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第3章 訓練研修生
9 魔力液(※)
しおりを挟む読書して過ごしていると、昼頃になってアークがラーメンらしきものを持ってきてくれた。
せっかくの懐かしい味だったが、もそもそと上の野菜だけ食べてあとは残してしまった。残してもアークがそのまま引き取ってくれたので、残飯がどうなるのかはわからなかった。
フィリップが来たので、魔術の練習をするために庭に出る。
アークの家は街から離れたところの小山の上にポツンと立っているので、他の人に会うこともない。
「これはまた…見事に荒れてますね」
どこか気難しい雰囲気のある整った顔立ちを少し歪めて、フィリップが俺とアークを呆れたように見つめた。
俺は消え入りたいくらいに居た堪れなくなって、顔を伏せた。
「す、すみません…魔力操作も、上手くいかなくて…」
「ああ、無理に魔臓に収めてはいけませんよ。しかしこれは…魔臓も鍛え始めた方がいいかもしれませんね…」
「え?魔臓って、鍛えられるんですか?」
顔を上げれば、フィリップは少し怒っているようにも見えて、俺は慌ててまた俯いた。
フィリップは硬質な声をアークに向けた。
「アーク」
「…」
「君が面倒を見るつもりだったのではなかったのか?これでは衛生管理棟にいた方がよほど良かった。今から私が引き取ってもいいのですよ?」
「え…」
その時、強い風がブワリと吹き付けた。
「うわっ…」
木々がざわめき、家の窓がガタガタと揺れる。
フィリップは俺を庇うように背に隠し、押し黙るアークに言い募る。
「そんなにも取り乱すくらいなら、始めから喧嘩などしないでもらいたい。わかっているでしょうが、乱暴な真似は許しませんよ」
「…わかっている」
いつの間にかアークは俺のすぐ後ろに回り込んでいて、振り返る間もなく俺は真っ黒の大きなマントに包み込まれた。
「っぷ…か、管理官…?」
マントの下でギュウと抱きしめられて、ドキドキしてしまった。
アークがどうしてこんなことをしてくるのかがわからない。
そして俺も、なぜこんなにもアークに惹かれてしまうのかがわからなかった。
「はあ…魔力暴走が落ち着くまでは、他の魔術には手は出せないでしょう。今日のところは魔石作りをして、少しでも魔力を少なくして、操作を覚えることです。ああ、もうトラスレットが支給されていますね。魔術書でしたら、セオにはこちらがお薦めですよ」
マントに包み込まれたままの俺は顔を出そうとするのだが、アークによって阻止されてしまった。
「わかった」
代わりに返事までされてしまって、どうしていいかわからないままアークに抱きしめられていた。
「…くれぐれも傷つけることのないように。明日も様子を見に来ます。私に取られたくなければ、あまりその子を不安にさせないことですね」
フィリップはそう言うと去って行ったようだった。
俺はしばらくアークに抱きしめられたまま、ドキドキしながらも眠たくなってきて、ウットリと夢見心地に浸っていた。
「お前は…」
アークのため息交じりの声で我に帰ると、いつの間にか抱き上げられて家の中にいた。アークの顔が目の前にある。
そして何となく唇に濡れたような感触が残っていた。
アークはどこか不機嫌そうな、嫌そうな顔をしている。
俺はハッと覚醒して、慌ててアークに抱きついていた身体を引き離した。
「ご、ごめんなさい!俺、また…?」
「いや。謝る必要はない」
「え…」
逃げるようにソファの端に座り込んだのに、アークが追いかけて来て、押し倒されたみたいな体勢で覆い被さられる。
アークの匂いが堪らなく愛おしい。
その心臓に触れたくて、恐々と手を伸ばす。
黒いシャツを摩ると、トクトクと脈打つモノに触れて、俺の胸と魔臓があるはずの股の下がキュウキュウと引き絞られたように痙攣した。
アークは相変わらず嫌そうな顔なのに、離れたりしないで俺を見つめている。
また勘違いしそうだ。
「アー…管理官」
「ああ」
難しい表情で眉を寄せ、触られるがままになってくれている。
それがなぜだが異様なほどに嬉しくて、俺は恐る恐るアークの唇に顔を近づけた。
「キス、して…いいですか…?」
唇に吐息がかかるほどに近づいて、しかし躊躇って、何とか伺いを立てる。
「…ああ」
「ん…っ、ちゅ、っはあっ、かんり、かん…っ、はむ…っ」
許可が降りた瞬間、俺は彼の首に縋り付いて胸も擦り付け、その唇を夢中で貪った。
「はあっ、あ…っ、なんで…ちゅ、んん…っ、はあっ、きもち、いぃ…」
再び意識が朦朧としてきて、チビのくせにしっかり勃ち上がっていた自分の陰茎を、アークの腹に擦り付けた。
「あー…かんりか、ん…っ、ほしい…っ、ちゅ、おれの、かんりかん…」
「ああ」
返事がくると思っていなかった妄言に、あろうことか了承の意を示されて、俺は腰を振りながら天にも昇る心地で歓びの悲鳴を上げた。
