49 / 67
第7章 闇の商会編
襲撃を受ける旅芸人
しおりを挟む
ラクサスはローシァの屋敷を出た後しばらく街をポチと歩いていた。(当然首には首輪を付けてあるわけだが)
「それにしても、酔草ねぇ…そんな治安の悪いものがあったんだなぁ。」
ラクサスは薬学に対する学がないせいでその手の知識は少ない。
(魔女とかならまぁ知ってるんだろうけどさ…)
そんなことを思いながらラクサスはしばらく歩いていたがふと街から外れた山道に出ていたことに気付いた。
するとどこからか
「ウワーッ!助けてくれ~!」
と言う助けを求める男性の声が聞こえてくる。
流石のラクサスと言えど自領内での被害は避けたい。
「ったく!行くぞポチ!」
ラクサスはポチに跨ると一気に加速しそのまま空を飛んで行った。
ラクサスが着いた先には3頭の狼が集まっていた。いや狼とはいっても一般的な狼とは違い大きく更に集団で襲撃してくるような狡猾さも併せ持つ魔物である。狼たちがこの男を襲撃しようとしている。
「なんだ。襲撃か…」
現に狼が吼える先ではその向こうではある男が棒を振り回して応戦している。
「しっ!しっ!こっちに来るな!」
しかし多勢に無勢、じりじりと狼たちは男を追い詰めていく。」
そしてその牙が男に突き刺さろうとした刹那。ラクサスが吼えた。
「従え魔物ども!俺が主人だ!」
するとピタッと狼たちの動きが止まる。
「グルルルル」
狩りを妨害された狼が低い声でうなるがラクサスの魔力には遠く及ばずひっくり返って腹を見せた。何度目かの服従の儀だ。そのまま狼たちは反転するとラクサスの方を向いて座った。
命を助けられた男はラクサスに駆け寄ると大声で感謝の気持ちを述べた。
「ありがとうございます!通りすがりの騎士様!」
「いや…別にそんなことありますけどね。魔物仲間にするのが俺の職分なんで。」
「いえいえ。助かりますよ。生憎現在護衛を連れ歩いてはいないもので…」
「あぁ…この狼たちはめちゃくちゃ警戒心が強くて、悪意がある奴とか見慣れない奴にすぐ襲撃かけてくるんすよ。気を付けてくださいね。」
ラクサスがそう踵を返そうとしたとき、男の首から何か握りこぶしほどのものが下がっているのが見える。よく見るとそれは笛であった。
「笛?演奏でもするんですか?」
そうラクサスが尋ねると男は慌てた顔をして。
「へい。私はアムドと申すもので職業は旅芸人をしておりましてね。笛を吹いて生計を立てております。それで今回は用事があってアルファ王国の方に伺うのですよ。」
変わった人もいるものだなぁとラクサスが思っていると、アムドは腕時計を見て慌てる。
「おっといけない、約束の時間に遅れてしまう。」
「約束?どこかでステージに立たれるのか?」
「ま、まぁそんなもんです。急がねばなりません。」
そう言ってアムドは走ってフリージアに下りて行った。
ラクサスは向き直ると向こうには狼が3頭いる。
「さてと…お前らも加わったかぁ…」
「グルルル!」
急なことであるとは言え、ラクサスはこの狼たちの面倒も見ることになってしまった。
「ったく…ウチに住むのは高いからな?」
そう言ってラクサスがポチに乗って走ると。それに健脚で走ってついて行く。ラクサスはそんなに早いスピードで走っているわけではないがあの狼たちは汗一つかかず主人と見なしたラクサスについてきている。さすが魔物と言うところだ。
「お前らなら牧羊犬を任せられそうだな!」
ラクサスはそう叫びながら自宅へ帰っていった。
「お前らの名前はだなぁ…デカいのからタロウ、ジロウ、サブロウだ!」
ラクサスは人間だった時に映画かどこかで聞いたような犬の名前を参考にして作ったその名前を呼んだ。
「「「ワオォォン」」」
ラクサスのその声に共鳴したのか3頭の狼は空に向かって咆えた。
「それにしても、酔草ねぇ…そんな治安の悪いものがあったんだなぁ。」
ラクサスは薬学に対する学がないせいでその手の知識は少ない。
(魔女とかならまぁ知ってるんだろうけどさ…)
そんなことを思いながらラクサスはしばらく歩いていたがふと街から外れた山道に出ていたことに気付いた。
するとどこからか
「ウワーッ!助けてくれ~!」
と言う助けを求める男性の声が聞こえてくる。
流石のラクサスと言えど自領内での被害は避けたい。
「ったく!行くぞポチ!」
ラクサスはポチに跨ると一気に加速しそのまま空を飛んで行った。
ラクサスが着いた先には3頭の狼が集まっていた。いや狼とはいっても一般的な狼とは違い大きく更に集団で襲撃してくるような狡猾さも併せ持つ魔物である。狼たちがこの男を襲撃しようとしている。
「なんだ。襲撃か…」
現に狼が吼える先ではその向こうではある男が棒を振り回して応戦している。
「しっ!しっ!こっちに来るな!」
しかし多勢に無勢、じりじりと狼たちは男を追い詰めていく。」
