KIP短編集

小林一咲

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異界都市の幻想

変貌

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 巨大な力によって電気の供給が絶たれてしまった東京は──人の住めなくなった世界は? 

 これが現実。

 今の世界がこれだ。魔法街は現実を外れた魔法空間になったのだ。

 そうして、人々は気づいた。自分たちが知らぬ間に異界に引き摺り込まれていることに。

 だが、引き摺り込まれた人々の中で、一人また一人と帰ってくるものがいた。彼らは皆口を揃えて言う──あそこはこの世ならざる場所だったと。

 彼らが異界から帰還するたびに、東京の廃墟はその奇妙な魔法の影響を受け、草木が不気味な輝きを帯びて生い茂り、建造物は不可思議な模様で覆われた。

 その異界では、彼らは魔法の力を身にまとい、普段とは異なる次元の存在と交わりながら生き抜いていた。
 彼らが語るところによれば、異界には未知の生命体や神秘的な力が渦巻いており、そこでの時間は東京での時間とは別次元のように感じられたという。

 一方で、帰還者の中には異界で得た知識や力を生かし、新たな秩序を築こうとする者も現れ、東京の廃墟においても異界と現実の狭間で様々な冒険と対話が繰り広げられていた。
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