109 / 109
最終章
エピローグ
しおりを挟む
「おはよう咲良」
「おはよう雄介君」
教育実習という名の予選会を終えた僕は、7月早々から実家を出て同棲生活を始めた。
お風呂も無い畳部屋のボロアパートだけど、何もない分、広さだけは結構あるのだ。
だから……。
「おはようございます! 朝食の準備は出来てますよ雄介殿咲良様」
「ありがとう牡丹ちゃん」
こうして、3人でも十分寝られる余裕があった。
別に3人で暮らしているわけではないけれど、咲良以外のもう一人は替わり番こに交代でお泊りか遊びに来ている。
何故なら、どんな時も咲良は一緒に居たいということで、彼女たちとのセックス中もずっと隣に居続けることになっているのだ。
要は、二人っきりでセックスして良いのは本妻だけってこと。
実際のところ、ここまで咲良が嫉妬深いとは思わなかった。
でも、最初のころは慣れなかったけど、今では見られながらでも普通にセックス出来るようになってしまった。
「習慣って怖いなぁ」
「どうかした雄介君?」
「ん? なんでもない。このお味噌汁おいしいね」
「ありがとうございます雄介殿♡」
「私のお漬物はどう雄介君?」
「もちろん! おいしいに決まってるじゃん!!」
大きなちゃぶ台を囲んでるのに、ピッタリと横にくっついて離れない咲良。
ちゃんと君が一番だよと言ってあげないと、すねてしまう子どもっぽいところがあるのだ。
「そろそろ出ないと学校に遅れちゃわない牡丹ちゃん?」
「そうですね咲良様! 後片付けお願いできますか?」
「ええ」
まだ余裕が有ると思うけど、牡丹ちゃんはそそくさと準備をして部屋から出ていった。
「片付けやってもらえば良かったじゃん?」
「だってぇ、雄介君」
「なに?」
「最近、牡丹ちゃんが一番のお気に入りなんでしょ?」
「そんなことないよ! 咲良が一番だよ!!」
「それはわかってるけど、エッチの間中ずっとキスしてたじゃない?」
「あれは牡丹ちゃんキスが大好きだから」
それに、目を離すと僕のアナルを狙ってくるからこっちが主導権を握るセックスをしないとヤバいのだ。
ふと、横を見ると咲良が目を瞑って口をとがらせてる。
ああもう、わかり易いやつだなぁ!
「くちゅはむっ♡ 雄介君♡」
「ちゅぱちゅる……咲良ぁ……って、もう出る時間じゃないか!」
僕らは慌てて着替えを済ませ、大学への道を急いだ。
今日の講義が終われば、僕らは長い夏休みに入る。
お盆には合宿と称して、みんなで有栖川家の別荘にお泊りする計画だ。
滞りなく午前の講義が終了し、カフェテリアで咲良を待つ。
今日の夜は外食する予定だったので、弁当は作ってこなかったのだ。
「これはこれは雄介殿! 久しぶりでござる!」
「宇津井、お前近頃見なかったけど単位は大丈夫なのか?」
「おお! 心配していたのでござるか?! しかし、拙者は他になさねばならぬ重大な使命が有るのでござるよ」
「ああそう……」
わざわざこの気持ち悪い喋り方をしなくても別に良いじゃないかと僕は思うのだけど、こだわりの強い宇津井に変えるよう言っても無駄なのだ。
つうか、わざわざ僕に会いに来たということは……。
「決勝大会の内容が決まったのか?」
「しっ! 雄介殿、壁に耳あり障子に目ありでござるぞっ! 何処にスパイが忍び込んでるか判ったものではござらん」
こいつとカフェテリアに居るのはうざったいので、咲良にメッセージを送ってから部室へ移動することにした。
「お待たせ雄介君」
咲良が部室に入ってきたところで、宇津井はモニターの下にあるプレイヤーにディスクを挿入した。
「これは事務局から送られてきたDVDでござる」
「どんな内容なんだよ?」
「拙者も初めて見るので詳しい事は解らんでござるが、決勝大会の会場を紹介しているという話でござる」
「大会はお盆明けたくらいだよね雄介君? 何処の国でやるのかしら?」
「さぁ? 過去の大会の事とか両親に聞いてないの?」
「うーん、こういうことは自分で知るのが一番だとか言って教えてくれなかったの」
「さぁ、始まるから静かにするでござる!」
映像が始まると、まず宇宙から見た地球が映し出され、そこから地表へとズームアップしていくという意外と凝った作りになっていた。
しかも、なんかナレーションまでついてるし。
――緑豊かな大地、そこには多様な種族が入り乱れ、さながら群雄割拠の時代――
草原に降り立ったカメラの遥か先の方から砂煙が近づいてくる。
やがて見えてきたのは、馬に乗った蛮族の集団。
「なんだか、映画みたいだね雄介君」
「うん、てか映画なんじゃね? だって、髪の色が緑とか紫とか色々居るし」
馬だと思ってたのも、どうやらダチョウみたいな?
