発情監禁ルーム - 発熱オメガはスパダリ隊長の番にされる -

雪兎

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第18話 閉ざされた日々の終わりと、新たな試練

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「カイル、誰か……来てる……?」

レイの問いに、カイルは窓の外を見やりながら頷いた。
遠くでヘリの音が聞こえている。幾度となく待ち望んだ、軍の救助隊だ。

「ようやくだな。俺たちも、外へ出られる」

「……うん」

レイはベッドの上で、薄い毛布に身を包んでいた。
身体はまだαの印の余韻に敏感で、動くたびに疼く。
それでも、ようやく閉鎖空間から解放されるのだという実感が、微かな緊張とともに胸に広がっていく。

しばらくして、ドアが解錠される音が響いた。
防護服に身を包んだ救助隊が現れ、隔離が正式に解除されたことを伝えてくる。

「確認の結果、感染の兆候は見られませんでした。長期の隔離生活、大変でしたね」

「……ありがとうございます」

レイは素直に礼を述べながら、そっとカイルの袖を掴んだ。
孤独のなかで結ばれた、この絆だけは失いたくない。
そんな不安が、言葉にできないほど喉に引っかかっていた。

隔離施設を後にし、軍本部へ戻ったふたりを待っていたのは、想像以上に冷たい現実だった。

「……貴様らの行動は軍規違反だ。隊長職を解任し、配置換えを命じる」

上層部の男たちは、感情を交えず淡々と通告してきた。
カイルの指揮官としての経歴も、レイの所属部隊も、今回の件を境に“処理”される方向で動いている。

「恋愛感情が絡む事態は、部隊の規律を乱す。たとえ番同士であっても、それは同じことだ」

「……そうですか」

カイルは静かに頷いた――だが、その瞳の奥は、レイには見せない何かを決意していた。

「カイル、俺のせいで……」

「違う。これは俺が選んだことだ。お前を選んだ以上、すべてを捨てる覚悟は最初からしていた」

レイの頬に手を添え、まっすぐに見つめるカイル。

「俺は軍を辞める。お前の番として、生きていく」

「……え?」

「俺には、もうお前しかいない。肩書きや地位なんかより、お前と生きることの方が大事だ」

真剣な瞳に射抜かれて、レイの心は激しく揺れる。
これまで拒み続けてきた“番”という絆。
それが今、どれほど温かいものかを――ようやく知った気がした。

「……俺も、あなたと一緒にいたい。どんな形でも……離れたくない」

抱きしめ合ったふたりの間には、もう迷いも、恐れもなかった。
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