「あん…っ、う、うれ、しい…!かんりかん、おれの…っ、おれだけの、もの…」
動かないアークにちゅ、ちゅと口づけては胸や股間を擦り付け、悦びに浸っていた。
しかしアークの股間に手を伸ばそうとすると上手く避けられてしまい、触らせてもらえない。
「それは…無理だ」
「あ…ご、ごめんなさい…っ」
ビクリと震えて手を引っ込めるが、その手をアークに捕まえられる。
アークの手のひらもドクンドクンと脈打って、微かに震えているようだった。
「かんりかん…?」
「俺のは無理だが…お前のは…触って鍛えた方がいい」
「え?」
「ここのことだ」
アークがツルリと俺の尻を撫でて、睾丸と肛門の間をグリッと指で押した。
「きゃあんっ!?あっ!やあん…!」
強烈な快感に俺は怖くなって押し付けていた身体を逃して、ソファの肘置きにしがみついた。
「魔臓だ。魔力を貯めてパンパンに腫れている。少し絞って…出せるようにした方がいい」
「だ、出す…?何を、ですか…?」
身体がフルフルと震えて目に涙が浮かぶ。
勃起した小さな陰茎だが、まだまだ射精などできそうにない。
「心配するな。これは…治療でもある」
「治療…?」
「そうだ。魔力で腫れ上がった魔臓を絞って…また魔力が貯められるようにするんだ」
「絞る…どう、やって…?」
「大丈夫だ。怖くない…口付けたければ、そうすればいいから…」
「ほんとに…?」
「ああ」
アークの方からしてもいいと言われて、俺は胸がときめいた。
「名前は…だめ…?」
「それは…やめてくれ。お互い辛いだろう。お前を…傷つけることになる」
「管理官…」
「ああ」
名前を禁止したのは俺を傷つけないためだと言われて、単純にそうなのかと思った。
呪われて縛られるのが嫌だからと言われなくて良かった。
屈みこんだままのアークに近寄り、肩に縋り付いてまたキスをした。
「ちゅ…ちゅ…っ、かんりかん…、すき…、ちゅ、かっこいい…すき…、ちゅ」
「…っはあっ、…触るぞ」
アークは俺ごと起き上がってソファに座り直した。より一層苛ついたようなしかめっ面で、俺の腰に回した手がそろそろとズボンのベルトを外した。
「あ…っ、ぬがしちゃ、やだ…」
「無茶を言うな。破るわけにもいかんだろう?」
「なんで…?」
再び首を傾げた俺に痺れを切らしたように、アークは俺の足を抱き上げて、ズボンとパンツをズルリとずり下げた。
俺の興奮しきったモノがプルンと剥き出しになる。
「きゃん…っ!?ひゃ…っ、だ、だめ…やああんっ!!?」
スルリと股の間に割り込んできた大きな手は、宣言通り肛門の手前をグリグリと絞るように押し付けて、中を揉むように強く揉み込まれた。
「やはあん…っ!!や…っ!やめこれ…っ、やら…っ、かんりかん、やら…っ!」
「はあ…っ、大丈夫だ…後ろも…触るぞ」
「へ?ひあ…!?」
魔法なのかヌルリとした何かに濡れた太い指が、肛門を揉み始めた。
「ああっ!やめて…っ!こわい、へんな…っ、おしり、へんだから、さわったら…っあああっ!!」
首を振って必死にまくし立てるが、俺の肛門は呆気なくヌプリとアークの指を迎え入れた。
このところ魔臓と同じく違和感があった肛門は、異様な熱さを発して痛みを訴えていた。
「いたいっ!…いたいで…っきゃうんっ!?んぎゃ…っ!?」
痛みを訴えていたはずの肛門と魔臓だったが、外側と内側から潰すように捏ねられて、俺は訳がわからない感覚に震えた。
目の前に星が散り、陰茎に何かがせり上がってくる。
「や…っ!おしっこ!おしっこ、もれちゃうっ!」
「出せ。全部飲んでやる」
飲む。
一体何を言っているんだとか、そんなことできないとか、腰を引いて当たり前の否定の言葉を言おうと思ったのに、俺はその全てが間に合わず、プシャリと何かを漏らしてしまった。
どうしようもなく溢れ出てしまったモノが、アークの開いた口の中にかかる。
俺が陰茎の先から噴き出したのは、虹色に光るトロリとした体液だった。
「ひゃあんっ!?な…っ!?ひあ…、あ…っ」
ガクガクと膝が震えて、尻に挿れられたままの指にその何かが更に絞り出されていく。
「いああっ!っいや!なに!?なんれ…こわい!あーく!なにっ!?」
「っこんな時に呼ぶな!!犯されたいのか!?この小さい腹を孕ませるぞ!?」
アークに初めて怒鳴られて、俺は驚きながらもまた虹色の液を漏らした。
「ふぇっ…ひあ…、あ…っ!」
怒ってしまったのか、もう嫌われたのか、自分の身体から薄気味悪い体液が出た恐怖と合わさって、俺は訳がわからず泣きじゃくった。
「うう…っ、うぐっ…っ、ふぇ…っく、う、ぐすっ、ううぅ…っ」
泣き出した俺に浄化をかけると、アークは俺の服を元に戻して、膝に乗せて抱きしめてくれた。
「はあ…、すまない…」
「ひっく、う、あー…っ、か、かんりかん…」
「ああ」
「嫌いに、ならないで…」
「…ああ」
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