エッチなデイリークエストをクリアしないと死んでしまうってどういうことですか?

浅葱さらみ

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七日目

第33話

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「はい、これ今日の分ね」

 昼休憩に入ったところで、汁男優たちに封筒がを配られた。
 僕も貰ってさっそく中をチェックすると千円札三枚。

「あの、フェラの分は?」

 僕は恐る恐る監督に声を掛けた。

「ああごめん! とっぱらいの金たんなくてさ! あとで振り込んどくよ」
「あの、あと千円でも良いので今もらえないでしょうか?」
「なに? そんな金こまってるの君? ねぇ! ナメちゃん、この子さぁ……」

 監督がスタッフのひとりと話し込みだした。
 最悪、妹とセックスするにしても、僕としてはクエスト3のペナルティ分はぶっかけで稼がないとならない。

「今日ある他の現場とか紹介してもらえないでしょうか?」

 と、お願いしようかとすら考えていたところ、監督が話し込んでいた相手のスタッフと一緒に戻ってきた。

「ウィースッ! Sプロの滑川《なめりかわ》だ。猪狩君だっけ、君ものっそ絶倫なんだって?」

 初対面で僕の肩をバンバン叩いてきた、ツーブロ黒光りのゴリラ――役職は良く分からないけど、どうやら制作のエライ人らしい。

「今紹介出来るのは、そうだねぇ! 一番金になるのはフェラチオだな! 相手はゴリゴリマッチョのラガーマンタイプ三人! ちゅぱちゅぱするのとされるのどっちでもOKだよ? さすがに初っ端アナルは難易度高いもんな! ガッハッハッハ!! え? 挿入もノープロブレム?」
「いえいえいえいえ! 無理です! 男相手は絶対無理ですって!!」
「熟女もの……には、顔が可愛すぎるか?」
「あの、出来たら顔バレしない作品で……」

 結局、午後からは男湯に間違って入ってきた女の子モノの撮影現場を紹介してもらい、そこで汁男優をこなす。
 フェラも挿入も出来なかったけれど、女優さん3人にぶっ掛けることが出来たのでよしとしとこう。
 夜からはラブホでインディーズ制作のコスプレモノ撮影。
 挿入以外のアップ場面で男優さんの男根を代役。

「これで、朝からクエ2が5人分で20ポイントの射精が8……」

 spも0になり、すっかり玉袋の中もすっからかんである。
 とりあえず、ボーナスポイントが100を超えたからレイプも回避できる!
 稼いだお金も今回を含めて合計1万5千円を超えそうだ。

「あとは、帰りに激安ソープで……」

 対戦相手が地雷嬢やオバサンになるかもしれないけれど、背に腹は代えられない。
 僕は気を引き締めなおし、アイテムストアでsp回復薬を手に入れる。

・青の薬瓶 スキルポイント回復 5ポイント

「はっ? こっちは全回復だと?!」

 ゲーム開発者の意図としては、プレイヤーにより多く射精させたいということなのだろうか?
 こんな事なら、さっきの現場からオナクラにでもいって、一人頭2千円で複数の子にぶっ掛けたほうがクエ1のペナルティ分喰らったとしてもポイントをより稼げたのに!

「ぐぬぬ……」

 と、苦虫を噛み潰しながらも、とりあえずは一安心!
 のはずが……。

「しばらく休憩入りまーす!」

 となってから早2時間が過ぎようとしていた。
 出番も終わったし、さっさと駄賃をもらって帰りたいんだけれど。

「やっぱ無理っす。疑似じゃ駄目っすか?」
「ダメダメ! うちは大手じゃないんだからさぁ! 結合部ドアップでちゃんとハメハメしてないとファンが五月蠅いのよ~!」
「ここ今日、四つ目の現場なんでやっぱ無理っすよ~!」

 部屋の隅では、このようなやり取りがずっと続いていた。
 そうなのである、男優さんの勃起待ちで撮影が押しまくっているのだ。
 ヒートアップする監督と男優のやり取りに、今度はADが加わる。

「こういうのはどうですか? 接写は監督がハメ撮りするってのは?」
「ああ無理無理! 私ごりごりのゲイだし!」
「なるほど、だからひと味違う芸術的センスの作風なんですね!」
「ええそうなのよっ! いかに女の子自身を可愛く魅せるかがコスプレ作品では重要でしょ? って、そんなこと言ってる場合じゃない! ADのあんたはどうなの?」
「いやいや無理ですよ! 人前で勃たせるなんて絶対無理です!」
「あとはカメラマンと音声さん……」

 監督に矛先を向けられたカメラマンが呆れた顔で首を振る。

「あの私らAV専業って訳じゃないんで」
「はは……。バレたら、かーちゃんに離婚届つきつけられちゃうよ」

 と、音声さんも苦笑い。

「残りは……メイクさんは女だし。それ以外となると……あっ」

 部屋の隅っこでじっとしていた僕に対して、その場にいるスタッフの視線が集まるのであった。



「ハイ! 本番スタート!」

 ベッドの上では白地に青が組み合わされた露出度の高い鎧《ビキニアーマー》を身にまとった水色の長い髪を持つ少女が荒い呼吸をしながら横たわっていた。

「あんっ! いったい! はんっ?! 私に何の術を? はぁはぁ」
『ふっふっふっ……。姫騎士アストリッドよ! 貴様には淫術の虜となってもらおう! クケケケッ!!』
「ふっふっふっ……。姫騎士アストリッドよ! 貴様には淫術の虜となってもらおう! クケケケッ!!」
「なっ、なん・だ・と?!」

 僕はベッドによじ登り、姫騎士の胸を……。

『ハイダメダメ! カット! カット!』
「え?! 何でですか? インカムの指示通りに動きましたよね?」

 僕は驚いて斜め後ろに座る監督の方へ振り返った。

「うーん、なんか違うのよねぇ。雄らしくないっていうか?」
「はぁ」
「そうね。下半身丸出しでいきましょう! それなら、チンチンはデカいんだし」
「あの、全身タイツで下半身まるだしですか?」

 僕の役は魔王の配下、闇の奇術師フェデリーニ。
 衣装としてピッタリした黒いタイツを着させられていた。
 衣装といっても胸に骸骨模様が施されている以外、プラ製丸だしな安い肩パッドくらいの激チープなモノだけど。
 本物は模様じゃない立体的な骨……だけど竿役衣装にそこまでお金は掛けていられないみたいな。

「あ゛っ? 何か文句あっか?」
「いえ、何でもありません」

 この監督なんか得体のしれない怖さがあって……口答えはやめとこう。

「あ、あと、セリフは言わなくて良いから! あとで字幕で出すし。あれはストーリーの流れが分る様にインカムから教えてるだけだから」

 それ、最初から言ってよぅ!

 

「準備オッケーです!」

 指示が替わり、下半身丸出しになった僕は最初からベッドの上で姫騎士さんと近距離で待機していた。

「わたしがリードしてあげるから、安心してね」
「あ、ありがとうございます」

 姫騎士役のAV女優琥芽米子こめこめこさんが可愛らしい声で緊張する僕に声を掛けてくれた。
 なんか、わりとビデオで見たことがあって、何度かお世話になったことのあるロリ系キカタン女優さんにこうして声をかけてもらえるなんて! なんか感動しちゃうな!
 などと、ドクロ仮面の下でニマニマしていると。

『ハイ! スタート!』

 と、何の前触れもなく監督が開始の合図を送ってきた!

 こうして、僕の汁男じゃないAV男優初挑戦が幕を開けた。
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