俺、新人ホストになったのに、急に違う世界に飛ばされた上、なんかモテないと死ぬらしい

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プロローグ

1話 顔だけの男、ぶっかけられる

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 俺は…生まれた頃から『顔だけ』は良かった。というか、本当に『顔だけ』だ。運動は平均的、頭脳も平均的。

 致命的に悪いのはやりたい事のなさだ。「いざというときは『生まれ持った顔』でなんとかなるだろう」というような、甘い妄想とゴリ押しだけで、俺は生きてきた。その為、やる気がなくなるのも当然…な筈だ。学校のテストなんて真面目にやったことがない。二日前くらいに徹夜して頑張って四十点!これを繰り返すだけ。
 
 というわけで、俺はホストになった。『益田ハジメ』という名前のネームプレートをつけたパリッパリのスーツ(店の物)を引っ提げてだ。
「…今日もキマッてる…」
 俺は一人ニヤニヤとしながらそう呟いた。これから顔だけで、俺は生活する。その一歩は、この店のドアを開けた瞬間から始まる!ワクワクする新生活が始まる…!
「アンタ‼︎よくも私を裏切ってくれたわね‼︎」
「え?」
 後ろを振り返ると、そこには何かを振りかぶっている鬼のような、凄まじい形相の女がいた。
 コイツが振りかぶっているのは…フラスコ⁈
「セイヤァァァ‼︎死ねぇぇぇぇ‼︎」
 その叫びと共に、俺は自分の顔に向かってフラスコの中身をぶちまけられた。
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