【野生の暴君が現れた!】忍者令嬢はファンタジーVRMMOで無双する【慈悲はない】《殺戮のパイルバンカー》

オモチモチモチモチモチオモチ

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剛輪禍工業革命-2:工業地帯奪還

考えるより先に手が出るタイプのJK

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*「報告であります!」*

 皆ですっごい簡易的な拠点を作ったすぐ後"兵士"部隊のプレイヤーから連絡が入った。

*「敵勢エネミーの大まかな配置と建造物の配置をマッピングしました!」*

*「よろしい、被害報告をせよー」*

*「全滅であります!」*

*「えっ」*

 じゃあお前は誰なんだ、と思ってメンバーの状態をシステム画面から確認する。普通に半分ぐらい生き残ってるじゃん。

 そういえば軍隊だと半数が死亡したら事実上の全滅だみたいなのをどこかで読んだ気がするからそう言う基準なのかな。

*「入り口に簡単な防衛陣地があるから、再編成後に周囲を警戒せよー」*

*「イエス! マム!」*

「さて、そろそろ行こうか」

 "兵士"部隊は面倒で退屈な事も喜んでやってくれるから本当に便利だ。だけど純粋戦力としてみると"レッドバロン"や"シュクレ教"には敵わない。





 
「うん、情報通りだね」

 雲の切れ間から体表の光がかすかかに地面を照らす中、私たちは工業地帯へと足を踏み入れる。錆びついた鉄骨が剥き出しになった建物の間に、彷徨う人型の鎧"リビングアーマー"と金属質な甲殻を携えたさそりの様なモンスター"カリブスコープ"が鎮座ちんざしていた。

「さぁ始めようか」

 それまでただのオブジェの様に佇んでいたモンスター達が、私たちの接近に反応して動き始める。

「暴君、作戦は?」

 レッドバロンの1人が私に話しかけてくる。

「シュクレ教は近づかれたら逃げて、レッドバロンはシュクレ教に近づくモンスターはなるべく排除して上げて」

「俺たちは盾になれってことか?」

「いや、ダメそうなら普通に見捨てて良い。シュクレ教の人も助けてもらえる事を前提の立ち回りはしないでねー」

 日常的にPKをやっているレッドバロンはそもそもレベルやPSプレイヤースキルが高い上に、今ここにいるのはその中でも上位のプレイヤー達だ。シュクレ教の盾に使うには勿体なさすぎる。

「陣形とかは良いのか?」

「"兵士"の話しだと遠距離から範囲攻撃が飛んでくるらしいから、方陣はもう無意味だよ。あとはマップ見ながら見敵必殺サーチ&デストロイして!」

 私の掛け声に、各々が答えた。

「しゃぁ! やっと戦えるぜ!」

「やるぞー!」

「汚物は消毒じゃー!」

 私たちが近づくと、モンスター達の関節が赤く光り、金属同士が擦れ合う様な音と共に動き出す。

「「セット・リボルビングパイル」」

 発声によってスキルが発動し、トンファー型の釘打ち機が両腕へ装着された。そのまま勢いよく駆け出す。

「キヒヒヒ!」

 杖を構えようとするとリビングメイルへ突撃し、勢いそのままに右腕を叩き込む。インパクトのタイミングに合わせてトリガーを引き、魔力で形成されたパイルを叩き込んだ。

 ガシャン! 金属が砕けると音と共に、リビングメイルが膝をつく。手には反作用による衝撃の感触が伝わってくる。

「っと!」

 その黒光りする体から金属の擦れるような音を発しながらカリブスコープが私の方へ向かってくる。

 8本の足をガシャガシャと流れるように動かし一瞬で眼前まで迫ると、その尻尾が風を切り裂いて突き出された。

「えぇえい!」

 目で追う事すらできない高速の一撃、だけど私は考えるより先に手が出るタイプだ。ほぼ無意識の領域でその一閃をガントレットで弾く。

 そのまま一歩前へ、左手の釘打ち機パイルバンカーをカリブスコープの顔面へ押し当てて、トリガーを引く。

「ギィイイ!」

 カリブスコープが断末魔のような音を発し、その場へ崩れ落ちる。チラリと周囲へ視線を向けると、皆も苦戦しつつも順調にモンスターを排除して回っていた。この調子なら、このエリアは解放できるだろう。

 妙に連携をとって戦ってきたり、逃げ出そうとする個体がいたりと若干の違和感はありつつも、次々とモンスターを倒していく。

「"暴君"このドロップが何だか分かるか?」

 戦闘が落ち着いてきた頃、レッドバロンの1人が私に話しかけてきた。彼の手には、水晶みたいな石が握られていた。

 そのアイテムには見覚えがある。さっきから戦っているこのエリアのモンスターを倒すと度々ドロップしているやつだ。

「わかんない、私もそれ気になってるんだよねー」

 改めて水晶を見ながら、ふと気になった事を口にしてみた。

「そういえばこれ、私達が街へきた時に乗ってた蒸気機関車の制御システムにも似たようなのがあったんだよね」

「ああ、お前がぶっ壊して機関車が制御不能になった挙句、街に突っ込んで盛大に破壊した時の」

「うるさい! ていうかそっちだって面白がってたじゃん! 同じクランなんだから同罪だよ!!」

「横暴だなぁ。さすが暴君だ」

「ガルルルル」

 私が半眼で睨みながら威嚇すると、レッドバロンの男は半笑いで両手を前にして私を制する。

 なんか私、動物扱いされてない?

「まぁまぁ、落ち着けって。じゃあとりあえずこれは、あの時の機関車みたいな魔力で動く機械を作るのに使う素材ってことか?」

「あー、その可能性はあるかもね。工場を獲得したら色々作れるみたいだし、その時に使うのかも」

「じゃあまぁ、一応集めておくか」

「そうだねー」
 
 
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