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第15話 対面
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(なんなんだ今の状況は……。なんで俺はいまこんなところにいるんだ? わからない……。女子って難しすぎるだろ! 早く返事が聞きたい)
「あっ、伊庭くん、ここだよ」
そんなことを考えていると目的に着いたようで俺たちは電車から降りた。看板をみると『長池駅』と書かれていた。以前通過したことはあるが降りるのは初めてだった。確かここは八王子市だ。
ここに来るまで何度か電車を乗り継いでいた。学校を出てからすでに1時間以上立っている。
電車の中では、普段の生活と同じように高校のことや、好きな映画の話などで盛り上がった。不思議と先程、告白した話は話題にならなかった。俺としては早く返事が聞きたいのだが、なかなかそんな空気にならず尋ねることができなかった。
駅から出るとそこは駅前とは思えないほど閑散としていた。
俺は藤野さんの案内で暗い道を二人で歩いて行く。周りには田んぼや畑が広がっていて、今歩いている道のすぐ横には細い水路が流れていた。高校がある練馬とは明らかに景色が違っていた。
「ずっと気になっていたんだけどさ、今ってどこに向かってるの?」
「ごめん! 言わなかったっけ? 私の家だよ」
「そ、そうなんだ……」
薄々想像はしていたがやはり家に向かっていたようだ。だけど、なぜ俺も連れてきたのか理由がわからなかった。
(もしかして、もう両親に挨拶するのか? それはさすがに早すぎるんじゃないか!? でも前に実家は神社だって言ってたよな。付き合うにあたり特殊な決まりやしきたりでもあるのかな……)
思っても見なかった展開に俺は焦ってしまう。細い道を進んでいった先に神社の鳥居が見えてきた。
鳥居の前まで来ると、藤野さんは足を止め、俺をまっすぐ見つめてきた。あたりは薄暗いが近くに街灯があるため藤野さんの顔はよく見える。
「私も伊庭くんが好きだよ」
「えっ!?」
突然言われたため、変な声が出てしまった。
「私は入学してから、すぐ好きになったんだ。だから、さっき伊庭くんに告白されて、すっごく嬉しかった」
(まじか。あぁ。こんな幸せなことってあるんだな。真面目に生きてきてよかった……)
藤野さんの言葉を聞いて、俺は未だかつて味わったことがない大きな喜びを感じていた。正直もし今、日本で最恐と言われるホラースポットに強制的に連れて行かれて置き去りにされたとしても一晩中笑ってられる自信があった。
大好きな人と両思いになること以上に幸せなことなんて果たしてあるのだろうか。そんなことを柄にもなく考えてしまうほど、心が幸せで満たされていた。
「あの……、ありがとう。俺も、めちゃくちゃ嬉しいよ。ずっと好きだったから……」
「えへへ、良かった。これで両思いだね!」
藤野さんは屈託のない笑顔を浮かべた。その顔があまりに可愛すぎて俺はドキドキしてしまう。女神なんじゃないかと錯覚するほどだ。
「だけど付き合うかどうかはこの後の話を聞いてから伊庭くんが決めて」
「えっ!?」
しかし、次に藤野さんが口にした言葉を聞いて俺は現実に引き戻された。
「ちょっと合わせたい人がいるんだ! 着いてきて!」
そう口にすると藤野さんは鳥居をくぐり、おそらく境内に続いてるであろう階段を登って行った。
今までに読んできた漫画や見てきた映画やドラマの知識をフル動員して俺はこれから先の展開を予想する。
藤野さんの言葉から考えると、一つの展開しか思いつかなかった。
(これ絶対なんか付き合うための条件とかしきたりがあるやつだぁー!! 頑固なお父さんとお母さんに詰められるんだろうなきっと!! でもそれでもいいや! 俺は藤野さんが大好きなんだ! 一緒にいられるならどんな条件でものもう!!)
俺は厳しい未来を想像したが、全てを耐え抜く決意を固めた。藤野さんに遅れないように階段を登って行った。
境内に入ると、藤野さんは本殿の近くに達、少し古びた建物に向かって歩いていく。あそこが自宅なのだろうか。
慌てて着いていくと、境内の脇に生えている一本の樹齢が何百年もありそうな大きな御神木から、凄く嫌な気配を感じた。しかし、今はそれどころではない。俺は何も言わずに藤野さんの後を歩いて行った。
建物に入ると俺はすぐに通路の奥にある和室に通された。そこは客間なのだろうか、畳の上に正方形の形をした座卓が置かれていた。俺が座布団の上に正座すると、藤野さんがお茶を持ってきてくれた。
俺の前には座卓テーブルが置かれており、テーブルの向こう側に藤野さんが座っている。
「いいよー」
藤野さんが誰かに声をかけた。
これはもう明らかに両親と対面する流れだ。俺はかなり緊張してしまっていた。背中の辺りに冷や汗をかいているのがわかる。流石に高校一年生の俺にはまだ両親との対面は難易度が高すぎるだろう。
(どうしよう。お父さんとお母さんに猛反対されたら……。いや、しっかりしろよ俺! 好きな人の前で情けない姿は見せられないぞ!!)
