【野生の暴君が現れた!】忍者令嬢はファンタジーVRMMOで無双する【慈悲はない】《殺戮のパイルバンカー》

オモチモチモチモチモチオモチ

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フォートシュウロフ防衛戦

お弁当を作ってくれるタイプのJK

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 ステータスの配分とキャラクターカスタマイズを終えて噴水の前で待っていると、直ぐにヨイニがログインする。

「お待たせ」

「んーん、街を散策したり色々やってたからそんなに待ってないよ」

「それはよかっ……てまた見た目ちょっと変わったな。街中でレベル上がったのか?」

「うん、偶然」

「偶然って……隠しイベント的なやつか」

「そんな感じかな?」

 私がこのゲームを通して自覚した破壊衝動はどう考えても社会的に受け入れられる物では無い。せっかく高校で唯一、仲良くしてくれる与一君にはPKの事は隠し通さなくてはならない。

 ひとまず、偶然隠しイベントを見つけたって事で納得してくれたヨイニへ称号の項目を隠したステータスを送る。

名前:アニー・キャノンlv4
種族:カオスルーラーLv4
HP:88/88
MP:45/45
 【STR:25】
 【VIT:8】
 【DEX:10】
 【AGI:60】(+20)
 【INT:35】
装備
 頭【旅人のバンダナ】(防御力+5)
 肩【町民の外套】(防御力+15)
 体【旅人の服】(防御力+15)
 右手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
 左手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
 腰【町民のミニスカート】(防御力+1、AGI+5)
 足【素早さのバンクル】(AGI+10)
 靴【旅人の靴】(防御力+5、AGI+5)
ファーストジョブ:アウトローLv1
セカンドジョブ:マジックユーザーLv1
スキル
 【鼓舞】
 【パイルバンカー】(ベース:ロックショット)

「装備がめちゃくちゃ充実してる!?」

「拾った」

 言葉は簡単に、自然に口から飛び出した。ヨイニへ後ろめたい感情を抱きつつも、事実を打ち明ける勇気は無かった。

「拾ったって、街中で全ロスした奴でも居たのか……」

「他にも装備はたくさんあるけど、カオスルーラーだと換金できないんだよね。ヨイニにもあげるから、換金してくれない?」

「マジか、全然いいぜ」

「わぁい! やった!」

 ヨイニにトレード申請を送って、余った装備を全部託す。おかげでアイテムボックスがすっきりした。

「今日は何処に行く?」

「SNSで近くの山にダンジョンがあるって話題になってたからそこに行ってみないか?」

「いいね! 楽しそう!」

「じゃあ俺は装備の換金してから行くから、東門の外側で待ち合わせよう」

「わかった! じゃあ私はポーション類とか買っておくね!」

「お金は足りるか?」

「装備と一緒に拾ったから大丈夫!」







 ふと正気に戻ったんだけど、カオスルーラーだからポーション買えなかったや。しょうがないので約束の東門に直行する。ヨイニを待っている間に、さっき獲得した称号を確認しておく。

【キラー】
取得条件:PKを1回実行する。
取得効果:プレイヤー、または人型の生物に攻撃する際、ダメージが5%上昇する。
【サイコキラー】
取得条件:街中でPKを1回実行する。
取得効果:生き物をキルしてから1分間、近接攻撃力が20%上昇する。
【外道】
取得条件:非戦闘状態の対象を一方的にキルする。
取得効果:防御されていない部位に攻撃が命中した際、ダメージが20%上昇する。

 ふむ、【キラー】は壊れってほどじゃ無いけど普通に有って損するって事も無いね。
 【サイコキラー】と【外道】はヤバみを感じるけど。

「早いな」

 そうこうしているとヨイニが東門から現れる。

「ごめん、よく考えたらカオスルーラーだからポーション買えなかったや」

「あー! そうだった! まぁ、俺も持っているからなんとかなる。あと装備換金してきたぞ」
 
「わぁい! ありがとう!」

 ヨイニからトレードでお金を受け取る。初期資金が2000ぐらいだったけど、今は余裕で1万を超えた。今後も街中でカタツムリを見つけたら積極的に塩を撒こうかな?

「そう言えばダンジョンってどんな所なの?」

「ゴブリンの巣らしい。パーティ毎にリスポーンがあるらしいから、序盤の経験値上げにはちょうど良いらしいぞ」

「おぉー! それは良いね!」

 ゴブリン、人型! わくわく!





 二人でテクテクテクテクと歩いて一番近くの山にたどり着く。道中のモンスターは基本的にスルーで、向こうから襲いかかってきた時だけ倒した。

「ヨイニはどういうビルドコンセプトなの?」

「まだ模索中だけど、集団戦を意識したビルドを目指すつもり」

「そっか、確か小学生の頃もそうだったよね」

「あ、ああ……そうだな」

 なんだか最近、記憶の引き出しがスムーズに開く気がする。私の問いに、ヨイニがちょっと言い淀みながら頷いた。

「あっ! あれ、入り口かな?」

 山中の崖になっている部分に、大穴が見える。入り口には白いモヤが立ち込めていて、奥の様子はわからない。多分、入ったパーティ毎にダンジョンが生成される方式なんだろう。

「きっとアレだ! 早く入ろう!」

 という訳で二人して意気揚々いきようようとダンジョンに入る。

「アレは見張りかな?」

 洞窟に入ってすぐ、曲がり角の先に見張りと思われるゴブリンが二匹ゴブゴブしている。ヨイニと二人でちょっとコソコソ会議だ。

「右側のヤツ、貝の笛を持ってるだろ? あれで警笛を鳴らさられると無限湧きむげんわきの如くゴブリンを呼ばれるらしいぞ」

「それは面倒だなぁ……私は単体短期決戦用ビルドだし……」

 私のメイン火力スキルであるパイルバンカーは岩石を飛ばすスキルを射程、範囲を最低にして威力を最大にカスタムしたスキルだ。
 つまり使用には MPを消費する。

「片方 右の笛持ちは俺が動きを止めてなんとかするから、もう一匹を頼めるか?」

「それなら任せて!」

「よし、いくぞ……スタンボール」

 ヨイニが壁へ向かって手を伸ばす。彼の掌から放たれた光球は壁に反射してゴブリン達がいる奥へ飛んでいく。

「ぎゃっ」

「ぎぎぃ?」

 奥でさらに乱反射した光球に触れたゴブリン達が痺れた様にその場で硬直した。

「キヒヒッ!」

 遅れて私も飛び込んで、ゴブリンの頭を殴り飛ばす。隣ではヨイニが片手剣で無抵抗のゴブリンを斬りつけている。

「あのスキルは使わなかったんだな」

「アレはねー、今の私じゃ9回しか撃てないから。何か良い方法無いかな?」

「あの威力を無制限に撃たれたらチートが過ぎる気もするが……MP回復なら料理かポーションだな」

「へー、料理を食べるとMP回復するんだ。おすすめはどっち?」

「断然、料理だな。俺も欲しい」

「ふぇ!? えっと、よ、ヨイニが私のご飯を食べたいの?」

 朝と夜は無理だから、お昼って事だよね?

「お、お弁当とかで良い?」

「ん? ああ、最高だな」

 えっとえっと、どうしよ。家のキッチンは自由に使えるけど。でも学校にお弁当作って持っていくのってなんか、その……なんか恥ずかしく無い?

「料理は味で効果が変わるらしいからな、アニーは料理が上手だろ? 小学生の頃も何とかってプロのトーナメントで優勝してたし」

 あっ、そっか、そうだよね。
 ゲームの話だよね。

「……」

「アニー? 何か怒ってる?」

「んーん、怒って無いよ?」

「そっそうか……?」

 まぁ、私は美味しいとか美味しくないとか全然分かってないんだけどね。ただ単にどういう味が美味しいって言われるのかって言う答えを知っていて、忠実にそれを作成しているだけだから。

「それより、ダンジョンの続き行こ?」

「あ、ああそうだな」
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