28 / 67
第5章 火山街決戦編
混戦のボルケニア
しおりを挟む
ラクサスが走りだそうとする直前。店の中に居たユリカがある袋を投げ渡す。
「ラクサスさん。これを使ってください!」
「何だこれ?」
袋を開けると粘土でこねたような球が袋の半分ほどを占めていた。ユリカはそれの効用を説明する。
「あぁ…そういうことね。」
「ラクサスさんなら使いこなせるはずです!」
ユリカはそう言って期待のまなざしを向ける。それを受けてエリスが
「分かったから!早く行くわよ!」
そう言って背中のこうもり型の翼を広げていく。
「あぁ……分かったよ。」
ラクサスは羽と尻尾を広げて飛んでいく。
「それじゃあ行ってくるぜ。ユリカちゃん。」
そう言ってラクサスは飛んで行った。
「させませんよぉ~!」
ノワールが魔法陣を展開してラクサスを魔弾で追尾しようとする。しかしこれにヒビが入った。
「させると思っているのか?」
「フラン・マーガレットぉ~!」
フランは剣で魔法陣を斬ってしまった。魔法陣はまさにガラスのように砕け散った。
「この聖剣デュランダルは魔法を切り裂く。覚悟しろ。」
そうしてフランは剣を構える。その後ろには棍棒を担ぎ、溶岩ゴーレムの背中に乗ったバロンもいる。
「フハハ!フラン嬢!やっちまいやしょうぜ!」
「そうだな。」
そうして二人がノワールに向かっていく。ノワールはラクサスの追撃を諦めて迎撃態勢に入る。
「それで騎士連中が一番暴れてんのはどこなんだ?」
「そんなの分からないわよ!でも先鋒隊はフランさんたちに任せていいようね。」
そうエリスが言っていると街でひときわ高い建物の前でフランの部下と騎士たちが激突しているのが目に入る。悪魔は視力がいいので様子が詳細に目に入るがどうやら近くに子供たちが集まっているようだ。争いに巻き込まれて怯えている。
「ったくもう!この戦場でロリショタに手を出すとか何考えてんのよ隣国は!行くわよラクサス!」
「お前に命令される筋合いはねぇ!てかてめぇ、子どもをロリショタ呼ばわりってそっちの気でもあんのか…」
そうして二人は子供たちの方へ駆け付ける。
「だから!神器の場所を教えろってんだよ!クソガキ!」
大柄な騎士が子供の胸ぐらをつかんでいる。
「しらない!しらないってば!」
「あぁもういい!こいつぶっ殺しちまおうぜ。」
そう言って隣に居た細柄な騎士がそう言い剣を振り上げる。
「騎士様!どうか愚息の命だけは!」
「黙れ雑魚愚民が!魔族に魂売ってるような国に人様同様の人権があると思うな!心配しなくともすぐ送ってやる!地獄が寂しくないな!!」
「待ちなさい!」
エリスがそう叫びながら上空から落ちて来た。
「何?!」
大柄な騎士が何か言おうとするもすかさずエリスが首筋に噛みつく。
「うがが!」
大柄な騎士が抵抗するものの、万力のように固定されて動かないどころか騎士の身体を抱きしめてくるので余計拘束が酷い。
「ジェ、ジェームズ!早く解放しろ!」
そう大柄な騎士が言うので細い騎士が剣を構えて切りかかるもそれは逆に地面に防がれる。
「え?」
見ると地面が変形し巨大なゴーレムを形作っているではないか。
ラクサスは上空に浮遊しながら右手の袋を見た。
「簡易ゴーレムの核ねぇ~。面白いなこの丸薬。ユリカも凄いものを仕入れたな。」
ラクサスが持っているのは簡易ゴーレムの核である。これは簡易的な効果だが、ゴーレムをいつでもどこでも生み出せるものであり、災害現場などで非常に重宝する。魔力を粘土玉に込めるだけで発動し周囲の者を飲み込めるので非常に役に立つ。
