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剛輪禍工業革命-2:工業地帯奪還
正々堂々と最後まで戦うタイプの筋肉ゴリラ
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アニーちゃん達を見送って、俺たちも指定されたゲートを潜る。一瞬の暗転の後、すぐに視界が開ける。
「さて、俺らも始めるか」
俺たちがアニーちゃんから攻略を託されたエリアは、この海辺に面した工業地帯だ。
眼前に広がるのは、錆び付いた鉄塔とコンクリート建物が交互に立ち並ぶ、鉄とコンクリートの森だ。そのダークグレイの姿が海の水面に映り込むと、不気味ながらも幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「それじゃあまぁ、とりあえず全員で周りを警戒しながらゆっくり進もうぜ」
俺に預けられた部隊"ブルーバロン"は、PVPを志向するプレイヤー達で構成されている。レッドバロンとの違いは、彼らがPKその物を目的にしているのに対して、俺たちは"真剣勝負"を目的にPKをする所だ。
何でもありの戦いならレッドバロンの方が優勢だろうが、純粋な戦闘能力で言えばブルーバロンの方が有利だ。
「ゴングマンさん! モンスターが動き出しました!」
ブルーバロンの1人が声を上げた。眉をひそめて警戒する彼の指差す方向へ視線を向ける。
「ウッキィ!」
そこには、全身が流線型の黒い金属で覆われた機械仕掛けの猿の様なモンスターが赤い目を輝かせて薙刀を構えていた。頭上に表示された明朝フォントの文字を読み上げる。
「メカエイプ……安直な名前だな」
だが、ここは最高難易度エリアだ。
名前は安くても敵は安く無い。
「うおらぁ!」
メカエイプから放たれた薙刀による一閃に対して金属製のリングで武装した腕の手刀で刃の腹を捉えて弾く。
風間流の技の1つ"白刃弾き"だ。
「こいつ……!」
俺がお返しに回し蹴りを放つと、メカエイプは逸らされた薙刀を地面に刺しながらその薙刀へ飛び乗った。
猿みたいな動きしやがって!
「ウキキャァア!」
メカエイプが薙刀の上から九環刀の様な武器で連撃を放ってくる。ガシャガシャと言う金属音がその場に響いた。
「こんにゃろ!」
斬撃を受けながら殴りかかる。
しかし、メカエイプは巧みに重心を操り攻撃を避け、そのままバク転をする様に薙刀を地面から引き抜きながら掬い上げる様な斬撃を放つ。
「くっそ!」
普通では考えられない様なトリッキーな動きに完全に意表を突かれてもろに攻撃を喰らってしまう。
視線の端に映る自分のHPバーが6割以上、一気に削れた。一度バックステップで距離を取る。
「強い……! いや、まだ有情な方か」
このゲームは、序盤の街を除いてプレイヤーへの配慮をまるで感じない。ダンジョン攻略なんかは何度も死んで覚える事を前提にしている様なバランスをしている。
いや、最初からバランス何て取る気は無いのか。そんな中、最高難易度のダンジョンで直撃を喰らっても即死じゃ無いのはむしろ優しいまであるな。
「やっぱり、俺じゃアニーちゃんの様にはいかねぇよなぁ!」
幻夢境街の闘技場でチャンピオンをやっていた、一応は上位プレイヤーにカウントされる俺ですらこんな感じだ。
普段からまるで無双ゲームでもやっている見たいに初見で攻撃を完璧に回避しつつ致命的な一撃でモンスターとプレイヤーを吹き飛ばすアニーちゃんがいかに化け物なのかヒシヒシと感じる。
これそう言うゲームじゃねぇから!
って言ってやりたい。
「ゴングマンさん! やばいっす!」
ブルーバロンの1人が焦った様子で声を上げる。周囲を見渡すと、次々とメカモンキーが集まってきていた。
「畜生! 容赦ねぇなぁ!」
「ウキャウッキャ!」
眼前のメカモンキーが嬉しそうに九環刀を振り回してガシャガシャと音を立てる。それかぁ!
