KIP短編集

小林一咲

文字の大きさ
上 下
22 / 38
教室の犯人

study

しおりを挟む
 大鳥先生被害者の会が結成されたのは、私が高校三年生の夏休みだった。受験のプレッシャーに追われる中、スマホを開くと同名のグループチャットに招待されていた。

 新たな仲間たちと共に、私は夜な夜な大鳥先生の謎に迫ることになった。「彼が最後に見られたのはどこだったんだろう?」と会話が始まり、教室や彼の家を調査する中で、彼の周りに漂う不穏な空気を感じた。

 ある晩、グループチャットでのやり取りで、「大鳥先生が最後に授業をしていた日に、不審な影を見た」というメンバーの証言が出た。それを手がかりに、私たちは彼の教室で何か特別なことがあったのではないかと考え始めた。

 会話の中で、メンバーたちはそれぞれ異なる情報や理論を提供し合い、それを元に新たな展開を模索していた。誰もが真実を解き明かすために奮闘し、大鳥先生の謎めいた失踪に迫っていた。

 やり取りが深まる中、私たちは大鳥先生の不在の理由に迫るべく、新たな情報を探し始めた。ある日、彼の教室で見つけた古びた手帳が、謎の暗号や日記のような記述で埋まっていた。

「これは大鳥先生の手帳だ。何か手がかりが隠されているかもしれない」と、メンバーの一人が言った。手帳を解読しようと試みる中で、私たちは彼の過去や独自の思考に迫る手がかりを見つけることができた。

 一方で、不気味な影が私たちを尾行しているような気配も感じ始め、大鳥先生の失踪が単なる偶発的な事件ではないことを確信していた。私たちは次第に、学校の闇や秘密が大鳥先生の消失に絡んでいるのではないかと考えるようになり、深まる謎に立ち向かう覚悟を決めた。
しおりを挟む

処理中です...