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幻夢境街戦略バトル
告白に回答するタイプのJK
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イベントが終わった後、与一ちゃんと私は翌日、いつもの公園で会うことを約束した。学校の鐘が生徒たちを放出し、日常の喧騒が徐々に収束する中、私は公園へ足を運ぶ。
夕日が空を朱色に染めて、その暖かな光が公園を包む。ブランコに身を預け、背中に感じる優しい熱。その暖かさに包まれながら、私は彼女を待つ。足を軽く揺らしながらギコギコと音だけが空気に響く。
彼女からの衝撃的な告白を受けてから今まで、私は沢山の経験を通して、沢山の事を考えた。
シュクレちゃんは、それまで無意識だった"好きなこと"と"嫌いなこと"に目を向ける契機をくれた。
カドルは現実の私、風間奏音の考え方と電脳世界の私、アニーキャノンの考え方、どっちも本当の私だって事を気がつかせてくれた。
そして、PK反対連合との戦いは周囲から逸脱した人たち、少数派を受け入れる勇気をくれた。
「ごめん、奏音。待った?」
心地よい風が頬を撫でる中、聞き馴染みの声が耳に触れた。顔を見上げると、与一ちゃんの顔が夕日の中で鮮やかに輝いていた。
心臓がドキドキと跳ねる。
「んーん、私も今きたところ」
「もしかして今日……返事がもらえるのかな?」
与一ちゃんの不安げな声に、私は心からの思いを込めて、スゥーと深呼吸をした。彼女の瞳に真直ぐ向き合い、力強く頷いた。
「うん、そのつもり……だけどその前に聞いて欲しい事があるんだ」
一度、ゆっくり深呼吸をする。与一ちゃんは私へ告白する為に、嘘偽りの無い、本当の事を話してくれた。だから私も、彼女へ本当の私をちゃんと伝えないといけない気がした。
「私は、誰かを、何かを害するのが大好きで、他人の事が考えられない社会不適合者だよ」
「うん、知ってる」
と、与一ちゃんは静かに行った。その瞳には理解と受け裏があって、それが私の心を強く揺さぶった。
「与一ちゃんなら、他にも沢山の選択肢があるのに……」
与一ちゃんは私と違って、普通の良識を持った人間だ。私が現実で仲良くできる人は彼女だけだけど、彼女は私以外とも仲良くできる。そんな彼女が私を選ぶ理由が理解できない。
「奏音じゃ無いとダメなんだ」
与一ちゃんが真剣な表情で答える。
「……なんで!」
私は思わず立ち上がって、与一ちゃんを見上げる。放り出されたブランコがギィギィと立てる音が、今の私の心情を表しているかのようだった。
「僕は……普通の人間なんだ」
与一ちゃんは悔しそうに言った。私は彼女がここまで感情を露わにした姿を初めて見た。
彼女は一息ついてから、言葉を続ける。
「僕には奏音みたいな天凛の才能なんて1つもない。奏音は僕にとって憧れで、特別な存在だった」
与一ちゃんの声はぶれずに続いていった。
「君の弱さも知っているからこそ、君を助けたいと思ったんだ」
彼女の声の目が私を捉えて離さない。
「僕は凡人だ、その事実にいつも苦しんできた。だけど、だからこそ……」
彼女の目が更に私を深く見つめた。
「僕には、君と世界を繋ぐ力があると信じている」
与一ちゃんは私の事を分かった上で、受け入れてくれている。その事実に目頭が熱くなって目が潤んでしまった。
「でも、私って馬鹿だし、人の気持ちとかよく分からないし……」
「僕は奏音がバカだって思った事は一度も無いよ」
「だって!」
「確かに、奏音は人の感情を読み取るのが苦手で、自分が周りからどう見えているかを考えるのが苦手で、興味が無い事に頭が働かない。だけどそんなのは僕が間に入れば解決することだ」
「与一ちゃんがそれをする意味がないじゃん!」
与一ちゃんは私にとっても大切な存在だ。だから、私の為に彼女の人生を無駄にしてはいけない。
そう思って反論した言葉を、彼女はただ静かに聴いていた。
「意味はあるよ。奏音はちょっと他の人と脳の回路が違うだけで、本当はすごく頭が良い。シュクレちゃんの件、覚えてる?」
与一ちゃんの声はやさしく、その瞳は私を深く信じ、真摯な愛情を込めて注いでいる。
「うん、号泣ランチの事だよね」
「奏音が料理を作らなかったら、シュクレちゃんはあんなに嬉しそうな笑顔をする事は無かった。ほんのちょと、僕たちが伝え方を工夫するだけで、奏音には誰かや、世界を幸せにできる力がある」
涙がポロリと溢れた。
私は言い訳の余地がないぐらいの異常者だ。だけど、異常者だって誰にも受け入れられないと辛いんだよ。
普通の人みたいに認めて貰いたいし、仲良くしたいし、感謝されたいし……誰かを幸せにしたい。
そのすべてが、与一ちゃんと一緒にいれば可能になる。暗闇を掻き分け進むような人生に、まるで夜明けのような光が差し込んできた。
「だから……」
与一ちゃんの声は、まるで風に運ばれる様に軽く、そして確かだった。彼女は手を差し出し、バッと頭を下げる。
「僕と、付き合ってください!!!」
その瞬間、私は思わず与一ちゃんに抱きついた。
「……よろしくお願いします」
与一ちゃんも私を抱きしめ返してくれた。彼女の体温が全身に広がり、その甘い香りと暖かさが私を包み込んだ。
「よかった……」
高校に進学した時は、こんな事になるとは夢にも思っていなかった。世の中、どうなるか分からないね。
夕日が空を朱色に染めて、その暖かな光が公園を包む。ブランコに身を預け、背中に感じる優しい熱。その暖かさに包まれながら、私は彼女を待つ。足を軽く揺らしながらギコギコと音だけが空気に響く。
彼女からの衝撃的な告白を受けてから今まで、私は沢山の経験を通して、沢山の事を考えた。
シュクレちゃんは、それまで無意識だった"好きなこと"と"嫌いなこと"に目を向ける契機をくれた。
カドルは現実の私、風間奏音の考え方と電脳世界の私、アニーキャノンの考え方、どっちも本当の私だって事を気がつかせてくれた。
そして、PK反対連合との戦いは周囲から逸脱した人たち、少数派を受け入れる勇気をくれた。
「ごめん、奏音。待った?」
心地よい風が頬を撫でる中、聞き馴染みの声が耳に触れた。顔を見上げると、与一ちゃんの顔が夕日の中で鮮やかに輝いていた。
心臓がドキドキと跳ねる。
「んーん、私も今きたところ」
「もしかして今日……返事がもらえるのかな?」
与一ちゃんの不安げな声に、私は心からの思いを込めて、スゥーと深呼吸をした。彼女の瞳に真直ぐ向き合い、力強く頷いた。
「うん、そのつもり……だけどその前に聞いて欲しい事があるんだ」
一度、ゆっくり深呼吸をする。与一ちゃんは私へ告白する為に、嘘偽りの無い、本当の事を話してくれた。だから私も、彼女へ本当の私をちゃんと伝えないといけない気がした。
「私は、誰かを、何かを害するのが大好きで、他人の事が考えられない社会不適合者だよ」
「うん、知ってる」
と、与一ちゃんは静かに行った。その瞳には理解と受け裏があって、それが私の心を強く揺さぶった。
「与一ちゃんなら、他にも沢山の選択肢があるのに……」
与一ちゃんは私と違って、普通の良識を持った人間だ。私が現実で仲良くできる人は彼女だけだけど、彼女は私以外とも仲良くできる。そんな彼女が私を選ぶ理由が理解できない。
「奏音じゃ無いとダメなんだ」
与一ちゃんが真剣な表情で答える。
「……なんで!」
私は思わず立ち上がって、与一ちゃんを見上げる。放り出されたブランコがギィギィと立てる音が、今の私の心情を表しているかのようだった。
「僕は……普通の人間なんだ」
与一ちゃんは悔しそうに言った。私は彼女がここまで感情を露わにした姿を初めて見た。
彼女は一息ついてから、言葉を続ける。
「僕には奏音みたいな天凛の才能なんて1つもない。奏音は僕にとって憧れで、特別な存在だった」
与一ちゃんの声はぶれずに続いていった。
「君の弱さも知っているからこそ、君を助けたいと思ったんだ」
彼女の声の目が私を捉えて離さない。
「僕は凡人だ、その事実にいつも苦しんできた。だけど、だからこそ……」
彼女の目が更に私を深く見つめた。
「僕には、君と世界を繋ぐ力があると信じている」
与一ちゃんは私の事を分かった上で、受け入れてくれている。その事実に目頭が熱くなって目が潤んでしまった。
「でも、私って馬鹿だし、人の気持ちとかよく分からないし……」
「僕は奏音がバカだって思った事は一度も無いよ」
「だって!」
「確かに、奏音は人の感情を読み取るのが苦手で、自分が周りからどう見えているかを考えるのが苦手で、興味が無い事に頭が働かない。だけどそんなのは僕が間に入れば解決することだ」
「与一ちゃんがそれをする意味がないじゃん!」
与一ちゃんは私にとっても大切な存在だ。だから、私の為に彼女の人生を無駄にしてはいけない。
そう思って反論した言葉を、彼女はただ静かに聴いていた。
「意味はあるよ。奏音はちょっと他の人と脳の回路が違うだけで、本当はすごく頭が良い。シュクレちゃんの件、覚えてる?」
与一ちゃんの声はやさしく、その瞳は私を深く信じ、真摯な愛情を込めて注いでいる。
「うん、号泣ランチの事だよね」
「奏音が料理を作らなかったら、シュクレちゃんはあんなに嬉しそうな笑顔をする事は無かった。ほんのちょと、僕たちが伝え方を工夫するだけで、奏音には誰かや、世界を幸せにできる力がある」
涙がポロリと溢れた。
私は言い訳の余地がないぐらいの異常者だ。だけど、異常者だって誰にも受け入れられないと辛いんだよ。
普通の人みたいに認めて貰いたいし、仲良くしたいし、感謝されたいし……誰かを幸せにしたい。
そのすべてが、与一ちゃんと一緒にいれば可能になる。暗闇を掻き分け進むような人生に、まるで夜明けのような光が差し込んできた。
「だから……」
与一ちゃんの声は、まるで風に運ばれる様に軽く、そして確かだった。彼女は手を差し出し、バッと頭を下げる。
「僕と、付き合ってください!!!」
その瞬間、私は思わず与一ちゃんに抱きついた。
「……よろしくお願いします」
与一ちゃんも私を抱きしめ返してくれた。彼女の体温が全身に広がり、その甘い香りと暖かさが私を包み込んだ。
「よかった……」
高校に進学した時は、こんな事になるとは夢にも思っていなかった。世の中、どうなるか分からないね。
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