「どうするっすか?」
「大丈夫だ、こう言う時の為にとっておきの作戦がある」
動揺するブルーバロンのメンバーへ、俺は落ち着いた様子でニヤリと微笑んで彼の肩を優しく叩く。
「さ、流石はゴングマンさんです!」
肩を叩かれた彼は目を輝かせて俺の方を見上げてきた。俺は彼に背中を向けて、作戦を実行に移すべくクラウチングスタートの構えを取った。
「そ、それで作戦って言うのは?」
「……」
「ゴングマンさん?」
俺の意図に気が付かず声をかけるブルーバロンの男を他所に、大きく深呼吸をして、呼吸を整える。
「にぃぃげるんだよぉぉぉぉぉおお!!!」
そのまま脇目も振らずに戦場を駆け抜け、転移したスタート地点へと駆け出していく。
「えぇぇぇぇえええええーー!?!?!!!」
驚きのあまり奇声を上げるブルーバロンの男の声がドップラー効果で変化するのを感じる。
「お前らも一時撤退だー! 逃げろー!!」
周囲からツッコミが入るも、彼らも一目散で逃げ出した。
「おいぃぃいいいいいいー!」
そもそもデフォルトでモンスターの方がHPや身体能力も高い様なゲームで、周囲を囲まれながら戦って勝てるのはもうモンスターの配置や攻略法が魂に刻まれるレベルでやりこんだ2周目主人公とか何だよ!
そんで俺は2周目のゲーム主人公じゃ無い!!
「ウッキャァアア!」
進行を阻む様にメカエイプが俺の行くてを阻む様に立ち塞がった。この場で倒せと言われた全然、余裕で無理だが、通り抜けるだけなら何とかなる。
「トンズラァ!」
発声によってスキルを発動する。プレイヤーの敏捷値に比例する距離を急速に移動する逃走用のスキルだ。移動距離を調整できない上に発動後は慣性が消えるからマジで逃げる時ぐらいにしか使えない。
これを強襲用スキルとして使っているアニーちゃんはやっぱり頭おかしいよな。いや別にこのスキルとか関係なく頭はおかしいんだけど。
「さて、俺らも始めるか」
俺たちがアニーちゃんから攻略を託されたエリアは、この海辺に面した工業地帯だ。
眼前に広がるのは、錆び付いた鉄塔とコンクリート建物が交互に立ち並ぶ、鉄とコンクリートの森だ。そのダークグレイの姿が海の水面に映り込むと、不気味ながらも幻想的な雰囲気を醸し出していた。
「それじゃあまぁ、とりあえず全員で周りを警戒しながらゆっくり進もうぜ」
俺に預けられた部隊"ブルーバロン"は、PVPを志向するプレイヤー達で構成されている。レッドバロンとの違いは、彼らがPKその物を目的にしているのに対して、俺たちは"真剣勝負"を目的にPKをする所だ。
何でもありの戦いならレッドバロンの方が優勢だろうが、純粋な戦闘能力で言えばブルーバロンの方が有利だ。
「ゴングマンさん! モンスターが動き出しました!」
ブルーバロンの1人が声を上げた。眉をひそめて警戒する彼の指差す方向へ視線を向ける。
「ウッキィ!」
そこには、全身が流線型の黒い金属で覆われた機械仕掛けの猿の様なモンスターが赤い目を輝かせて薙刀を構えていた。頭上に表示された明朝フォントの文字を読み上げる。
「メカエイプ……安直な名前だな」
だが、ここは最高難易度エリアだ。
名前は安くても敵は安く無い。
「うおらぁ!」
メカエイプから放たれた薙刀による一閃に対して金属製のリングで武装した腕の手刀で刃の腹を捉えて弾く。
風間流の技の1つ"白刃弾き"だ。
「こいつ……!」
俺がお返しに回し蹴りを放つと、メカエイプは逸らされた薙刀を地面に刺しながらその薙刀へ飛び乗った。
猿みたいな動きしやがって!