俺は迫り来る両親との対面に備えて覚悟を決め、居住まいを正した。
しかし、扉を開けて入って来たのは藤野さんだった。
「あっ、伊庭くん、ここだよ」
そんなことを考えていると目的に着いたようで俺たちは電車から降りた。看板をみると『長池駅』と書かれていた。以前通過したことはあるが降りるのは初めてだった。確かここは八王子市だ。
ここに来るまで何度か電車を乗り継いでいた。学校を出てからすでに1時間以上立っている。
電車の中では、普段の生活と同じように高校のことや、好きな映画の話などで盛り上がった。不思議と先程、告白した話は話題にならなかった。俺としては早く返事が聞きたいのだが、なかなかそんな空気にならず尋ねることができなかった。
駅から出るとそこは駅前とは思えないほど閑散としていた。
俺は藤野さんの案内で暗い道を二人で歩いて行く。周りには田んぼや畑が広がっていて、今歩いている道のすぐ横には細い水路が流れていた。高校がある練馬とは明らかに景色が違っていた。
「ずっと気になっていたんだけどさ、今ってどこに向かってるの?」
「ごめん! 言わなかったっけ? 私の家だよ」
「そ、そうなんだ……」
薄々想像はしていたがやはり家に向かっていたようだ。だけど、なぜ俺も連れてきたのか理由がわからなかった。
(もしかして、もう両親に挨拶するのか? それはさすがに早すぎるんじゃないか!? でも前に実家は神社だって言ってたよな。付き合うにあたり特殊な決まりやしきたりでもあるのかな……)
思っても見なかった展開に俺は焦ってしまう。細い道を進んでいった先に神社の鳥居が見えてきた。
鳥居の前まで来ると、藤野さんは足を止め、俺をまっすぐ見つめてきた。あたりは薄暗いが近くに街灯があるため藤野さんの顔はよく見える。
「私も伊庭くんが好きだよ」
「えっ!?」
突然言われたため、変な声が出てしまった。
「私は入学してから、すぐ好きになったんだ。だから、さっき伊庭くんに告白されて、すっごく嬉しかった」
(まじか。あぁ。こんな幸せなことってあるんだな。真面目に生きてきてよかった……)
藤野さんの言葉を聞いて、俺は未だかつて味わったことがない大きな喜びを感じていた。正直もし今、日本で最恐と言われるホラースポットに強制的に連れて行かれて置き去りにされたとしても一晩中笑ってられる自信があった。
大好きな人と両思いになること以上に幸せなことなんて果たしてあるのだろうか。そんなことを柄にもなく考えてしまうほど、心が幸せで満たされていた。
「あの……、ありがとう。俺も、めちゃくちゃ嬉しいよ。ずっと好きだったから……」
「えへへ、良かった。これで両思いだね!」
藤野さんは屈託のない笑顔を浮かべた。その顔があまりに可愛すぎて俺はドキドキしてしまう。女神なんじゃないかと錯覚するほどだ。
「だけど付き合うかどうかはこの後の話を聞いてから伊庭くんが決めて」
「えっ!?」
しかし、次に藤野さんが口にした言葉を聞いて俺は現実に引き戻された。
「ちょっと合わせたい人がいるんだ! 着いてきて!」
そう口にすると藤野さんは鳥居をくぐり、おそらく境内に続いてるであろう階段を登って行った。
今までに読んできた漫画や見てきた映画やドラマの知識をフル動員して俺はこれから先の展開を予想する。
藤野さんの言葉から考えると、一つの展開しか思いつかなかった。
(これ絶対なんか付き合うための条件とかしきたりがあるやつだぁー!! 頑固なお父さんとお母さんに詰められるんだろうなきっと!! でもそれでもいいや! 俺は藤野さんが大好きなんだ! 一緒にいられるならどんな条件でものもう!!)
俺は厳しい未来を想像したが、全てを耐え抜く決意を固めた。藤野さんに遅れないように階段を登って行った。
境内に入ると、藤野さんは本殿の近くに達、少し古びた建物に向かって歩いていく。あそこが自宅なのだろうか。
慌てて着いていくと、境内の脇に生えている一本の樹齢が何百年もありそうな大きな御神木から、凄く嫌な気配を感じた。しかし、今はそれどころではない。俺は何も言わずに藤野さんの後を歩いて行った。
建物に入ると俺はすぐに通路の奥にある和室に通された。そこは客間なのだろうか、畳の上に正方形の形をした座卓が置かれていた。俺が座布団の上に正座すると、藤野さんがお茶を持ってきてくれた。
俺の前には座卓テーブルが置かれており、テーブルの向こう側に藤野さんが座っている。
「いいよー」
藤野さんが誰かに声をかけた。
これはもう明らかに両親と対面する流れだ。俺はかなり緊張してしまっていた。背中の辺りに冷や汗をかいているのがわかる。流石に高校一年生の俺にはまだ両親との対面は難易度が高すぎるだろう。
(どうしよう。お父さんとお母さんに猛反対されたら……。いや、しっかりしろよ俺! 好きな人の前で情けない姿は見せられないぞ!!)
俺は迫り来る両親との対面に備えて覚悟を決め、居住まいを正した。
しかし、扉を開けて入って来たのは藤野さんだった。
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