差掛エッセイ

色白ゆうじろう

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2004年の異世界転生

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異世界転生ものが隆盛したのはいつからでしょうか。

異世界転生小説というのももはや一台ジャンルを築き上げていますよね。

総合格闘技の黎明なら分かるのですが、私は小説を投稿するようになって日が浅いのでその歴史を知りません。

現実世界の人間が異世界に飛ぶ、魅力的な女の子がいて、スキルや能力、才能が手に入る。

「スキル」という通常は目に見えない概念を体力測定値の如く開示され解析する作品も多くありますね。

試し読みサイトや、実際に有名なサイトで何作か読ませていただきました。

現在のweb小説では巨大なジャンルであると聞いたことがあります。

ですが、私は18年前の2004年

この目で確かに「異世界転生小説」を読んだことがあったのでした。

まだ私はPS2で「シムシティ2000」をプレイしたり、ドリキャスで遊ぶ高校生でした。

その時の友人が「現実世界が辛すぎるから」と私に小説を書いてきて見せてくれていたのでした。

時は平成16年。自衛隊のイラク派遣や、アテネオリンピックがあった年です。
私が友人の原稿用紙を読む傍らで、弟がゲームボーイアドバンスで遊んでいましたよ。

当時、80年代の長ランボンタンみたいな番カラはいませんでしたが、クソ田舎だったので、まだ不良の残滓みたいな連中がいた時代でした。

友人は隣町の高校へ通っていましたが、悪い同級生に電車で絡まれては嫌な思いをしていたそうです。

その現実から逃れようと友人は「自分がファンタジーの異世界に行き、特殊な能力を持って活躍する」という小説を書いて見せてくれていました。

原稿用紙に、鉛筆書きで持ってきていましたよ。
原稿用紙というのもいいですよね。


結構面白くて、しばらく続いていました。
その中で、特殊能力を授かったり、「能力」という概念が当然のように数値化され可視化されていたり、現在の異世界ものではおなじみの表現があったりしました。

その時、私も「なんか面白い異世界とか行けたら楽しそうだな。MYSTみたいな世界だと嫌だけど」と思っていたものでした。

当時、荒俣宏先生の書いたファンタジー小説の解説本だったと思うのですが、ファンタジーの大御所作家(たしかトールキンだったと思います。)が「つらい現実を忘れるために幻想はある」みたいなことを述べていたと書かれており、感銘を受けたのを覚えています。

そんな感じで、友人の異世界小説読みを毎週していたのですが…

結局、その作品は未完のままでした。
友人は興味の赴くままに、時として「架空戦記もの」「別の異世界もの」など次々書いていたので作品の終結を見ることはありませんでした。

それから、私と友人は進路が変わり、住所が変わりで疎遠になっていったのです。



そして月日は流れ…


近年の異世界ものの隆盛を目の当たりにして、私は非常に驚いたのでした。

これは友人が書いていたものと全く同じジャンルじゃないか!と


すぐさま何年も会っていない友人にメールして、

「お前の黄金時代が到来したかもしれん!」

と興奮して捲し立てたのです。すると


「ああ、昔その当時もあったと思うよ。今よりは見なかったけど。それじゃあ明日深夜バイトだからおやすみ」

と、とんでもなくそっけない返信が返って来ました(笑)

非常に神様は残酷だなと思ったものです。
時代が時代なら、君は作家になれてたかもしれないのにと思いました。

まあ…その友人の小説が、ブームに乗れるほどの実力があったかというと…正直難しいと思いますが。


私自身が異世界ものの黎明を知らないので、「いや、当時もありましたよ」とご指摘いただいたらそれまでなんですがね(笑)

過去の記憶を探ると「聖戦士ダンバイン」が異世界ものであったと理解しているのですけれども・・・。

いつから異世界ものはここまでの発展を遂げたのでしょうね。


2004年の懐かしいあの日、ゲームボーイアドバンスやドリキャスに囲まれながら、確かに私は異世界転生小説を読んでいたのでした。

果たして、あの時に異世界ムーブメントは存在したのだろうか。
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