「ウキキャァア!」
メカエイプが薙刀の上から九環刀の様な武器で連撃を放ってくる。ガシャガシャと言う金属音がその場に響いた。
「こんにゃろ!」
斬撃を受けながら殴りかかる。
しかし、メカエイプは巧みに重心を操り攻撃を避け、そのままバク転をする様に薙刀を地面から引き抜きながら掬い上げる様な斬撃を放つ。
「くっそ!」
普通では考えられない様なトリッキーな動きに完全に意表を突かれてもろに攻撃を喰らってしまう。
視線の端に映る自分のHPバーが6割以上、一気に削れた。一度バックステップで距離を取る。
「強い……! いや、まだ有情な方か」
このゲームは、序盤の街を除いてプレイヤーへの配慮をまるで感じない。ダンジョン攻略なんかは何度も死んで覚える事を前提にしている様なバランスをしている。
いや、最初からバランス何て取る気は無いのか。そんな中、最高難易度のダンジョンで直撃を喰らっても即死じゃ無いのはむしろ優しいまであるな。
「やっぱり、俺じゃアニーちゃんの様にはいかねぇよなぁ!」
幻夢境街の闘技場でチャンピオンをやっていた、一応は上位プレイヤーにカウントされる俺ですらこんな感じだ。
普段からまるで無双ゲームでもやっている見たいに初見で攻撃を完璧に回避しつつ致命的な一撃でモンスターとプレイヤーを吹き飛ばすアニーちゃんがいかに化け物なのかヒシヒシと感じる。
これそう言うゲームじゃねぇから!
って言ってやりたい。
「ゴングマンさん! やばいっす!」
ブルーバロンの1人が焦った様子で声を上げる。周囲を見渡すと、次々とメカモンキーが集まってきていた。
「畜生! 容赦ねぇなぁ!」
「ウキャウッキャ!」
眼前のメカモンキーが嬉しそうに九環刀を振り回してガシャガシャと音を立てる。それかぁ!
「どうするっすか?」
「大丈夫だ、こう言う時の為にとっておきの作戦がある」
動揺するブルーバロンのメンバーへ、俺は落ち着いた様子でニヤリと微笑んで彼の肩を優しく叩く。
「さ、流石はゴングマンさんです!」
肩を叩かれた彼は目を輝かせて俺の方を見上げてきた。俺は彼に背中を向けて、作戦を実行に移すべくクラウチングスタートの構えを取った。
「そ、それで作戦って言うのは?」
「……」
「ゴングマンさん?」
俺の意図に気が付かず声をかけるブルーバロンの男を他所に、大きく深呼吸をして、呼吸を整える。
「にぃぃげるんだよぉぉぉぉぉおお!!!」
そのまま脇目も振らずに戦場を駆け抜け、転移したスタート地点へと駆け出していく。
「えぇぇぇぇえええええーー!?!?!!!」
驚きのあまり奇声を上げるブルーバロンの男の声がドップラー効果で変化するのを感じる。
「お前らも一時撤退だー! 逃げろー!!」
周囲からツッコミが入るも、彼らも一目散で逃げ出した。
「おいぃぃいいいいいいー!」
そもそもデフォルトでモンスターの方がHPや身体能力も高い様なゲームで、周囲を囲まれながら戦って勝てるのはもうモンスターの配置や攻略法が魂に刻まれるレベルでやりこんだ2周目主人公とか何だよ!
そんで俺は2周目のゲーム主人公じゃ無い!!
「ウッキャァアア!」
進行を阻む様にメカエイプが俺の行くてを阻む様に立ち塞がった。この場で倒せと言われた全然、余裕で無理だが、通り抜けるだけなら何とかなる。
「トンズラァ!」
発声によってスキルを発動する。プレイヤーの敏捷値に比例する距離を急速に移動する逃走用のスキルだ。移動距離を調整できない上に発動後は慣性が消えるからマジで逃げる時ぐらいにしか使えない。
これを強襲用スキルとして使っているアニーちゃんはやっぱり頭おかしいよな。いや別にこのスキルとか関係なく頭はおかしいんだけど。
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