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フォートシュウロフ防衛戦
自分のビルドに関して急に饒舌になるタイプのJK
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2人でテクテクと歩き、城砦都市に掛かる跳ね橋へ足を踏み入れる。古代の木造りとモダンな構造が融合した様な橋はまるでファンタジー映画から抜け出してきたかのようだった。足元からは、橋の下を流れる川のせせらぎが静かに聞こえてくる。
橋の先には広大な平原が広がっていた。太陽の光が地面に反射して鮮やかに輝く。風が吹き抜けるたび、茂った草木が並み立つ。その音は風の歌の様で、心地よいリズムを奏でていた。
この光景を見に写し、そして実感できるだけでも、VRゲームをプレイする価値を強く感じさせられる。
「さっきは言いそびれたけど……かなり弄ったな。身長もずいぶんと小さくして、その巨大な尻尾までつけて」
後ろを歩くヨイニが声をかけてくる。
「巨人の国に来たみたいだよ」
私が選択した種族、カオスルーラーはN P Cとの友好度がマイナスからスタートする代わりに、体をかなり自由に弄る事ができる。今の私は身長120cmに鰐の様な大きな尻尾を携えていた。
「アニーの事だから、それにも意図があるんだろ?」
「もちろん!」
私は得げに両手を腰に当てて、胸を張った。
「このゲームってキャラクターのサイズがデータ的なステータスに影響しないでしょ? それならダメージとして計算される面積は少ない程、得する場面が多いはず!」
ヨイニが目を細めて、頷く。
「ああ、それでキャラメイクの時にサイズの最低値が設定されてたのか……。その大きな尻尾は後ろで表面積を稼いでより小さいキャラクターを作る為か?」
私は首を横に振り、にっこりと笑った。
「ぶぶー! まぁ、そう言う効果も確かにあるけどね!」
「他にどんな効果があるんだ?」
私は両手を大きく広げて、全身を見せつけた。
「ここで問題です。キャラクターのサイズを小さくする事で想定されるデメリットは何でしょうか!」
私の質問にヨイニは顎に手を当てながら考える。
「武器を振るうリーチが短くなる、軽くなるから攻撃を受けた時に吹き飛ばされやすくなる。さらに、大きな武器の取り回しが悪くなる」
「その通り! 流石はヨイニ君! そのデメリットを軽減する為に、カオスルーラーを選んで体を大幅に変えてみたんだ」
私は全身を覆っていた外套の前をチラリと開いて、自分の足を見せる。そこには、恐竜を思わせる異形の足があった。カオスルーラーの特性を活かして、上半身は人の原型をなるべく保ちながらカスタムしている。
「成長途中のティラノサウルスの脚と尻尾を参考にしたんだ。さらに、速さで知られるダチョウや馬から、優れた部分を取り入れてみたんだよ」
「でも、ティラノサウルスって遅いんじゃないの?」
ヨイニの質問に、私はチッチッチと指を左右に振って否定する。
「その速度は、ティラノサウルスが大きすぎて走ると骨がバッキバキになるから走れないって前提の話だよ」
私はそう言って、両手を広げて見せる。ヨイニは私のキャラクターを頭から足先まで見て、納得した様に頷く。
「そのサイズなら、足の負担は気にしなくて良いってことか」
「その通り! さらに言うと、ある学説によれば子供のティラノサウルスはすごく早く走ることができたんだよ」
「へぇ! 知らなかった!」
「これは足の形に関係があってね? 要は足の上半分が短くて、下半分が長いと早く走れるんだけど……。ティラノサウルスは途中まで脛が長い状態で成長して、体が大きくなってからふくらはぎが伸びて長距離走タイプになるんだって」
「不思議な生態だな」
つまり体が大きくなる前は体重が軽い以上に、構造的な理由で運動能力が高い生き物なんだよね。
実際の所、化石とか比較分析でわかることって"可能性がある"ってだけだからこの理論も"実際のティラノサウルスがどうだったか"と言う話ではなくて、可能性としてそう言うティラノサウルスもありえるってだけなんだけど。
まぁ結局のところ……私にとって重要なのはティラノサウルスの走行速度が事実としてどうだったかではない。
"理論上可能"って部分さえ担保されていれば良いんだ。
「そこから着想を得て、下半身は一番足が早い時期のティラノサウルスの骨格構造をベースに、現代で足の早い動物が持つ優れた要素を組み合わせてみた!」
「思い切った事をしたな……こんなの絶対、何処かに弊害が出るだろ」
ヨイニの言うことは残酷なまでに正しい。
「実は構造的な問題で直立歩行がちょっと……」
「致命的じゃねぇか!」
まぁ、人類は運動能力を犠牲にすることで直立歩行スキルを手に入れた訳だし。そこから運動能力を得ようとしたら直立歩行を捨てざる終えないのはある意味で必然と言える。
い、一応……完全に直立歩行ができないって訳ではないんだよ? ほら、何世紀前にはティラノサウルスも直立していたと思われていたぐらいだし、ぎり、可能っちゃ可能だよ。
「だ、大丈夫! 戦闘時とか、走る時は前傾姿勢になって尻尾を水平気味にすれば安定するから!!」
「それはもう恐竜なんだわ!!!」
「そ、そこまでは振り切って無いから! 言ってもネ豆子走りぐらいだから!!」
一応、まだちゃんと人型ではあるもん!!