『ゴシュジンサマ…』
「あぁ。そうか召喚したんで命令しないとな。とりあえずそこらの子どもたちを守ってくれ。」
『コドモタチマモル…』
ラクサスがそう指示するとゴーレムは騎士たちを巨腕で振り払った。
「ぎゃああああ!なんだこの怪力!」
細い騎士が困惑していると大柄な騎士がやって来た。
「‥‥‥」
「あ!お前!何とかしてく…」
細い騎士が何か言いかけたところで大柄な騎士が頸を絞めてくる。
「お、おめぇ何で…」
困惑する騎士が良く見てみると目に光が無いし赤くなっている。これは…
「ハァ…ハァ…おっさんの血なんて飲むもんじゃないわね。吸血して眷族にはできたけど……」
そう、エリスが眷族にしてしまったのだ。眷族にするというのはすなわち、従者のような扱いである。
「さぁもっと眷族を増やすわよ!ラクサスも手伝って!」
「ったく待ってろ。今新戦力が来る予定だからよ。」
そうラクサスが上空で寝ていると奥から音がした。
「ほぉ、てめぇら!よくも俺の部下たちをコケにしてくれたなぁ!」
そこに来たのは龍に乗った騎士であった。
「ラクサスさん。これを使ってください!」
「何だこれ?」
袋を開けると粘土でこねたような球が袋の半分ほどを占めていた。ユリカはそれの効用を説明する。
「あぁ…そういうことね。」
「ラクサスさんなら使いこなせるはずです!」
ユリカはそう言って期待のまなざしを向ける。それを受けてエリスが
「分かったから!早く行くわよ!」
そう言って背中のこうもり型の翼を広げていく。
「あぁ……分かったよ。」
ラクサスは羽と尻尾を広げて飛んでいく。
「それじゃあ行ってくるぜ。ユリカちゃん。」
そう言ってラクサスは飛んで行った。
「させませんよぉ~!」
ノワールが魔法陣を展開してラクサスを魔弾で追尾しようとする。しかしこれにヒビが入った。
「させると思っているのか?」
「フラン・マーガレットぉ~!」
フランは剣で魔法陣を斬ってしまった。魔法陣はまさにガラスのように砕け散った。
「この聖剣デュランダルは魔法を切り裂く。覚悟しろ。」
そうしてフランは剣を構える。その後ろには棍棒を担ぎ、溶岩ゴーレムの背中に乗ったバロンもいる。
「フハハ!フラン嬢!やっちまいやしょうぜ!」
「そうだな。」
そうして二人がノワールに向かっていく。ノワールはラクサスの追撃を諦めて迎撃態勢に入る。
「それで騎士連中が一番暴れてんのはどこなんだ?」
「そんなの分からないわよ!でも先鋒隊はフランさんたちに任せていいようね。」
そうエリスが言っていると街でひときわ高い建物の前でフランの部下と騎士たちが激突しているのが目に入る。悪魔は視力がいいので様子が詳細に目に入るがどうやら近くに子供たちが集まっているようだ。争いに巻き込まれて怯えている。
「ったくもう!この戦場でロリショタに手を出すとか何考えてんのよ隣国は!行くわよラクサス!」
「お前に命令される筋合いはねぇ!てかてめぇ、子どもをロリショタ呼ばわりってそっちの気でもあんのか…」
そうして二人は子供たちの方へ駆け付ける。
「だから!神器の場所を教えろってんだよ!クソガキ!」
大柄な騎士が子供の胸ぐらをつかんでいる。
「しらない!しらないってば!」
「あぁもういい!こいつぶっ殺しちまおうぜ。」
そう言って隣に居た細柄な騎士がそう言い剣を振り上げる。
「騎士様!どうか愚息の命だけは!」
「黙れ雑魚愚民が!魔族に魂売ってるような国に人様同様の人権があると思うな!心配しなくともすぐ送ってやる!地獄が寂しくないな!!」
「待ちなさい!」