そしてその牙が男に突き刺さろうとした刹那。ラクサスが吼えた。
「従え魔物ども!俺が主人だ!」
するとピタッと狼たちの動きが止まる。
「グルルルル」
狩りを妨害された狼が低い声でうなるがラクサスの魔力には遠く及ばずひっくり返って腹を見せた。何度目かの服従の儀だ。そのまま狼たちは反転するとラクサスの方を向いて座った。
命を助けられた男はラクサスに駆け寄ると大声で感謝の気持ちを述べた。
「ありがとうございます!通りすがりの騎士様!」
「いや…別にそんなことありますけどね。魔物仲間にするのが俺の職分なんで。」
「いえいえ。助かりますよ。生憎現在護衛を連れ歩いてはいないもので…」
「あぁ…この狼たちはめちゃくちゃ警戒心が強くて、悪意がある奴とか見慣れない奴にすぐ襲撃かけてくるんすよ。気を付けてくださいね。」
ラクサスがそう踵を返そうとしたとき、男の首から何か握りこぶしほどのものが下がっているのが見える。よく見るとそれは笛であった。
「笛?演奏でもするんですか?」
そうラクサスが尋ねると男は慌てた顔をして。
「へい。私はアムドと申すもので職業は旅芸人をしておりましてね。笛を吹いて生計を立てております。それで今回は用事があってアルファ王国の方に伺うのですよ。」
変わった人もいるものだなぁとラクサスが思っていると、アムドは腕時計を見て慌てる。
「おっといけない、約束の時間に遅れてしまう。」
「約束?どこかでステージに立たれるのか?」
「ま、まぁそんなもんです。急がねばなりません。」
そう言ってアムドは走ってフリージアに下りて行った。
ラクサスは向き直ると向こうには狼が3頭いる。
「さてと…お前らも加わったかぁ…」
「グルルル!」
急なことであるとは言え、ラクサスはこの狼たちの面倒も見ることになってしまった。
「ったく…ウチに住むのは高いからな?」
そう言ってラクサスがポチに乗って走ると。それに健脚で走ってついて行く。ラクサスはそんなに早いスピードで走っているわけではないがあの狼たちは汗一つかかず主人と見なしたラクサスについてきている。さすが魔物と言うところだ。
「お前らなら牧羊犬を任せられそうだな!」
ラクサスはそう叫びながら自宅へ帰っていった。
「お前らの名前はだなぁ…デカいのからタロウ、ジロウ、サブロウだ!」
ラクサスは人間だった時に映画かどこかで聞いたような犬の名前を参考にして作ったその名前を呼んだ。
「「「ワオォォン」」」
ラクサスのその声に共鳴したのか3頭の狼は空に向かって咆えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた
季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】
気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。
手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!?
傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。
罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚!
人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【マグナギア無双】チー牛の俺、牛丼食ってボドゲしてただけで、国王と女神に崇拝される~神速の指先で戦場を支配し、気づけば英雄でした~
月神世一
ファンタジー
「え、これ戦争? 新作VRゲーじゃなくて?」神速の指先で無自覚に英雄化!
【あらすじ紹介文】
「三色チーズ牛丼、温玉乗せで」
それが、最強の英雄のエネルギー源だった――。
日本での辛い過去(ヤンキー客への恐怖)から逃げ出し、異世界「タロウ国」へ転移した元理髪師の千津牛太(22)。
コミュ障で陰キャな彼が、唯一輝ける場所……それは、大流行中の戦術ボードゲーム『マグナギア』の世界だった!
元世界ランク1位のFPS技術(動体視力)× 天才理髪師の指先(精密操作)。
この二つが融合した時、ただの量産型人形は「神速の殺戮兵器」へと変貌する!
「動きが単調ですね。Botですか?」
路地裏でヤンキーをボコボコにしていたら、その実力を国王に見初められ、軍事用巨大兵器『メガ・ギア』のテストパイロットに!?
本人は「ただのリアルな新作ゲーム」だと思い込んでいるが、彼がコントローラーを握るたび、敵国の騎士団は壊滅し、魔王軍は震え上がり、貧乏アイドルは救われる!
見た目はチー牛、中身は魔王級。
勘違いから始まる、痛快ロボット無双ファンタジー、開幕!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる