熱血系実力派ニートが魔法戦士に大転生〜ド定番の異世界でチート能力まで手に入れましたが何か?〜

もやもや、もやしん

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第四話.ニートはその傲慢さから時に奇跡を起こす2

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 聞いたことのない魔法、ブーステッドギアとは何なのだろうか。

「それは何らかの魔法かな?一体どんな魔法なのかな?」
「そんなの答えるわけないでしょ?それにあんたはこの魔法で強化された蹴りで死ぬよ」

 敵の構えが変わるさながらムエタイの様な構えだ。それに合わせて両腕と両足の先に30センチ程の臙脂色の幾何学模様、あれは魔法陣だろう。
 こちらも魔法詠唱の構えをそれっぽく行ってみる、元々AR世界に魔法詠唱の構えなどなかった。

 構え方は、体を半身に構えて例えるなら腕以外を空手の組手に似た体制にする。そして、右腕は前に出し人差し指と中指を立ててそれ以外の指は握っている。
 左腕はそれっぽくなるように適当な位置で腹の方に引いておく。
 全くもってこんな構えをしたことがない初挑戦だ。

「奇遇かもしれないが俺も魔法を操れる指図目空間系魔法と言う奴だ知っているか?お前魔法は肉体強化系と見受けるが」
「なっ、なんで分かった?違う違う、それよりそんな空間系魔法なんて知らないし魔法陣だって出てないじゃん」

 そうだ、魔法は発動できるけど魔法陣なんて出し方が分からない。どうしよう、このままだと嘘がばれってんん!?

「お前は気づいていないみたいだな、地面を見てみろ貴様諸共喰らわせれるように巨大な魔法陣を気づきあげたのだ」
「なっ、馬鹿な!範囲魔法しかもこんなに大きい魔法陣見たことない」

 いや、自分自身も見たことないし気づいたのだって敵よりちょっと早いぐらいだ。
 地面には紫色の幾何学模様が浮かんでおり、明らかにグラヴィティダウンと同じ範囲で描かれている。

「グオオオオオオオオ!!」

 何かが雄叫びを上げる。

「ギガントオーク!?なんでこんな所に出て来たの?もしかして魔力に引き寄せられたのか?」

 盗賊と俺の左側からのっしのっしと歩いてこちらに向かってくる、3メートル以上はある巨体だ。
 グラヴィティダウンの後から這い上がって来たか、接近に気付かなかったのだろう、こんな平野にこんなに大きなモンスターがいたら流石にわかる。

「こいつは強いのか?」

 俺を無視しギガントオークの方に構えを向けた盗賊に問いかける。
 焦り方的にはかなり強いのだろう。初手から最悪だな。

「強いよとっても。私でも勝てるかどうか分からない。ちょっと先手撃たせてもらっても良い?」
「お好きにどうぞ」

 フードを被った盗賊は凄まじい勢いでギガントオークとの距離を詰める。
 跳躍力が桁違いだ、魔法で強化されているからに違いない。蹴りだした瞬間に地面がえぐれている。

「ハアアアアアア!ハイキック!ミドル!ロウ!」

 蹴りをギガントオークに3発くらい命中させる。
 ギガントオークは怯んでいるが大したダメージが入ったようには見えない。
 あの巨体から繰り出される攻撃は確実に人間の骨を粉砕する。このままではあの盗賊は確実に重症を負わされるだろう。

「ちょっと!手伝ってくれてもいいんじゃないの?」
「なぜ盗賊の助けなどせねばならん?それにお前あんまり余裕無いのに喋ってるとやられてしまうぞ?」

 盗賊はギガントオークに体を掴まれる、このままでは握り潰される。

「痛い痛い!どうでもいいから早くいいから助けて!死ぬ死ぬ死ぬ無理ぃ!」

 仕方ないな。使えるかわからないが色々と魔法を使っていこう。本来ならグラヴィティダウンを使うところだが。ギガントオークが生き残って盗賊が死んでしまいそうだ。

「仕方ない、ワープ」

 俺が呪文を唱えると、体が黒い闇に包み込まれ一気にギガントオークとの距離を詰めた。

「エアスラッシュ、リ・ファーアウェイディスタンス」

 ふたつの呪文を唱える、一つ目は俺が腕を振り下ろしギガントオークの二の腕を切断し盗賊を解放する。
 そして二つ目はギガントオークが後ろの方に吹き飛びグラヴィティダウンの後へ転げ落ちたが、再びこちらに戻ってくる。

「ンゴゴゴゴゴ!」

 顔面と体が引きずられ大きく地面が削れる。何かの引力に操られギガントオークはなすすべがない。

「ブラックホール」

 そして、ギガントオークが俺の目の前に来た瞬間にトドメを指す。
 ブラックホールでオークの体ごと空間をえぐりとり命を絶つ。
 少しだけ魔力を使いすぎた気もする。やはり元々やっていたゲームより明らかに魔力保有力が低い。
 かなり省エネな戦い方をしたはずなんだがそれでも体が少しだけダルい。しかし、強いと言われていた割に呆気ない、簡単な終わり方であった。

「大丈夫か?盗賊さっき死ぬとかどうとか言ってたが?」
「ふんっ!あれは嘘だよお前も死ね!」

 盗賊から足技が繰り出される。助けてやったのになんて恩知らずなのだろうか。
 こちらからもアクションを起こすとしよう。

「おい!足掴むのは卑怯だろ!」

 蹴り上げてきた右足をわざと当たり受け止め足を掴む、かなり早いスピードで攻撃されていたため気づかなかったがショートパンツで露出が高い。
 やはり蹴りのスピードに命をかけているのか。

「戦いにルールなんて無いんじゃないか?、それに不意をついてきたお前の方が卑怯者じゃないのかな?」
「何だとこの!やっ、ちょっとやめてよ!擽ったい」

 綺麗な足してるな、本当にこういう事する身分なのか?
 汚れが少ないというか傷が無いと言うか、それに栄養状態もそんなに悪いとも思えない太股ちょっとむっちりしてる。むっちり?この感覚って太っている?

 太股がプニプニで柔らかくて張りがあって触り心地が最高だ。女の子の太股など触った事が無いから柔らかいと聞いた程度でしたなかったけどこれは凄い。

フニフニ、ふにふに、ぷにっぷにっ、コショコショ、ぷにぷに、ふにふに、モミモミ、むにゅむにゅ、ふにゅぷにゅ・・・・・・なぜ気づかなかったんだろうこいつ女だ!

「変態!!何するの!?そんなに揉まないでくれない?」

 俺はフードの中の顔が気になったので抵抗されるが無理やりフードを剥ぎ顔を顕にさせる。

「やっぱり女だったんだな、何で盗賊まがいの事なんてしてるんだ?」
「はぁ、はぁ、して悪いかよ。それにあんだって最低だな女の子の太股をそんないやらしく触るなんて」

 ・・・・・・俺はよく間違いをおかすしかし、この子を見ると世間はもっと間違ってるってなと思う。

「なんだよそんなにジロジロ見るな」

 こんな小さい子を盗賊にしてしまうなんぞ。
 赤い髪を括り容姿は美人とは言えないが可愛いに近いタイプでまだ十代前半だろう。太ももは柔らかいが割とスマートな体形で身長も低めだ。よく考えてみれば声も高く全体的にかわいらしいという感想が最適だろう。

「お前、小さい癖によく盗賊まがいのことなんかやってられんな」
「ちっ、ちっさいって何よ!この私に最低の侮辱をしたわ!」
「正確にお前の容姿伝えただけだが?」
「くぅー!ムカつく!」
「それに俺みたいなのに負けるくらいなら襲われたら大変なんじゃないか?それに対して稼げないと思うし?」
「バカっ!私は立派な大人だし!街でも珍しい賞金首なんだぞ」

