エッチなデイリークエストをクリアしないと死んでしまうってどういうことですか?

浅葱さらみ

文字の大きさ
1 / 109
第一部

第1話 プロローグ☆

しおりを挟む

 ことの始まりは日曜午前零時たぶんちょうど。
 
「へぐぅっ?!」

 繁華街のド真ん中で、僕は自分でも奇妙だなと思ううめきと共に歩みを止めざる負えなかった。
 何故なら、いきなり視界がブラックアウトしたかと思うと、間髪入れずにコンピュータープログラムみたいな謎の文字列が視界全体にダーッと流れ出したものだから。

 最終的には、たぶん installation is successfulだとかそんな感じの一行が点滅して。
 で、しばらくすると視界は復活したのだけれど……。

「なんじゃこりゃ?!」
「おい、どうした雄介?」

 先輩が心配して声を掛けてきた。
 そもそも夜の街と縁遠い僕が繁華街のど真ん中に居たのも、サークルの先輩たちに連れられ、呑めや歌えやの乱痴気騒ぎに付き合わされていたからなのだ。
 目の前に広がる信じられない光景に困惑しつつも、慣れない酒ですっかり酩酊状態の僕は、言われるままに説明を試みようと思い立ち口を開いた。

「なんか、視界の隅にゲージが現れて……」
「ゲージ?」
「ほら、アクションゲーとかRPGとかで良くある奴ですよ」

 田中先輩に顔を向けても、そのゲーム画面みたいな奴は視界に固定されたまま残っていた。

「ああ、HPか!」
「そうそうそれそれ!」

 ――ゲシッ!

「何するんすかっ! いきなり叩くこと無いじゃないですかっ!」
「はぁ……。あのなぁ、引きこもりがちな貴様をせっかく外に連れ出してやったのに、酔払って見た幻覚がテレビゲームってか? おまっふざけんじゃねぇよ!」
「家庭用ゲーム機というよりは、スマホゲーっぽいというか……」

 視界の右上には青い横長のゲージが二本あり、これだけなら先輩の言うようにテレビゲームと誤認するのも無理もないのだけれど。
 左上に表示されてる三つの文字列がどう見てもデイリークエストのように思える。

・クエスト1 性的対象を褒めよ。
・クエスト2 性的対象の肌と接触せよ。
・クエスト3 性的対象の膣内に陰茎を挿入せよ。

「何言ってんだ雄介? 童貞をこじらせ過ぎて頭おかしくなったか?」

 僕が文字列の内容を説明すると、馬ずらでぬぼーっとした老け顔の田中先輩がさらに老け込んだような顔になった。

「うわぁ~、ユウくんって実はムッツリスケベさんなんだぁ~!」
「ふぎゃぱっ?!」

 いつの間にか僕の目の前に立ち塞がり、ほわほわした調子で声をかけてきたのは、サークルの紅一点――香澄さん。
 茶髪セミロングに優しそうな大きな瞳と少しポチャ目のマシュマロボディが。
 一目見たら「ママーッ!」と叫びたくなるほど母性に溢れる大学のマドンナ。
 ちなみに香澄は苗字で下の名は京香さんである。

「きゃはっ! 今日のユウくんおもしろぉ~!!」

 見下ろすと、酔って赤味の差した満面の笑みでしゃがみ込んで僕を見上げている香澄パイセン。
 恥ずかしくなって視線をもっと下に反らすと無防備にさらけ出された推定Hカップの胸の谷間が……。

「ささ、雄介の戯言はほっといて次の店行くぞ皆の衆!」

 ちっ……、せっかく酔った勢いでマシュマロおっぱいをガン見してたのに!
 香澄パイパイ様との間に割り込むように入ってきた馬ずらの田中に肩を掴まれ、何次会だか分からない飲み会に引っ張られていく僕であった。

 と、ここで前夜の記憶は途切れていた。
 翌朝、自宅のベッドで起床した事実から、無事帰宅出来たのは判るんだけど……。

「酒、怖っ――!!!」

 と、まずは酒で初めて記憶を失くした二十歳の夜を噛みしめていた。
 じつのところ、もっとトンデモナイ事態に巻き込まれていたと実感するのは更に後になってからだった。

 そう……、僕がわけのわからないデスゲームに巻き込まれていたという事を……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...