。
「何度でもしてやる。だが次は…よく感じていろ。魔臓は、ココにある」
「ひゃ…っ!?え…、あ…」
アークに撫でられたのは、玉袋の裏と肛門の間の、わずかな隙間だった。スルスルと撫でた後、グリッと指で抉るように押される。
「ひゃん…っ!?う…っ、アー、っか、かんりかん…」
「お前は呼ぶなよ?」
「んんっ」
「…無事で帰せなくなる」
うっかり名前を言いそうになったのがまんまとバレて、また口元を大きな手のひらで覆われる。
気づけばアークの息も荒く、必死に整えているようだった。
「ふぅー…仕方ない。やるか…」
アークはそう声をかけると、おもむろに腰を上げ、片手で自分のズボンをずり下げて自分のモノを取り出した。
それもなぜか上にそそり立っていて、俺は驚きに目を剥いた。
「う!?」
「すまん。これも手段の一つなんだ…少し合わせるぞ」
合わせる。
それは一体どういう状態だろうと首を捻っていると、俺の寝間着のズボンも片手でズルッと下ろされた。
「んんっ!?んんんーっ!」
そしてベッドに転がされている俺の小さな陰茎に、アークの大きく太い陰茎がグリッとぶつかった。
しかも体重をかけてグリグリと擦り上げてくる。
「んうぅぅっ!?」
あ、これ、やっちゃダメなやつ。
裏筋をこれでもかと抉られて、俺は仰け反った。
グングンと腰を振られて、俺の陰茎がアークの陰茎でしごかれる。
「んんっ!んんんっ!んぅうっ!」
アークに腰を振られて犯されている錯覚が、ゾクゾクとした愉悦と快楽を生み出して脊髄を走り抜ける。
何度も何度も陰茎で擦られて、俺はウットリと快楽の渦に呑まれていった。
気持ちいい。
「んぅ…、ふぅん…っ、ん…っ」
陰茎を擦るのは、こんなに気持ち良いものなのか。
腰の中に何か別のものが仕込まれているような、自分の中に隠されていた雌が暴かれてしまうような、奇妙な危機感が芽生える。
「っく…、わかった…か…っ?」
そう聞かれて感覚を探れば、確かにアークがここだと押し込んだ部分に、尻が浮くような違和感がある。
何となくわかったような、でも違うような。
そんなソワソワした気持ちで、俺は首を振った。
何よりも今はまだ、やめて欲しくない。
「んうぅ…っ、んん…っ、んぅ…!」
「…悪い子だ」
アークは息を荒げ汗をかきながら、真っ青な瞳で俺を見つめ、ニヤリと笑った。
俺は自分でもアークの陰茎に腰を擦り付けて、快感を貪る。
アークのことが、好きになってしまいそうだった。
その大きな肩にすがりついて、口づけがしたい。
中途半端に着ている服も脱ぎ去って、もっと、全身を素肌で触れ合いたい。
そう思うと、腰の中の雌の部分が、キュンと縮まった気がした。
「んぅ!?ん…うぅ…!」
もしかしてこれか。
俺は目を見開いて、アークにそこを犯されることを夢想した。
ココに欲しい。
無性に、ココを暴かれたい。
キュンキュンと脈打つ内臓に、身体を巡っていた微かな熱が集まりだした。
「んんんんっ!!?んはぁっ!や…っ、やああん…っ!」
腰の下にいきなり集中しだした熱に思わずアークの腕に爪を立て、身をよじって喘いだ。
「…よし。そのまま入るだけ…魔力を納めろ」
「あっ!あああ…っ!!はああっ!」
嫌だ。これじゃない。
違う。もっと。
もっと熱が欲しい。
「あああっ!!うぁああ…っ!!」
快楽か苦痛かわからない感覚に溺れて、混乱の最中に失禁した。
ショロショロと尿がこぼれて、腹を伝いベッドに染みていく。
しかしそんなことがどうでもなくなるくらいに、腰の中が気持ち良かった。
「ああ…!!んあ…っ、はあ…」
ドクドクと耳の中で鼓動が聞こえている。
「よくできたな。偉いぞ」
クラクラと目の前が真っ暗になっていく中、アークが褒めてくれた声が聞こえた気がして、俺はへらりと笑った。
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