通り過ぎる蛮族を追ってカメラがパンすると、対面からやってくる甲冑姿の騎士たち。
「あれって、トカゲ? それとも恐竜?」
さらに上空にカメラがパンすると、翼竜に乗った猫耳少女たちが急降下してくる。
――所変わって、とある街角――
「なんだよ良いところだったのに!」
「あれ? 奏《かなで》くんじゃない?」
「え? そんな……確かに」
なんか異世界ファンタジーの登場人物みたいな鎧に布を巻き付けた粗末な格好をしている奏とその周りを囲む色とりどりの髪色をした美少女たち。
魔法使いっぽいローブを着ている子やさっき見た猫耳族、はたまた甲冑を着たクッ殺っぽい女の子も。
「まさか、ここって」
――白鳥座ケプラー22星系第二惑星、宇宙の諸種族が集う魔法世界――
――かの地で、より多くの婦女子を従えし者が次世代の覇者となる――
――8月20日、決戦開始――
――ダダダダン! バッバーンッ! キュイーン!!――
映像が終わると、勝手にDVDがプレイヤーから吐き出された。
「なるほど、白鳥座ケプラー22星系第二惑星でござるか。これでは対策の立てようが無いでござるな……ん? どうかしたでござるか雄介殿?」
予想の斜め上を行く決勝会場に僕はしばしポカンとするしかなかった。
「雄介君」
「咲良」
「白鳥座ケプラー22星系第二惑星って、パスポートがあれば付いていけるかな?」
「たぶん、無理だと思う……」
咲良は決勝の会場が海外でも付いてくるつもりだったみたいだけど、流石に宇宙の彼方までは無理じゃなかろうか?
つうか、僕にしたってどうやっていくんだ?
奏は死んだ後に向こうで精神だけを移して生き返ったと言ってたし。
あれ? でも、なんで向こうでも同じ顔してるんだアイツ?
そもそも、こっちで僕が生き返らせた後ってどうやって戻ったんだっけ?
――向こうには時空の裂け目を作って行くから大丈夫だよ! だけど――
隣に肉体が有るのに、サクラが話しかけてくるとちょっと混乱するな。
って、そんなことより!
「だけどなんだよサクラ?」
――あっちまで私や宇津井の声は届かないんだ――
ということは、本当に孤立無援で戦わなきゃならないのか?
いや、一応は登美来や檜山も一緒だから三人で協力しながらやってくしかないんだろう。
だけど、奏に会うことが出来たら。
――偶然だけど、すごいアドバンテージになるかもしれないね――
確かにそうかもしれない、でも。
そこまでして戦いに勝つ理由って僕に有るんだろうか?
だって、咲良とは将来を誓い合った恋人同士になれたし。
日本の陰の支配者なんて僕は少しも興味が無い。
ましてや、世界を陰で操る支配者なんて!