 賞金首?これで?この世界の強さの基準間違えてるだろ。もやしに負けるんだぞ?
 もやしに負けるってことはこの子は枝豆1粒レベルだな。

「でも俺に負けて捕まってるじゃん、お前賞金首なら衛兵とか奴隷商人にでも渡して金に変えようかな」
「ヒッ、なんてこと言うの?」

 枝豆の顔つきが変わる。嘘泣きだろうけど半泣きになっている。

「私ってほら普通の子よりは可愛い方でしょ?それにここの事よく知ってるし、だから少しの間は生かしておいた方がいいと思うなぁー」

 媚びながら生かしてもらおうとしているらしい。
 まあ、確かに一理あるな。普通より可愛いのもある意味で事実で生かしておいたらここの情報わかるし有益だ。金がないのも死活問題だが情報がないのはもっとまずい。

 よく考えれば強いとされてるギガントオークを一瞬で殺せるならモンスター狩りでも生業にすれば余裕で生きていける気もするが。

 いやいやでも、こいつ金に変えれるしな。高額ならこんなモンスター狩るよりよっぽど楽だろう。
 それに普通賞金首って、こんなに弱くないんだろ?絶対にこいつがなんか特別俺と相性が悪いタイプとかそんな理由でこんなに弱かったりとか。

 そのほかにも、もしこいつの賞金首ってのが見栄を張っているだけだったら・・・・・・。
 いや、勘ぐりすぎだろう。
 どちらを取ろう?ある意味決まっている気もするが。

「しかたねえけど俺だって生活に困ってるんだ」
「お願いよ!今回だけは許して!兵士に捕まったら死んじゃうの!」

 ハッタリだったとしたら演技だが結構本気で嫌がるんだな。
 ただ、衛兵の所まで誘導してそこでグルの兵士とかに俺を攻撃させようって魂胆って可能性もあり得る。
 手を引っ張って駄々をこね始める。面倒臭い。なんか意地悪したくなってきた。

「何よその顔、早く離しなさいよ!」
「ふーん、そんな態度取るんだ。君は」

 少し強めに脅迫してみる。

「うぅ、何?急に」
「戦いに負けた奴がお願いする時はもっと他のやり方があるだろ?」

 深読みしすぎかもしれないが今回はその場しのぎをあえてせずに遠回しのやり方で行こう。

「ど、どんなやり方よ」

 ついでに片足あげた状態でずっと立ってるようだし痛いのが顔に出てる。
 泣き崩れるかと思っていたがそれは無さそうだ、コイツはめげずに耐えてる、凄い忍耐力だ。先程も思ったが根性があるな。

「お願いします、許してください」
「もう少し何か別なワードがほしいな」
「何でもしますから、お願いします」
「なんでもするんだな!よし許そう!」

 流石にここまでしたら許してやるか。

「ほれ、足離してやったぞ」
「へっ、馬鹿め!演技だよーだ」

 全速力で俺から逃げようとする少女。
 裏切ると思ってたよ。
 さらに速度を上げて走り出すカツアゲ少女、逃げる事なんぞ予想済み、知ってる。だから既に対策をしといた。

「これ、なんだと思います?」
「それ、私のお金入れた袋!返しなさいよ!この泥棒!」
「どっちが泥棒だ?この金は預からせてもらう」

 足をプルプルさせていた間にすっと懐から盗んでおいたのだ。
 それにコイツは賞金首、盗まれたと話をしても兵士や自警団、ならず者でさえも味方をせずにコイツを売り渡すだろう。つまり、盗んだと言っても信用されないし助けられたりもしないのだ。

「お前、あの街行ったことあるか?」

 俺は先程周囲を見回した時に見付けた街を指さした。

「あそこなら第二防壁より外になら行ったことあるけど?」
「なら行くぞ」
「あ、ちょっと、待ってよねぇってば!」

 俺はお金の入った袋をカツアゲ少女が届かない位置でブンブン振り回しながら街の方へ進んでいった。
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