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第三章・我校引線
2話 その超常的存在、鏡の柱
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夜12時、時墺は自室の中を最低な気分で過ごしていた。実の姉妹からああも罵倒され、本当に気が滅入っていたのだ。
「ぐ…私が何をしたって言うんだ!」
目から涙を流しながら、じおうはそう吠えた。その時、部屋の中になんの前触れもなく急にドアが出現した。
「は…?」
ドアの形をした板が、部屋の中に直立不動で立っている。
「な、なんだこれ?」
ドアノブが付いている方を表側ととるなら、裏側には何もなかった。表側には『Please come into the room』と刻印されていた。
「部屋に入れ…?部屋ってどこにあるのよ…」
『the room』がなんなのかは分からないが、このドアノブを捻ってドアを開けてみろ、と言うことなのだろうか。
「意味がわからない…」
鈴はドアノブを回して驚愕した。ドアの向こうに白い空間があったからだ。急いで裏側を確認すると、裏側は黒くなっていて、触ってみるとツルツルとしていた。白い空間の向こうには鏡ばりの円柱が立っており、異様な雰囲気を醸し出していた。
「異次元につながるとか?ファンタジーすぎでしょ…」
くよくよしてても仕方ないな…
鈴は意を決して白い部屋に入り、ドアを閉めた。
部屋の中は、一対の椅子と机があり、その向かいに円柱が立っているだけの殺風景な部屋だった。
「…来ましたか」
突然頭の中に声が響き渡り、時墺は驚いて周りを見渡した。
「なんだ、今の」
「貴方の前にいる物が、貴方の頭の中に直接話しかけているのです」
また頭の中でそう言われたので、時墺は目の前の円柱を見た。すると次第に円柱の側面に、目と口が浮かび上がってきた。
「私は鏡の柱、と呼ばれる存在です」
「『鏡の柱』…?」
「まずはそこの椅子に腰掛けなさい」
時墺はとりあえず鏡の柱の言う通りに椅子に座った。
「さて…貴方、私を見てどう思いますか?」
「いや、なんか…柱が喋っていて怖いというか…逃げ出したいというか」
「何故そう思っているのに逃げださないのですか?」
「私に普通に話しかけてきてくれた人、いや、人かどうかわからないですけど、は、今は貴重だな~と思いまして」
「成る程」
そう言った鏡の柱の口角は吊り上がり、口裂け女のような顔に鏡の柱はなった。
「ふ、ふ、フフフフ。やはり面白いですね人間は。まぁ、私のことなどどうでもいいのです。貴方の部屋にドアを置いたのは、貴方に2つの用件があるからです」
鏡の柱は口角を釣り上げたまま、時墺の方を凝視し始めた。
「私は人々に異能を付与する存在。そこで、貴方に能力をあげたいところなのですが…貴方はもうすでに能力を持っています」
「え?」
「貴方は記憶を失っているのですよ。というより、私が貴方の記憶を改竄しました」
「それ、本当なんですか…?」
「本当だったら…どうするのですか?」
「えっ…あ、いや」
なんだこれ…なんで私はこんなに『鏡の柱を殺したい』んだ?殺意がとめどなく溢れてくる…‼︎
「フフフフ…貴方のその殺気、それは『前の貴方』の残りカスでしょうねぇ…一応言っておきますが、貴方と私じゃ相手にはなりません」
鏡の柱がそう言った途端、2人がいる白い空間内に威圧的な空気が満ち始めた。時墺は、この柱の一存で自分の生死は決まる、と本能的に察した。
「さて、記憶改竄のことは伝えましたし、もう一つの用件を言いましょう」
すると突然、時墺の頭の中に『ある道筋』が投影された。
「なんだこれ…」
「今貴方の頭に示したのはそこへの行き方です」
「出水探偵事務所…?この場所は…?」
路地裏の奥に、その看板はあった。
「そこに行けば、改竄された記憶が戻るかもしれないですよ。まぁ…貴方次第ですが」
「ぐ…私が何をしたって言うんだ!」
目から涙を流しながら、じおうはそう吠えた。その時、部屋の中になんの前触れもなく急にドアが出現した。
「は…?」
ドアの形をした板が、部屋の中に直立不動で立っている。
「な、なんだこれ?」
ドアノブが付いている方を表側ととるなら、裏側には何もなかった。表側には『Please come into the room』と刻印されていた。
「部屋に入れ…?部屋ってどこにあるのよ…」
『the room』がなんなのかは分からないが、このドアノブを捻ってドアを開けてみろ、と言うことなのだろうか。
「意味がわからない…」
鈴はドアノブを回して驚愕した。ドアの向こうに白い空間があったからだ。急いで裏側を確認すると、裏側は黒くなっていて、触ってみるとツルツルとしていた。白い空間の向こうには鏡ばりの円柱が立っており、異様な雰囲気を醸し出していた。
「異次元につながるとか?ファンタジーすぎでしょ…」
くよくよしてても仕方ないな…
鈴は意を決して白い部屋に入り、ドアを閉めた。
部屋の中は、一対の椅子と机があり、その向かいに円柱が立っているだけの殺風景な部屋だった。
「…来ましたか」
突然頭の中に声が響き渡り、時墺は驚いて周りを見渡した。
「なんだ、今の」
「貴方の前にいる物が、貴方の頭の中に直接話しかけているのです」
また頭の中でそう言われたので、時墺は目の前の円柱を見た。すると次第に円柱の側面に、目と口が浮かび上がってきた。
「私は鏡の柱、と呼ばれる存在です」
「『鏡の柱』…?」
「まずはそこの椅子に腰掛けなさい」
時墺はとりあえず鏡の柱の言う通りに椅子に座った。
「さて…貴方、私を見てどう思いますか?」
「いや、なんか…柱が喋っていて怖いというか…逃げ出したいというか」
「何故そう思っているのに逃げださないのですか?」
「私に普通に話しかけてきてくれた人、いや、人かどうかわからないですけど、は、今は貴重だな~と思いまして」
「成る程」
そう言った鏡の柱の口角は吊り上がり、口裂け女のような顔に鏡の柱はなった。
「ふ、ふ、フフフフ。やはり面白いですね人間は。まぁ、私のことなどどうでもいいのです。貴方の部屋にドアを置いたのは、貴方に2つの用件があるからです」
鏡の柱は口角を釣り上げたまま、時墺の方を凝視し始めた。
「私は人々に異能を付与する存在。そこで、貴方に能力をあげたいところなのですが…貴方はもうすでに能力を持っています」
「え?」
「貴方は記憶を失っているのですよ。というより、私が貴方の記憶を改竄しました」
「それ、本当なんですか…?」
「本当だったら…どうするのですか?」
「えっ…あ、いや」
なんだこれ…なんで私はこんなに『鏡の柱を殺したい』んだ?殺意がとめどなく溢れてくる…‼︎
「フフフフ…貴方のその殺気、それは『前の貴方』の残りカスでしょうねぇ…一応言っておきますが、貴方と私じゃ相手にはなりません」
鏡の柱がそう言った途端、2人がいる白い空間内に威圧的な空気が満ち始めた。時墺は、この柱の一存で自分の生死は決まる、と本能的に察した。
「さて、記憶改竄のことは伝えましたし、もう一つの用件を言いましょう」
すると突然、時墺の頭の中に『ある道筋』が投影された。
「なんだこれ…」
「今貴方の頭に示したのはそこへの行き方です」
「出水探偵事務所…?この場所は…?」
路地裏の奥に、その看板はあった。
「そこに行けば、改竄された記憶が戻るかもしれないですよ。まぁ…貴方次第ですが」
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