「どうしたの雄介君?」
「はやく決勝大会を済ませて帰って来たいなって思ったんだ」
実際、戦う意味なんて僕には何もない。
でも向こうに行ったら、何かが見つかるのかもしれない。
だって、奏は無効の話をとても生き生きと話してくれた。
だから、僕は不安を覚えつつも、胸のワクワクした気持ちを抑えることが出来なかった。
「でも、その前に」
「なに?」
「夏休みをめいいっぱい楽しもうぜ!」
「おはよう雄介君」
教育実習という名の予選会を終えた僕は、7月早々から実家を出て同棲生活を始めた。
お風呂も無い畳部屋のボロアパートだけど、何もない分、広さだけは結構あるのだ。
だから……。
「おはようございます! 朝食の準備は出来てますよ雄介殿咲良様」
「ありがとう牡丹ちゃん」
こうして、3人でも十分寝られる余裕があった。
別に3人で暮らしているわけではないけれど、咲良以外のもう一人は替わり番こに交代でお泊りか遊びに来ている。
何故なら、どんな時も咲良は一緒に居たいということで、彼女たちとのセックス中もずっと隣に居続けることになっているのだ。
要は、二人っきりでセックスして良いのは本妻だけってこと。
実際のところ、ここまで咲良が嫉妬深いとは思わなかった。
でも、最初のころは慣れなかったけど、今では見られながらでも普通にセックス出来るようになってしまった。
「習慣って怖いなぁ」
「どうかした雄介君?」
「ん? なんでもない。このお味噌汁おいしいね」
「ありがとうございます雄介殿♡」
「私のお漬物はどう雄介君?」
「もちろん! おいしいに決まってるじゃん!!」
大きなちゃぶ台を囲んでるのに、ピッタリと横にくっついて離れない咲良。
ちゃんと君が一番だよと言ってあげないと、すねてしまう子どもっぽいところがあるのだ。
「そろそろ出ないと学校に遅れちゃわない牡丹ちゃん?」
「そうですね咲良様! 後片付けお願いできますか?」
「ええ」
まだ余裕が有ると思うけど、牡丹ちゃんはそそくさと準備をして部屋から出ていった。
「片付けやってもらえば良かったじゃん?」
「だってぇ、雄介君」
「なに?」
「最近、牡丹ちゃんが一番のお気に入りなんでしょ?」
「そんなことないよ! 咲良が一番だよ!!」
「それはわかってるけど、エッチの間中ずっとキスしてたじゃない?」
「あれは牡丹ちゃんキスが大好きだから」
それに、目を離すと僕のアナルを狙ってくるからこっちが主導権を握るセックスをしないとヤバいのだ。
ふと、横を見ると咲良が目を瞑って口をとがらせてる。
ああもう、わかり易いやつだなぁ!
「くちゅはむっ♡ 雄介君♡」
「ちゅぱちゅる……咲良ぁ……って、もう出る時間じゃないか!」
僕らは慌てて着替えを済ませ、大学への道を急いだ。
今日の講義が終われば、僕らは長い夏休みに入る。
お盆には合宿と称して、みんなで有栖川家の別荘にお泊りする計画だ。
滞りなく午前の講義が終了し、カフェテリアで咲良を待つ。
今日の夜は外食する予定だったので、弁当は作ってこなかったのだ。
「これはこれは雄介殿! 久しぶりでござる!」
「宇津井、お前近頃見なかったけど単位は大丈夫なのか?」
「おお! 心配していたのでござるか?! しかし、拙者は他になさねばならぬ重大な使命が有るのでござるよ」
「ああそう……」
わざわざこの気持ち悪い喋り方をしなくても別に良いじゃないかと僕は思うのだけど、こだわりの強い宇津井に変えるよう言っても無駄なのだ。
つうか、わざわざ僕に会いに来たということは……。
「決勝大会の内容が決まったのか?」
「しっ! 雄介殿、壁に耳あり障子に目ありでござるぞっ! 何処にスパイが忍び込んでるか判ったものではござらん」
こいつとカフェテリアに居るのはうざったいので、咲良にメッセージを送ってから部室へ移動することにした。
「お待たせ雄介君」
咲良が部室に入ってきたところで、宇津井はモニターの下にあるプレイヤーにディスクを挿入した。
「これは事務局から送られてきたDVDでござる」
「どんな内容なんだよ?」
「拙者も初めて見るので詳しい事は解らんでござるが、決勝大会の会場を紹介しているという話でござる」
「大会はお盆明けたくらいだよね雄介君? 何処の国でやるのかしら?」
「さぁ? 過去の大会の事とか両親に聞いてないの?」
「うーん、こういうことは自分で知るのが一番だとか言って教えてくれなかったの」
「さぁ、始まるから静かにするでござる!」
映像が始まると、まず宇宙から見た地球が映し出され、そこから地表へとズームアップしていくという意外と凝った作りになっていた。
しかも、なんかナレーションまでついてるし。
――緑豊かな大地、そこには多様な種族が入り乱れ、さながら群雄割拠の時代――
草原に降り立ったカメラの遥か先の方から砂煙が近づいてくる。
やがて見えてきたのは、馬に乗った蛮族の集団。
「なんだか、映画みたいだね雄介君」
「うん、てか映画なんじゃね? だって、髪の色が緑とか紫とか色々居るし」
馬だと思ってたのも、どうやらダチョウみたいな?
通り過ぎる蛮族を追ってカメラがパンすると、対面からやってくる甲冑姿の騎士たち。
「あれって、トカゲ? それとも恐竜?」
さらに上空にカメラがパンすると、翼竜に乗った猫耳少女たちが急降下してくる。
――所変わって、とある街角――
「なんだよ良いところだったのに!」
「あれ? 奏《かなで》くんじゃない?」
「え? そんな……確かに」
なんか異世界ファンタジーの登場人物みたいな鎧に布を巻き付けた粗末な格好をしている奏とその周りを囲む色とりどりの髪色をした美少女たち。
魔法使いっぽいローブを着ている子やさっき見た猫耳族、はたまた甲冑を着たクッ殺っぽい女の子も。
「まさか、ここって」
――白鳥座ケプラー22星系第二惑星、宇宙の諸種族が集う魔法世界――
――かの地で、より多くの婦女子を従えし者が次世代の覇者となる――
――8月20日、決戦開始――
――ダダダダン! バッバーンッ! キュイーン!!――
映像が終わると、勝手にDVDがプレイヤーから吐き出された。
「なるほど、白鳥座ケプラー22星系第二惑星でござるか。これでは対策の立てようが無いでござるな……ん? どうかしたでござるか雄介殿?」
予想の斜め上を行く決勝会場に僕はしばしポカンとするしかなかった。
「雄介君」
「咲良」
「白鳥座ケプラー22星系第二惑星って、パスポートがあれば付いていけるかな?」
「たぶん、無理だと思う……」
咲良は決勝の会場が海外でも付いてくるつもりだったみたいだけど、流石に宇宙の彼方までは無理じゃなかろうか?
つうか、僕にしたってどうやっていくんだ?
奏は死んだ後に向こうで精神だけを移して生き返ったと言ってたし。
あれ? でも、なんで向こうでも同じ顔してるんだアイツ?
そもそも、こっちで僕が生き返らせた後ってどうやって戻ったんだっけ?
――向こうには時空の裂け目を作って行くから大丈夫だよ! だけど――
隣に肉体が有るのに、サクラが話しかけてくるとちょっと混乱するな。
って、そんなことより!
「だけどなんだよサクラ?」
――あっちまで私や宇津井の声は届かないんだ――
ということは、本当に孤立無援で戦わなきゃならないのか?
いや、一応は登美来や檜山も一緒だから三人で協力しながらやってくしかないんだろう。
だけど、奏に会うことが出来たら。
――偶然だけど、すごいアドバンテージになるかもしれないね――
確かにそうかもしれない、でも。
そこまでして戦いに勝つ理由って僕に有るんだろうか?
だって、咲良とは将来を誓い合った恋人同士になれたし。
日本の陰の支配者なんて僕は少しも興味が無い。
ましてや、世界を陰で操る支配者なんて!
「どうしたの雄介君?」
「はやく決勝大会を済ませて帰って来たいなって思ったんだ」
実際、戦う意味なんて僕には何もない。
でも向こうに行ったら、何かが見つかるのかもしれない。
だって、奏は無効の話をとても生き生きと話してくれた。
だから、僕は不安を覚えつつも、胸のワクワクした気持ちを抑えることが出来なかった。
「でも、その前に」
「なに?」
「夏休みをめいいっぱい楽しもうぜ!」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる