26 / 84
第3章
第26話 鳳凰・コア
しおりを挟むその翼は金色に輝き、異常に発達した足を備え、長い尾羽はそれぞれ黒、白、赤、青、黄の束にまとまり光っている。
嘴は短いが非常に鋭く、鶏冠は尾羽同様5色の長い房が伸びている。
何よりも、その姿は神々しかった。
「『ほ、ほへぇ~……!?』」
「『わぁ~……ピカピカで大きいねぇ~……』」
「『かわいくないですわん』」
1人だけ冷静なやつがいるわん。
「これは……コケヒヨコ?」
「『――はっ!? い、いえ……彼の者は鳳凰・コア……鳳凰!?』」
「『伝説上の存在ですわん! まさか実在したとは……わん』」
「『前のゴーレムと同じくらい大きいよぉ~!』」
鳳凰、か。ダンジョンが伝説を模して創造したのか、実在するモデルがいるのかはわからない。
ただ1つ言えることは、その鋭い目が俺を睨みつけているってこと!
「『ブラックハイネス!』」
フランがくれたもう1つの贈り物。真っ黒で太い、無骨なその剣を、魔力を込めて構える!
「『凜音様! 『ブラックハイネス』は魔力を込めるごとにどんどん硬質化されます! ついでに魔力を飛ばせます! わん!』」
「ああ!」
前回のゴーレムを倒した時に貰った『魔鉄』。
その特性は、魔力を込めると硬くなるというもので、巨大なコア・ビーストと戦うために耐久力を追求してくれたらしい。その分切れ味は落ちるようだが。ついでに魔力を飛ばせるらしい。
「……クケェェェェーーーンッッ!!!」
「くっ!」
耳をつんざく大きな鳴き声とともに鳳凰が光を纏う!
「『あれは能力向上スキルと思われますわ!』」
「バフか!」
鳳凰っぽいっちゃ鳳凰っぽい!
「ケェェェ!」
「あれは……?」
そして鳳凰が大きく空中で羽ばたき出す! 同時に突風のような風が吹いていくつもの羽がこちらに殺到する!
「『羽を風魔法に乗せて飛ばしてきてるよ! 凛ちゃん!』」
「大丈夫! ブラックハイネス!」
「『はやっ! 目で追えないんですけど! わん!』」
無数の羽を、新しい剣で全て叩き落とす。うん、手に馴染むしいい感じ!
「このまま……くらえー!」
羽を全て叩き落としたのを確認、魔力が飛ぶという性能を試させてもらう!
気合を込めて振り抜くと、魔力が白い光となって鳳凰に向かって飛んでいった!
「『これぞフランチックリオンブレードですわ!』」
「『聖母慈愛飛翔剣だよ~!』」
「『……オラオラリオンサマフライングソード……わん』」
何その技名……全部却下だよ……。
「クケッ!? ケェェェェ!!!」
「よしっ! やったか!」
魔力の斬撃は鳳凰を斜めに両断! そこで俺ははたと気づく。
俺は今……何と言った?
「『バカぁーーー! 何でそのセリフを言っちゃうのよぉーーー!!!』」
「いやいやまさか……敵は真っ二つ――」
「ケェ……クケェェエエエエエーーーンッ!!!」
そのまさかだ、とでも言うように……鳳凰の体が光りに包まれたと思ったら体が元通りになってしまった!
「『すさまじい生命力に回復力ですわ……! こんなのどうやって……』」
「見てあれ! 魔法を使おうとしてる! あれはまずそうだよぉ~……」
見ると鳳凰の周囲で膨大な魔力が渦巻き、魔法陣のようなものに集まっている。
「ケェーーー!」
「ありゃまずそうだ……ブラックハイネス!」
魔力を飛ばしてみるが、しかしそれすらも吸収されてしまう。
「ちっ!」
こうなったら素早く移動して撹乱するしかない。ゴーレムもそうだったが、巨大なコア・ビーストにしたら人間サイズの相手を見つけるのなんて難しいだろう。
「ケェーーーンッ!」
やがて鳳凰の魔力チャージが終わりを告げ……一筋の光が轟音と共に放たれた!
「――っ!」
一瞬前にいた場所の周囲が吹き飛び……焦げてる!?
「ぐっ!」
「クルルルルッ!」
確認する間もなく、鳳凰から放たれているレーザーがそのまま俺に追従するように迫ってくる!
ゴーレムと違って魔法の扱いがうまい!
「――なっ!」
それでも走り回っていたが……足元を滑らせてしまった。
「ガラス……!? 熱で!?」
そしてレーザーが……!
「ぐああああぁぁぁぁ!」
熱い熱い熱い! 体が燃えるっ!?
「『凜音様っ!?』
「『いやぁああああ凜音様ぁっ!』」
フラン……!
「ブラック……ハイネェェェスッ!」
「クケッ!?」
レーザーを剣で受け、切り裂く。
そしてそのままの勢いで鳳凰に肉薄する!
「――ッ! ケェェェ!」
「逃すか!」
上空へと距離を取ろうとした鳳凰、しかし俺の方が早い!
首筋に剣を突き刺し必死にしがみつく!
「死ねっ! 何度も蘇るなら……何度でも死ねっ!」
「グゲェッ!?」
頭を拳で粉砕するが、すぐさま再生。また頭を砕き、再生。延々と続くかも知れない攻防。
しかしいくら鳳凰でも、魔力は無限じゃないだろ!
「ケェェェ!」
「――こいつ……!」
先ほどよりは小規模だが、同じような魔力が展開される。自分ごとやるつもりか!
「そうはさせるか!」
何度頭を砕いても、しかし止まらない魔力の脈動!
「こいつ! いや……そう言えば……!」
剣の刺さってる場所は再生していない。いつか排出されるかと思っていたが……これはもしかして!
「再生される場所に異物があったら……どうする!」
「――ッ!?」
頭があった場所、そこに『収納』から取り出した大きめのゴーレムの残骸をブッ刺す! どうだ、ゴーレムと鳳凰のキメラだぞ!
「――ッ! ――ッ!?」
再生することができず身じろぐ鳳凰、やがて力尽きたかのように……地に落ちた。
6
あなたにおすすめの小説
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
↓
PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる