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幻夢境街戦略バトル
獲物を求めて徘徊するタイプのJK
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「じゃ、シュクレちゃんそっちは任せたー」
私が拠点の建築に関してできることは何も無い。そっちはシュクレちゃんに任せて散策に出かけよう。
「あっゴリラマンさんいるー?」
「誰がゴリラだ! ゴングだ! ゴングマン!!」
私の呼びかけに幻夢境街の闘技場元チャンピオン、ゴングマンさんが憤慨した様で歩みよってきた。今日もスキンヘッドが太陽に反射して輝いているね。
「暇なら一緒に行かない?」
「それはクランマスター命令か?」
「そんなのこのゲームに存在しないよ」
「ま、本格的なPvPはまだ時間がかかるだろうから、別に良いぞ」
「少佐どの! 私たちもお供します!」
ゴングマンさんと話していたら、例の狂信者な人たちが会話に入ってきた。この人たちは何が目的なのか分からない分、なんなら普通に私の命を狙ってくるメンバーより扱いに困る。
「メメント・モリは何やっても良いクランだから私に従う必要無いんだよ?」
「ぜひ! ご命令を!」
あーもしかして、RPの民なの? それなら止める理由も無いし、乗ってあげる方が良いのかな。
んーでも私、詳しく無いんだよなー。
「じゃとりあえずフィーリングで合わせるけど、後でオススメを教えておいて?」
「! ご高配、痛み入ります!」
「近場のMAP穴埋めと拠点の防御をせよー! 分配は勝手に考えよー!」
「イエス! マム!」
ふんわりと山脈の方を目指しながら、草原をふらふらと歩いてMAPの穴を埋めていく。皆が適当に探索するから、未埋めのスポットがあっちこっちに広がっているんだよね。
道中でゴングマンさんが話しかけてきた。
「暴君、どんな作戦を考えているんだ?」
「んー、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応する感じ?」
「それって、実質なにも考えてないってことじゃ無いか?」
「まー正直な所、戦略はともかく戦術を考えようにも周辺のクラン分布とか得点の入るモンスターのリスポーン地点とかが分かってこないとお話にならないじゃん?」
「そういう物なのか」
「そも、メメント・モリは数だけの烏合の衆だからね。綿密な作戦とかは考えるだけ無駄だよ」
もしもこれが現実の命をかけた戦争だったら違うだろうけど、ここはあくまでもゲームの世界だ。プレイヤーが指示に従わなければならない理由は無いし、そもそもそんな管理体制はメメント・モリのポリシーに反する。
だから"やりたければやってね"ぐらいで大雑把な方針を示すぐらいしかやれる事は無い。クランが上位に入ればクランメンバーにもそれなりに恩恵があるし、これでも割とやってくれる。
「このイベント、大規模クランの方が有利すぎないか?」
「あっ! ゴングマンさんイベント告知ちゃんと読んで無いしょー!」
私が肘で脇を小突くと、ゴングマンさんが困った様にツルツルの頭を撫でながら答えた。
「まぁ、あの"暴君"がクランマスターなら難しいことを考える必要は無いだろ?」
「むー過剰評価だなー。小規模クランはポイントの入りが良かったり、有利な地形に配置されてるらしいよ?」
「それって、他の統制の取れてるクランと比べて俺たちみたいな方向性がバラバラな連中の集まってるクランって逆に不利じゃ無いのか?」
「それはまぁーやりよう次第かなー。今はできること無いけど、状況が見えてくれば戦術も何パターンかは考えてあるよ」
ゴングマンさんとテクテクテクテク歩いて大きな山脈へたどり着く。道中でそこそこモンスターのリスポーン地点も見つけたし、この辺りをざっと見回したら一旦帰ろうかな。
「暴君、あれはエネミーだよな?」
眼前には岩石に両腕の生えたような奇怪なモンスターがゴロゴロとゴロゴロしていた。
ゴローニ○みたいだね。
「あれ、爆発するかな?」
「わからん」
よし、やってみよう!
物陰から飛び出す。
「パイルバンカァー!」
背後? からモンスターへパイルバンカーを叩き込む。
「ギュエッ」
ゴローニ○が変な音を出してダメージエフェクトを迸らせる。
そして、爆音が響き渡る。
「爆発するやつだー!!」
しかも他のゴローニ○にも誘爆を起こして一帯が一瞬にして吹き飛んだ。
「おお、めっちゃポイント稼げた」
一瞬にして今までメメント・モリのイベントポイントが2倍ぐらいへ増える。
「暴君、大丈夫か?」
「うん、無傷」
「はぁ!?」
「装備が優秀だからね」
万年寒鉄のオーダーメイド全身鎧、すごい。
そんなことを話していると岩陰から見覚えのある白武者の姿が現れる。
お久しぶりのシマーズさんだ。
「もしかして、アニーちゃんか?」
「あっシマーズさん! お隣さんだったんだね」
シマーズさんのYouTub◯チャンネルは最近絶好調らしくて、彼のクランは150名前後のメンバーがいるはずだ。
今も8人のメンバーを連れている。
「お隣っていうにはだいぶ俺たちの拠点に近いんだが……」
「もしかしてここ、シマーズさん達の狩場だった?」
「まぁ、そうだな」
「ちょーだい?」
「かなり貴重な狩場だしなぁ……それは無理だな」
「じゃあ、奪うね」
私の回答にシマーズさんが片手でポリポリと頭を掻く。それ、兜の上からそれやって意味あるの?
「まぁそうなるよなぁ」
シマーズさんが刀へ手をかける。彼の動きに合わせて他のメンバーも武器を構えた。
「ヒハッヒハハハハハ! ゴングマンさん、良かったね! 対人戦だよ!!」
「おっおう!」
私とゴングマンさんも拳を構える。このイベントは資源の奪い合いだ。採掘場が被ったなら略奪あるのみ!
