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第二章・異国騒音
7話 計画スタート
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「成る程…探偵ですか。わかりました。俺から伝えます」
マックスは電話を切ると、上層部が調べてくれた出水の素性を雷獣に伝えた。
「探偵?腕利きの?それがなんで此処に?なんでアイツのハンカチを持ってんだ?」
「さぁ?偶然拾いでもしたんじゃ無いですかね。カストロとの接点は皆無らしいですし。それで、電話で話が逸れちゃいましたけど、カストロの居場所を見つけたって本当ですか?」
「居場所かも、って言ったろ。まだ『かも』、の域を出ない。お前にも見せてやるよ」
そう言うと、雷獣の腕が二重に見え始め、完全に電気の手と肉体の手とで分かれた。雷獣は電気そのものの手でマックスの頭に触った。
「安心しろ。致死量は流さん」
瞬間、マックスの頭に流れたのは、ここから全てが透明に見える景色だった。見えるのは黄色い物だけである。
「今お前の頭に流してるのは、私のサンダーフォームで見た景色だ。ほら、北方向の下を見てみろ」
成る程そこには、微弱だがひとつだけ反応しているものがある。
「これがハンカチなのか?」
「あぁ反応からして間違いないね」
「行かないのですか?」
雷獣はその問いに、『いかにも』苦々しそうにこう呟いた。
「いや、マジで行きたいところだが、罠の可能性が拭えなくてな…」
「…やれやれ、それじゃ、場所もわかった事だし、今日の夜7時に作戦決行としましょう」
「ok、マックス」
マックスは子供みたいな人だな、と雷獣を見て思った。
翌朝の6時、出水は、イルデーニャで一番高い山であるボル山に登り始めた。と言っても徒歩による登山ではなく、ロープウェイで、である。ロープウェイの中、出水はそばにある楽器ケースのような直方体に手を伸ばした。
「これに失敗したら、一生私は逃げるだけの人生に堕ちるだろうな…」
山の中伏の駅で降りた出水は、登山道に入ると、カストロに支持されたポイントに向かう為、直方体のケースを背負って、人気のないところで脇道に逸れた。
「あ、とっと、あぶねー転ぶところだったわ」
出水は、足元の段差に気づかずにつまずき、ほんの少しだけ後ろを振り向いた。
「うわっ」
『One more time』が発動して時間が5秒ほど戻った…らしい。出水は汗を拭った。なんらかの方法…私が視認できるなんらかの方法で、何者かが私を殺したんだ。なんの能力だ…?あれ?あれ?あれれられららりやり…。
出水の今度の死因は頭を真っ二つに輪切りにされ、脳が飛び出たことによる死であった。
「うわっ」
出水は『One more time』の発動により、もう一度蘇った。また何者かが私を殺した。相手の殺しの方法は斬撃だ。斬撃を飛ばす?いや、じゃあ、あの、何かが触れているという違和感はなんだったんだ?出水がそう考えているうちに、出水はもう一度、首を真っ二つにされて死んだ。
今度の出水は声は出さなかった。それは相手の武器が『糸』だということが分かったからであった。
「月明かりがなきゃお前の糸は見えなかったのになぁ…誰かは知らないが」
糸が戻った先に佇む男を睨め付けると、出水はそう言った。
「俺の糸を未然にかわすとは、少々驚きです」
そう言うと、黒いウィンドブレーカーを着込んだ男は木から身を下ろした。
「なぜカストロと二手に分かれたのか、正直計りかねます。どうしてでしょうか?」
「さぁ。少なくともお前に話すことじゃあねぇな‼︎」
そして次の瞬間、出水は自分の体に何かが迫ってくるのを感じて咄嗟に左に身を避けた。出水は自分が元いた位置にあった落ち葉が舞い上がり、それが一瞬でズタズタにされるのを目撃した。
「出水さん、貴方、中々お強いですね~仕込みを全部使ってしまいましたよ。雷獣と2人で貴方を襲うつもりだったのですが、あの人は本当に軽薄で…カストロを殺すために単独行動に出ちゃいましたよ。あの人の嘘には騙されました」
出水は男の声には耳を貸さずに銃を取り出し、すぐに発砲した。が、男は被弾したはずなのに、よろめいただけだった。
「防弾素材を着込んでいるな…」
「まぁ、俺の糸で編んだ服ですからね。ライフル弾でさえ通しませんよ」
意気揚々とウィンドブレーカーについた埃を払った後、男は自己紹介をは始めた。
「俺の名前はマックス・ペンハイムです。僭越ながら、貴方をこれから殺します」
