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五章

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 そして王妃は二人に向かって話を始めた。

「二人が惹かれ愛し合うのは決してダメなことではありません。  ただ、王国の禁止事項には男女関係はダメと記されている。  生きている限りいずれかは誰もが通る道です。  私はオウラ、アネシーを幸せに暮らせるよう心から願っています」

 王妃の話が終わると陛下が話をした。

「今までずっと王国で男女の関係は禁止事項として来たがさっき王妃が話した通り誰もが通る道だと思った。  料理長と侍女長の二人の中を引き離すような事はしたくはない。  だが二人が王国を去るのは悲しい。  本来であればすぐに王国を去るのだが王国で異例を持つ二人は一年目で料理長、侍女長となり人生の中で王国に尽くしてくれたことを心から感謝をする」

 すると陛下と王妃はオウラとアネシーに頭を下げたのだった。

「陛下、王妃様、頭をおあげ下さい!」

「我々は禁止事項を破ったのです。  なので陛下と王妃様は私たちに頭を下げられるようなことはしておりません」

 陛下と王妃は頭を上げたあと陛下は部屋にいる全員に聞こえるように二人に告げる。

「今から言うことは命令として聞くがよい。  オウラ・ティオとアネシー・クオーレは王国で多くをすごし実力この二人を超える人物はいない。  よって二人を王国に偉大の名を残すこととする!」

 陛下の言葉に王妃は「私も陛下のお言葉に従います」と発言をした。

 続けてラディウスも「私も陛下に従います」と頭を下げたのだった。

「これによってオウラ・ティオとアネシー・クオーレはこの日を持ってそらからは素敵な家庭を持ち幸せになりなさい」

「「陛下、王妃様、ありがたきお言葉をありがとうございます」」

 オウラとアネシーは揃って陛下と王妃にお礼の言葉を述べた。

「今日はもう遅いから誰にも見つからないように王国を去りなさい」

「二人が王国を去って少ししたら私からサグイスに話をしておきます。 ラディウスは料理人、侍女たちに伝えるように」

「はい、かしこまりました。王妃様」

「ありがとうございます、王妃様」

 三人は陛下の部屋を出て、ラディウスはほっとした顔をした。すっかり夜になってしまいラディウスとは医務室の前で別れた。

 オウラはアネシーを呼び止めた。

「明日、朝早くに出ようか」

「ええ、それまでにやることをやるわ」

 そう言いそれぞれ自室に戻った。アネシーは早速衣類や荷物をカバンの中に入れて机の引き出しの奥にしまってあるエコー写真をカバンの中に入れた。

 最後にドルークとエリールへのことを書いた手紙とラディウス医師宛の手紙と今までも侍女長になるまでの書いたノートを机の上に置いた。

 翌朝、カバンを持って自室を出るとオウラが待っていた。

「それじゃ、行こうか」

「そうね」

 アネシーとオウラは長年を過ごして働いた王国にきちんと別れを告げた。
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