私が拠点の建築に関してできることは何も無い。そっちはシュクレちゃんに任せて散策に出かけよう。
「あっゴリラマンさんいるー?」
「誰がゴリラだ! ゴングだ! ゴングマン!!」
私の呼びかけに幻夢境街の闘技場元チャンピオン、ゴングマンさんが憤慨した様で歩みよってきた。今日もスキンヘッドが太陽に反射して輝いているね。
「暇なら一緒に行かない?」
「それはクランマスター命令か?」
「そんなのこのゲームに存在しないよ」
「ま、本格的なPvPはまだ時間がかかるだろうから、別に良いぞ」
「少佐どの! 私たちもお供します!」
ゴングマンさんと話していたら、例の狂信者な人たちが会話に入ってきた。この人たちは何が目的なのか分からない分、なんなら普通に私の命を狙ってくるメンバーより扱いに困る。
「メメント・モリは何やっても良いクランだから私に従う必要無いんだよ?」
「ぜひ! ご命令を!」
あーもしかして、RPの民なの? それなら止める理由も無いし、乗ってあげる方が良いのかな。
んーでも私、詳しく無いんだよなー。
「じゃとりあえずフィーリングで合わせるけど、後でオススメを教えておいて?」
「! ご高配、痛み入ります!」
「近場のMAP穴埋めと拠点の防御をせよー! 分配は勝手に考えよー!」
「イエス! マム!」
ふんわりと山脈の方を目指しながら、草原をふらふらと歩いてMAPの穴を埋めていく。皆が適当に探索するから、未埋めのスポットがあっちこっちに広がっているんだよね。
道中でゴングマンさんが話しかけてきた。
「暴君、どんな作戦を考えているんだ?」
「んー、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応する感じ?」
「それって、実質なにも考えてないってことじゃ無いか?」
「まー正直な所、戦略はともかく戦術を考えようにも周辺のクラン分布とか得点の入るモンスターのリスポーン地点とかが分かってこないとお話にならないじゃん?」
「そういう物なのか」
「そも、メメント・モリは数だけの烏合の衆だからね。綿密な作戦とかは考えるだけ無駄だよ」
もしもこれが現実の命をかけた戦争だったら違うだろうけど、ここはあくまでもゲームの世界だ。プレイヤーが指示に従わなければならない理由は無いし、そもそもそんな管理体制はメメント・モリのポリシーに反する。
だから"やりたければやってね"ぐらいで大雑把な方針を示すぐらいしかやれる事は無い。クランが上位に入ればクランメンバーにもそれなりに恩恵があるし、これでも割とやってくれる。
「このイベント、大規模クランの方が有利すぎないか?」
「あっ! ゴングマンさんイベント告知ちゃんと読んで無いしょー!」
私が肘で脇を小突くと、ゴングマンさんが困った様にツルツルの頭を撫でながら答えた。
「まぁ、あの"暴君"がクランマスターなら難しいことを考える必要は無いだろ?」
「むー過剰評価だなー。小規模クランはポイントの入りが良かったり、有利な地形に配置されてるらしいよ?」
「それって、他の統制の取れてるクランと比べて俺たちみたいな方向性がバラバラな連中の集まってるクランって逆に不利じゃ無いのか?」
「それはまぁーやりよう次第かなー。今はできること無いけど、状況が見えてくれば戦術も何パターンかは考えてあるよ」
ゴングマンさんとテクテクテクテク歩いて大きな山脈へたどり着く。道中でそこそこモンスターのリスポーン地点も見つけたし、この辺りをざっと見回したら一旦帰ろうかな。
「暴君、あれはエネミーだよな?」
眼前には岩石に両腕の生えたような奇怪なモンスターがゴロゴロとゴロゴロしていた。
ゴローニ○みたいだね。
「あれ、爆発するかな?」
「わからん」
よし、やってみよう!
物陰から飛び出す。
「パイルバンカァー!」
背後? からモンスターへパイルバンカーを叩き込む。
「ギュエッ」
ゴローニ○が変な音を出してダメージエフェクトを迸らせる。
そして、爆音が響き渡る。
「爆発するやつだー!!」
しかも他のゴローニ○にも誘爆を起こして一帯が一瞬にして吹き飛んだ。
「おお、めっちゃポイント稼げた」
一瞬にして今までメメント・モリのイベントポイントが2倍ぐらいへ増える。
「暴君、大丈夫か?」
「うん、無傷」
「はぁ!?」
「装備が優秀だからね」
万年寒鉄のオーダーメイド全身鎧、すごい。
そんなことを話していると岩陰から見覚えのある白武者の姿が現れる。
お久しぶりのシマーズさんだ。
「もしかして、アニーちゃんか?」
「あっシマーズさん! お隣さんだったんだね」
シマーズさんのYouTub◯チャンネルは最近絶好調らしくて、彼のクランは150名前後のメンバーがいるはずだ。
今も8人のメンバーを連れている。
「お隣っていうにはだいぶ俺たちの拠点に近いんだが……」
「もしかしてここ、シマーズさん達の狩場だった?」
「まぁ、そうだな」
「ちょーだい?」
「かなり貴重な狩場だしなぁ……それは無理だな」
「じゃあ、奪うね」
私の回答にシマーズさんが片手でポリポリと頭を掻く。それ、兜の上からそれやって意味あるの?
「まぁそうなるよなぁ」
シマーズさんが刀へ手をかける。彼の動きに合わせて他のメンバーも武器を構えた。
「ヒハッヒハハハハハ! ゴングマンさん、良かったね! 対人戦だよ!!」
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