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「レイモンド、」
「レイで構わない」
「そう、じゃぁ、レイ」
「なんだ?」
「俺はこれから、どうなるの?」
「そうだな────」 

ぐぅーーーーー 

空気を読めない俺の腹が元気よく鳴った。
どんな時にでも腹は空くらしい。
レイモンドは一瞬驚いた顔をしたが、堪えられなかったとばかりに笑いだす。 

「ふっはははっ!いや、笑ってすまない。話の前に朝飯にするか」 

俺は顔を真っ赤にして俯きながら、小さく頷くので限界だった。



「今日お前のことを陛下に報告しようと考えていたんだ、
流石に私の一存で判断することは出来ないからな」 

朝食を食べながらレイが話す。
俺はあの後、食堂へ連れてこられた。
レイと俺が席に着くと、メイドさん達によってパンやスープが運ばれてくる。 

さっきの部屋の造りでも思ったけど、やっぱりこのお屋敷ってお金持ちが住むようなところだよな?
レイって何者なんだろう? 

俺がそんなことを考えていると 

「どうした、珍獣扱いで嫌か?」 

苦笑いをしながらレイが聞いてくる。 

「いや、いわゆる絶滅種が突然現れたってことだろ?十分珍獣だよ」
「なんだ、ずいぶん割り切れているな。それならどうして難しい顔をしているんだ?」 

どうしよ、レイに要らない気を遣わせたくないし素直に聞いた方がいい、よな? 

「レイって何者なの?」
「何者?」
「こんなに立派なお屋敷に住んでてメイドさん達もいて、、、こっちの世界ではこれが普通なの?」
「ん?ああ、そういうことか」 

そういうとレイは自身が爵位を持っていること、そして騎士団に所属し、そこで騎士団長をしていることを教えてくれた。 

騎士団長なんて立場ならなおさら、俺を野放しに出来ないよな。
本当は得体の知れない俺なんかを保護したくなかったかもしれないし、、。
レイにあまり迷惑をかけないようにしよう。 



朝食を摂り終わり、王宮へ向かう準備をする。
俺の服はレイが用意してくれた。
元の世界から着てきたスウェットとデニムでは流石に王宮には入れないらしい。
着替えを済ませて部屋を出ると、騎士団の制服に身を包んだレイが待っていた。
黒を基調とした制服はレイの色と良く合っていて思わず見とれてしまう。 

「ナオ、行けるか?」
「うん」 

俺たちは馬車に乗り王宮へ向かった。



到着すると俺たちは謁見の間へ通された。
しばらくして陛下が入場し、レイに習って見様見真似で俺も挨拶をした。 

「面を上げよレイモンドと人間、堅苦しいのはよい」
「はっ」 

顔を上げると、白色に近いゴールドの鬣を持つ獣人が玉座に腰かけている。
ライオンの王様だ、、 

「それで人間の方、名は何と申す?」 

これは俺が言っていいやつなのか?
王族との話し方なんて全く分からない俺は横目でちらりとレイを見る。
すると、目線で小さく頷かれた。
これは言って良いってことだよな? 

「八戸那桜と申します。」
「ほぅ、ナオか、よい響きじゃ」
「ありがとうございます。」

名前は自分でも気に入ってるから素直に嬉しかった。
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