エリスがそう叫びながら上空から落ちて来た。
「何?!」
大柄な騎士が何か言おうとするもすかさずエリスが首筋に噛みつく。
「うがが!」
大柄な騎士が抵抗するものの、万力のように固定されて動かないどころか騎士の身体を抱きしめてくるので余計拘束が酷い。
「ジェ、ジェームズ!早く解放しろ!」
そう大柄な騎士が言うので細い騎士が剣を構えて切りかかるもそれは逆に地面に防がれる。
「え?」
見ると地面が変形し巨大なゴーレムを形作っているではないか。
ラクサスは上空に浮遊しながら右手の袋を見た。
「簡易ゴーレムの核ねぇ~。面白いなこの丸薬。ユリカも凄いものを仕入れたな。」
ラクサスが持っているのは簡易ゴーレムの核である。これは簡易的な効果だが、ゴーレムをいつでもどこでも生み出せるものであり、災害現場などで非常に重宝する。魔力を粘土玉に込めるだけで発動し周囲の者を飲み込めるので非常に役に立つ。
『ゴシュジンサマ…』
「あぁ。そうか召喚したんで命令しないとな。とりあえずそこらの子どもたちを守ってくれ。」
『コドモタチマモル…』
ラクサスがそう指示するとゴーレムは騎士たちを巨腕で振り払った。
「ぎゃああああ!なんだこの怪力!」
細い騎士が困惑していると大柄な騎士がやって来た。
「‥‥‥」
「あ!お前!何とかしてく…」
細い騎士が何か言いかけたところで大柄な騎士が頸を絞めてくる。
「お、おめぇ何で…」
困惑する騎士が良く見てみると目に光が無いし赤くなっている。これは…
「ハァ…ハァ…おっさんの血なんて飲むもんじゃないわね。吸血して眷族にはできたけど……」
そう、エリスが眷族にしてしまったのだ。眷族にするというのはすなわち、従者のような扱いである。
「さぁもっと眷族を増やすわよ!ラクサスも手伝って!」
「ったく待ってろ。今新戦力が来る予定だからよ。」
そうラクサスが上空で寝ていると奥から音がした。
「ほぉ、てめぇら!よくも俺の部下たちをコケにしてくれたなぁ!」
そこに来たのは龍に乗った騎士であった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【マグナギア無双】チー牛の俺、牛丼食ってボドゲしてただけで、国王と女神に崇拝される~神速の指先で戦場を支配し、気づけば英雄でした~
月神世一
ファンタジー
「え、これ戦争? 新作VRゲーじゃなくて?」神速の指先で無自覚に英雄化!
【あらすじ紹介文】
「三色チーズ牛丼、温玉乗せで」
それが、最強の英雄のエネルギー源だった――。
日本での辛い過去(ヤンキー客への恐怖)から逃げ出し、異世界「タロウ国」へ転移した元理髪師の千津牛太(22)。
コミュ障で陰キャな彼が、唯一輝ける場所……それは、大流行中の戦術ボードゲーム『マグナギア』の世界だった!
元世界ランク1位のFPS技術(動体視力)× 天才理髪師の指先(精密操作)。
この二つが融合した時、ただの量産型人形は「神速の殺戮兵器」へと変貌する!
「動きが単調ですね。Botですか?」
路地裏でヤンキーをボコボコにしていたら、その実力を国王に見初められ、軍事用巨大兵器『メガ・ギア』のテストパイロットに!?
本人は「ただのリアルな新作ゲーム」だと思い込んでいるが、彼がコントローラーを握るたび、敵国の騎士団は壊滅し、魔王軍は震え上がり、貧乏アイドルは救われる!
見た目はチー牛、中身は魔王級。
勘違いから始まる、痛快ロボット無双ファンタジー、開幕!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる