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四章

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「オウラぁ、あぁ、あ、あぁんんっ、イクっーー」

「アネシーッーー」

 アネシーは声を荒らげた。  オウラは名を呼びながらアネシーの腰を掴み下から腟内の一番奥にズンズンと打ち付けて自身の一滴も残さずに注いだ。

「はぁ、は、はあぁ……っ」

 そしてアネシーは肩で息を整えながらも繋がったままオウラの上に倒れるように力尽きた。

「起きたらシャワーを浴びないとね」

「そうだな、でも今、すごい眠い……」

「ええーー」

 アネシーはオウラの胸の上で寝息を立てて寝てしまった。 オウラは掛け布団を二人を包み込むように掛けてアネシーの頭を優しく撫でてこの言い表せない気持ちを心の中に閉じ込めてアネシーの手を握り目を閉じ眠りについた。

「ん、んん……オウラ?」

 アネシーが起きて隣を見たらオウラはいなくてベッドの上で座って待ってるとオウラが寝室に入ってきた。

「アネシー、起きたか?」

「うん、起きたわ」

 オウラを見ると髪が濡れているのがわかった。

「シャワー浴びたのね」

「ああ、アネシーもシャワーを浴びておいで」

「そうするわ」

 アネシーはベッドから立ち上がってそのまま寝室を出た。 着替え類を持ってシャワーへ向う。
 お湯で身体を温めて髪を洗ってる時に中からヌルりと生暖かいものが流れ落ちてるのがわかった。アネシーは自分の股間から流れ落ちるものを眺めては昨夜のことを思い出して顔が熱くなった。

 シャワーから出るとオウラはドライヤーを手に持って待っていた。

「髪、乾かすよ」

「ありがとう、後で髪を乾かしてあげるわ」

「ああ」

 オウラに髪を乾かしてもらうのは今日で最後だと思うと冬の休暇は長いようであっという間に最終日を迎えてしまった。

 アネシーはオウラの髪を乾かしながら昨日までの出来事を思い出していた。愛する人と長く過ごせて今までに感じたことの無い幸福感だった。

「終わったわよ」

 アネシーはイスに座って長い髪を後ろで結って纏める。

「一気に雰囲気がアネシーから侍女長に変わったな」

「それは褒めてるのかしら?」

「口調まで侍女長だ」

「今から言葉遣いを戻さないと誰かに見られたら大変じゃない。 オウラはいいわよね、言葉遣いあまり変わってな
 くて」

 アネシーは少しだけ頬を膨らませて言った。

「王国へ入るまでには敬語に戻さないと行けませんけどね」

 なんて些細なことでも笑いながらゆっくりと時間が過ぎていく。そろそろ家を出て王国へと戻る時間帯になった。 

 二人は抱き合いながら色々と話しがどんどんと出てくる。

「王国での生活が始まるとこうしてくっついたり話したりは出来ないわね」

「休憩の時は会えるだろう」

「そうね、王国内で働いてる以上はこの関係を隠さないと」

「休憩のときは侍女長と料理長して接するよ」

「ええ、お願いするわ」

 二人は家を出る前にキスを交わして家を出た。

 そして先にオウラが王国へと向かいアネシーは遠くからオウラの背中を追って王国へと向かったのだった。
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