「自己紹介とは肝が据わってるな。じゃあ、お前に倣って、私の名前は出水露沙だ。お前をこれから20分以内に倒す」
「それはそれは…あなたじゃ私には勝てませんよ?」
そのペンハイムの言葉に対して出水は、自分の右手を前に突き出し、5本の指全てを自分側に何度か傾けることで返事をした。
マックスは電話を切ると、上層部が調べてくれた出水の素性を雷獣に伝えた。
「探偵?腕利きの?それがなんで此処に?なんでアイツのハンカチを持ってんだ?」
「さぁ?偶然拾いでもしたんじゃ無いですかね。カストロとの接点は皆無らしいですし。それで、電話で話が逸れちゃいましたけど、カストロの居場所を見つけたって本当ですか?」
「居場所かも、って言ったろ。まだ『かも』、の域を出ない。お前にも見せてやるよ」
そう言うと、雷獣の腕が二重に見え始め、完全に電気の手と肉体の手とで分かれた。雷獣は電気そのものの手でマックスの頭に触った。
「安心しろ。致死量は流さん」
瞬間、マックスの頭に流れたのは、ここから全てが透明に見える景色だった。見えるのは黄色い物だけである。
「今お前の頭に流してるのは、私のサンダーフォームで見た景色だ。ほら、北方向の下を見てみろ」
成る程そこには、微弱だがひとつだけ反応しているものがある。
「これがハンカチなのか?」
「あぁ反応からして間違いないね」
「行かないのですか?」
雷獣はその問いに、『いかにも』苦々しそうにこう呟いた。
「いや、マジで行きたいところだが、罠の可能性が拭えなくてな…」
「…やれやれ、それじゃ、場所もわかった事だし、今日の夜7時に作戦決行としましょう」
「ok、マックス」
マックスは子供みたいな人だな、と雷獣を見て思った。
翌朝の6時、出水は、イルデーニャで一番高い山であるボル山に登り始めた。と言っても徒歩による登山ではなく、ロープウェイで、である。ロープウェイの中、出水はそばにある楽器ケースのような直方体に手を伸ばした。
「これに失敗したら、一生私は逃げるだけの人生に堕ちるだろうな…」
山の中伏の駅で降りた出水は、登山道に入ると、カストロに支持されたポイントに向かう為、直方体のケースを背負って、人気のないところで脇道に逸れた。
「あ、とっと、あぶねー転ぶところだったわ」
出水は、足元の段差に気づかずにつまずき、ほんの少しだけ後ろを振り向いた。
「うわっ」
『One more time』が発動して時間が5秒ほど戻った…らしい。出水は汗を拭った。なんらかの方法…私が視認できるなんらかの方法で、何者かが私を殺したんだ。なんの能力だ…?あれ?あれ?あれれられららりやり…。
出水の今度の死因は頭を真っ二つに輪切りにされ、脳が飛び出たことによる死であった。
「うわっ」
出水は『One more time』の発動により、もう一度蘇った。また何者かが私を殺した。相手の殺しの方法は斬撃だ。斬撃を飛ばす?いや、じゃあ、あの、何かが触れているという違和感はなんだったんだ?出水がそう考えているうちに、出水はもう一度、首を真っ二つにされて死んだ。
今度の出水は声は出さなかった。それは相手の武器が『糸』だということが分かったからであった。
「月明かりがなきゃお前の糸は見えなかったのになぁ…誰かは知らないが」
糸が戻った先に佇む男を睨め付けると、出水はそう言った。
「俺の糸を未然にかわすとは、少々驚きです」
そう言うと、黒いウィンドブレーカーを着込んだ男は木から身を下ろした。
「なぜカストロと二手に分かれたのか、正直計りかねます。どうしてでしょうか?」
「さぁ。少なくともお前に話すことじゃあねぇな‼︎」
そして次の瞬間、出水は自分の体に何かが迫ってくるのを感じて咄嗟に左に身を避けた。出水は自分が元いた位置にあった落ち葉が舞い上がり、それが一瞬でズタズタにされるのを目撃した。
「出水さん、貴方、中々お強いですね~仕込みを全部使ってしまいましたよ。雷獣と2人で貴方を襲うつもりだったのですが、あの人は本当に軽薄で…カストロを殺すために単独行動に出ちゃいましたよ。あの人の嘘には騙されました」
出水は男の声には耳を貸さずに銃を取り出し、すぐに発砲した。が、男は被弾したはずなのに、よろめいただけだった。
「防弾素材を着込んでいるな…」
「まぁ、俺の糸で編んだ服ですからね。ライフル弾でさえ通しませんよ」
意気揚々とウィンドブレーカーについた埃を払った後、男は自己紹介をは始めた。
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