【野生の暴君が現れた!】忍者令嬢はファンタジーVRMMOで無双する【慈悲はない】《殺戮のパイルバンカー》

オモチモチモチモチモチオモチ

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フォートシュウロフ防衛戦

狩りをするタイプのJK、或いは黒煙の暴君

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 市場周りはあまり収穫が無かったけど、イベントの収穫は大きかったね。戦闘の後、改めてステータスを確認する。
 視界右端の視線選択UIのメニューからステータスを選択すると、眼前に半透明のウィンドウが表示された。

名前:アニー・キャノン
種族:カオスルーラーLv5
Lv:10
HP:135/135
MP:75/75
 【STR:45】(+15) 
 【VIT:10】
 【DEX:10】
 【AGI:87】(+45)
 【INT:35】(+5)
装備
 頭【旅人のバンダナ】(防御力+5)
 肩【町民の外套】(防御力+15)
 体【旅人の服】(防御力+15)
 右手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
 左手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
 尻尾【小鬼将軍のバンクル】(AGI+20、STR+10)
 腰【町民のミニスカート】(防御力+1、AGI+5)
 足【素早さのバンクル】(AGI+10)
 靴【旅人の靴】(防御力+5、AGI+5)
ファーストジョブ:アウトローLv5
セカンドジョブ:マジックユーザーLv1
スキル
 【鼓舞】
 【パンチャー】(new)
 【暗視】(new)
 【黒煙】(new)
 【トンズラ】(new)
 【パイルバンカー】(ベース:ロックショット)
称号
 【無慈悲なる者】
 【悪の先導者】(new)
 【外道】
 【大物狙い】
 【キラー】
 【サイコキラー】
 【シリアルキラー】(new)
ステータスポイント:3

「やっぱりレベル上げるならプレイヤーかNPCだよねー」

 クエストクリア報酬もあるけど、ダンジョンと比べて経験値効率が段違いだ。街でのキルは見咎められるとキャラロスまであり得そうだけど、その分経験値が美味しい設定なのかな?

「今のトップ層は何レベルぐらいなんだろ?」

 ゲームの中からSNSを確認する。

「うーん、大体……20ぐらい?」

 やっぱりどのゲームにも廃人勢はいる。普通に高校生してたらレベルやリソースで勝つのは厳しいよね。

「来週のイベントまでには私もレベル20ぐらいまでは行きたいなぁ……」

 となれば……やる事は1つ。レベル上げと装備回収が両立できる最高の手段があるじゃないか。

「キヒヒヒッ……狩るぞ」








 ヨイニと一緒に行ったダンジョンとは別のダンジョン。よりレベルの高いプレイヤーが装備アイテム回収の為に周回しているダンジョンで獲物を待ち構える。ここ数日、私はここで狩りを楽しんでいた。

「ヒハッ……次の獲物発見」

 人通りが少なくて周回でたっぷりアイテムを溜め込んだであろう帰り道の一団を狙う。

「アイテムボックス」

 アウトローのスキル、黒煙は黒い煙幕を発生させるボールを作るスキルだ。アイテムボックスから大量に作成した黒煙弾を取り出して放り込む。

「な、何だこの黒煙は!?」

「くっそ最悪だ!! 噂のPKが出たぞ!」

 黒煙の中でプレイヤーが右往左方うおうさおうしている様子が【暗視】のスキルによってよく見える。

「キヒヒヒヒヒッ……トンズラ」

 トンズラは、AIGの値に対応した距離を一瞬で移動できるスキルだ。本来はその名の通り、逃亡用に使うスキルなんだろうけど、私にとっては強襲スキルとして機能している。

「キャハハハハ!!!」

 ほとんど瞬間移動に近い速度でプレイヤーの前まで移動する。このスキルの良い所は、スキル効果が終わった瞬間に慣性も消滅するところだ。

「パイルバンカァー!」

「畜生! 1人やられっ」

「パイルバンカー!」

「なんっ」

「パイル・バンカァァー♪」






 一方その頃、とある掲示板。

【IAF】ダンジョンの帰り道のPK【ゴブリン坑道】

1名前:名無しの冒険者
やられた……。
ダンジョンの帰りを狙われて根こそぎ奪われた。

2名前:名無しの冒険者
俺もだ……結構上位で、5人パーティだったんだが。

3名前:名無しの冒険者
そもそもプレイヤーなのか? エネミーなのか?
情報が少なすぎる。

4名前:名無しの冒険者
>3
プレイヤーにキルされると報復クエストが追加されるから、間違いなくプレイヤー。
名前はわからないが……。

5名前:名無しの冒険者
せっかくダンジョンを周回しても帰り道で取られるんじゃ洒落にならん。
どうにかならないのか?

6名前:名無しの冒険者
>5
賞金首システムがある。
一定以上のプレイヤーキルで懸賞金が付く。
被害者は懸賞金を上乗せができて、額によって対象のプレイヤーがキルされた時に経験値が得られるぞ。

7名前:名無しの冒険者
懸賞金かけて来た。
俺のレア装備を奪いやがって……!!
ゆ"る"さ"ん"!!

8名前:名無しの冒険者
ていうかもしかして上位陣の5人パーティーを1人で一方的にキルするプレイヤーがいるって事なのか?
一体何者なんだよ……。

9名前:名無しの冒険者
>8
それな、やばすぎる。
やられた奴らは何も見てないのか?

10名前:名無しのアウトロー
俺、暗視持ってたからチラッとだけど見えたぞ……。
背はめちゃめちゃ小さいんだが、恐竜みたいな尻尾が生えてた。

11名前:名無しの冒険者
>10
おお! 有力情報!
でもそんな種族いたか?

12名前:名無しの冒険者
隠し要素の可能性は捨てきれないが、カオスルーラーかもな……。

13名前:名無しの冒険者
もしカオスルーラーなら、あの子じゃね。

14名前:名無しの冒険者
>13
ああ、今週のニュースの……。

 こうしてアニー・キャノンは【黒煙の暴君】として賞金首になったのだった。




 土日はIAFVRゲーム悪逆あくぎゃくの限りを尽くし、まだ眠い目を擦る朝の通学路、前方に与一君を発見。たまには私から話しかけるパターンが有っても良いよね。

「おはやう、与一よいち君」

「ああ、おはよう奏音かのん眠そうだな」

「んーてーけつあつゆえ……」

 私のふにゃふにゃした回答に与一君が苦笑いをしながら頭を人差し指で突く。

「学校は休まないでくれよ?」

「分かってるよー、与一君が気分転換に誘ってくれたのに、それが原因で私が不登校とかになったら本末転倒だし」

「まぁ、それもあるんだが……折角同じ学校になったのに奏音が来なかったら寂しいだろ?」

「……」

「奏音? なんか顔が赤いけど大丈夫か?」

「ななななんでもないっ!」

 知らない! ぷいっ。

「それはそうと、アニーのレベル上げは何処でやってるんだ?」

 私が視線を逸らすと、与一君が話題を変えてくる。これがコミュ強の力なのか。

「んー、ゴブリン坑道の辺り?」

「あー、ダンジョン報酬も美味しいしな。そう言えばあの辺り、ヤバイPKが徘徊してるらしいぞ」

「へ? そうなの?」

 あの狩場にまだ私以外のPKなんて居たっけな? まぁ私も常に狩場に張ってた訳じゃ無いし、たまたま被らなかったのかな?

「ああ、黒い煙幕で大人数を包み込んで、正体不明なありえない火力のスキルで鏖殺おうさつにするらしい……どうやら大人数のパーティを狙ってるらしいけど、注意はしておいた方が良いかもな」

「へ、へぇ……」

 あ、あれ?
 なんかそのPKさん、親近感を感じるぞ?

「なんでも、自分より高いレベルと装備のプレイヤーを一撃で粉砕する程の技を連発するらしいよ」

「それはすごいなぁ」

「しかも、目撃情報によれば大きな尻尾があるんだって! もしかしたら、アニーと同じカオスルーラーかもしれないな」

「へ、へーソウナンダー」

 完全に私じゃん……。

「まぁでも"黒煙の暴君"って2つ名で賞金首になったらしいし、討伐隊も組まれたらから近いうちに解決するかもな」

「し、しばらく狩場変えようかな……」

「ああ、下手に巻き込まれてロストしてもつまらないしな」

「ソウダネー」

 他に良い狩場探さないとね……。あっでも良く考えればこの状態を逆手に取ってもう一稼ぎてきるかも……?
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