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第四章
インタールード
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「何なの猪狩の奴?! 連絡も付かないし……ったくもうっ!」
下校時刻から三十分以上経つというのに、猪狩先生がやってくる様子はない。
電話もメールも全然つながらないし、どうしよう。
「文芸部を覗いて居なかったら、今日の約束はなしにしよう」
仕方がない。
やっぱ、一人で会いに行くのはちょっと怖い。
用具倉庫前から離れた私は、廊下を進んで文芸部の入り口にたどり着いた。
「あっ、カギが閉まってる。あの野郎……」
私との約束すっぽかして帰ってんだ。
結局、猪狩先生も都合のいい時だけ良いこと言って、大事な時にはまったく頼りにならない役立たずなんだ。
「クソクソクソクソッ……」
扉を蹴っ飛ばしたい気持ちを何とか抑えこみ、階段に向かうために回れ右すると。
「ずいぶん待ってたんですけど、こちらにいらしたんですね一条院神楽さん」
「あなたは?」
「それは今はよろしいじゃありません? さぁ、お待ちしておりましたのでこちらへ」
突然現れた、お下げ髪の少女が階段とは反対側へ行くよう手で示してきた。
見覚えのない顔だけど、一年生かしら?
どうしよう、このままついていくべき?
「どうかなされましたか?」
「いや、遅れて申し訳ありませんでした」
見た感じ華奢で体力もなさそうだし、そこまで脅威になりそうな気もしないし、危なく感じたら逃げれば良いかな。
多少は警戒しつつも、私は彼女に促されるまま廊下を進むことにした。
「こちらになります」
文芸部から3つ先の部室の前でお下げ髪の少女は立ち止り、扉を開いた。
中は教室と同じ広さでテーブルや机はなく、カーテンが閉められて室内全体を明るい蛍光灯が照らしていた。
部屋の中央では、センター分けの日本人形みたいな青白い肌の少女と少し日に焼けた短髪の少女が並んで立っていて、こちらを見ている。
何だか乱交パーティーを開くような子たちにはとても見えないけど、一応、話だけは聞いておこうかな。
しかし、部屋に一歩、足を踏み入れた途端。
「ふぐっ?! なっ……ふごごっ!!」
後ろから回されたハンカチか私の口と鼻を覆う。
振り払おうとしても、力が出ない。
そしては私は崩れ落ちるように意識を失ったのだ。
下校時刻から三十分以上経つというのに、猪狩先生がやってくる様子はない。
電話もメールも全然つながらないし、どうしよう。
「文芸部を覗いて居なかったら、今日の約束はなしにしよう」
仕方がない。
やっぱ、一人で会いに行くのはちょっと怖い。
用具倉庫前から離れた私は、廊下を進んで文芸部の入り口にたどり着いた。
「あっ、カギが閉まってる。あの野郎……」
私との約束すっぽかして帰ってんだ。
結局、猪狩先生も都合のいい時だけ良いこと言って、大事な時にはまったく頼りにならない役立たずなんだ。
「クソクソクソクソッ……」
扉を蹴っ飛ばしたい気持ちを何とか抑えこみ、階段に向かうために回れ右すると。
「ずいぶん待ってたんですけど、こちらにいらしたんですね一条院神楽さん」
「あなたは?」
「それは今はよろしいじゃありません? さぁ、お待ちしておりましたのでこちらへ」
突然現れた、お下げ髪の少女が階段とは反対側へ行くよう手で示してきた。
見覚えのない顔だけど、一年生かしら?
どうしよう、このままついていくべき?
「どうかなされましたか?」
「いや、遅れて申し訳ありませんでした」
見た感じ華奢で体力もなさそうだし、そこまで脅威になりそうな気もしないし、危なく感じたら逃げれば良いかな。
多少は警戒しつつも、私は彼女に促されるまま廊下を進むことにした。
「こちらになります」
文芸部から3つ先の部室の前でお下げ髪の少女は立ち止り、扉を開いた。
中は教室と同じ広さでテーブルや机はなく、カーテンが閉められて室内全体を明るい蛍光灯が照らしていた。
部屋の中央では、センター分けの日本人形みたいな青白い肌の少女と少し日に焼けた短髪の少女が並んで立っていて、こちらを見ている。
何だか乱交パーティーを開くような子たちにはとても見えないけど、一応、話だけは聞いておこうかな。
しかし、部屋に一歩、足を踏み入れた途端。
「ふぐっ?! なっ……ふごごっ!!」
後ろから回されたハンカチか私の口と鼻を覆う。
振り払おうとしても、力が出ない。
そしては私は崩れ落ちるように意識を失ったのだ。
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