橋の先には広大な平原が広がっていた。太陽の光が地面に反射して鮮やかに輝く。風が吹き抜けるたび、茂った草木が並み立つ。その音は風の歌の様で、心地よいリズムを奏でていた。
この光景を見に写し、そして実感できるだけでも、VRゲームをプレイする価値を強く感じさせられる。
「さっきは言いそびれたけど……かなり弄ったな。身長もずいぶんと小さくして、その巨大な尻尾までつけて」
後ろを歩くヨイニが声をかけてくる。
「巨人の国に来たみたいだよ」
私が選択した種族、カオスルーラーはN P Cとの友好度がマイナスからスタートする代わりに、体をかなり自由に弄る事ができる。今の私は身長120cmに鰐の様な大きな尻尾を携えていた。
「アニーの事だから、それにも意図があるんだろ?」
「もちろん!」
私は得げに両手を腰に当てて、胸を張った。
「このゲームってキャラクターのサイズがデータ的なステータスに影響しないでしょ? それならダメージとして計算される面積は少ない程、得する場面が多いはず!」
ヨイニが目を細めて、頷く。
「ああ、それでキャラメイクの時にサイズの最低値が設定されてたのか……。その大きな尻尾は後ろで表面積を稼いでより小さいキャラクターを作る為か?」
私は首を横に振り、にっこりと笑った。
「ぶぶー! まぁ、そう言う効果も確かにあるけどね!」
「他にどんな効果があるんだ?」
私は両手を大きく広げて、全身を見せつけた。
「ここで問題です。キャラクターのサイズを小さくする事で想定されるデメリットは何でしょうか!」
私の質問にヨイニは顎に手を当てながら考える。
「武器を振るうリーチが短くなる、軽くなるから攻撃を受けた時に吹き飛ばされやすくなる。さらに、大きな武器の取り回しが悪くなる」
「その通り! 流石はヨイニ君! そのデメリットを軽減する為に、カオスルーラーを選んで体を大幅に変えてみたんだ」
私は全身を覆っていた外套の前をチラリと開いて、自分の足を見せる。そこには、恐竜を思わせる異形の足があった。カオスルーラーの特性を活かして、上半身は人の原型をなるべく保ちながらカスタムしている。
「成長途中のティラノサウルスの脚と尻尾を参考にしたんだ。さらに、速さで知られるダチョウや馬から、優れた部分を取り入れてみたんだよ」
「でも、ティラノサウルスって遅いんじゃないの?」
ヨイニの質問に、私はチッチッチと指を左右に振って否定する。
「その速度は、ティラノサウルスが大きすぎて走ると骨がバッキバキになるから走れないって前提の話だよ」
私はそう言って、両手を広げて見せる。ヨイニは私のキャラクターを頭から足先まで見て、納得した様に頷く。
「そのサイズなら、足の負担は気にしなくて良いってことか」
「その通り! さらに言うと、ある学説によれば子供のティラノサウルスはすごく早く走ることができたんだよ」
「へぇ! 知らなかった!」
「これは足の形に関係があってね? 要は足の上半分が短くて、下半分が長いと早く走れるんだけど……。ティラノサウルスは途中まで脛が長い状態で成長して、体が大きくなってからふくらはぎが伸びて長距離走タイプになるんだって」
「不思議な生態だな」
つまり体が大きくなる前は体重が軽い以上に、構造的な理由で運動能力が高い生き物なんだよね。
実際の所、化石とか比較分析でわかることって"可能性がある"ってだけだからこの理論も"実際のティラノサウルスがどうだったか"と言う話ではなくて、可能性としてそう言うティラノサウルスもありえるってだけなんだけど。
まぁ結局のところ……私にとって重要なのはティラノサウルスの走行速度が事実としてどうだったかではない。
"理論上可能"って部分さえ担保されていれば良いんだ。
「そこから着想を得て、下半身は一番足が早い時期のティラノサウルスの骨格構造をベースに、現代で足の早い動物が持つ優れた要素を組み合わせてみた!」
「思い切った事をしたな……こんなの絶対、何処かに弊害が出るだろ」
ヨイニの言うことは残酷なまでに正しい。
「実は構造的な問題で直立歩行がちょっと……」
「致命的じゃねぇか!」
まぁ、人類は運動能力を犠牲にすることで直立歩行スキルを手に入れた訳だし。そこから運動能力を得ようとしたら直立歩行を捨てざる終えないのはある意味で必然と言える。
い、一応……完全に直立歩行ができないって訳ではないんだよ? ほら、何世紀前にはティラノサウルスも直立していたと思われていたぐらいだし、ぎり、可能っちゃ可能だよ。
「だ、大丈夫! 戦闘時とか、走る時は前傾姿勢になって尻尾を水平気味にすれば安定するから!!」
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一応、まだちゃんと人型ではあるもん!!
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