「復讐の相手」

著恋凛

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13話

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新たな仲間を加えて3日後の深夜0時ほどに俺は食堂へと来ていた。
「いやぁ、お腹が減って寝付けないな。」
そう言いながら冷蔵庫を探っていると、食堂にもう1人入って来る。
「お、快知。お前も腹が減ったのか?」
「うん。謎に腹が減った。」
お腹を擦りながら、こちらに近づいてくる。
俺は特にいいものが入ってなかった冷蔵庫を閉め、棚を漁る。
「あったあった、夜食と言えばこれ。カップラーメンだよな。快知も食うか?」
そう訊くと首が取れるんじゃないかと思うレベルで頭を振る。
お湯を沸騰させ、注ぐ。机にカップラーメンを置き、椅子に座る。
「気になってたんだけど、どうやってここを作ったんだ?快知。」
快知の能力は触れた相手の能力を無効化する能力。それじゃ、こんなの作れないんだがな。
「ここをどう作ったか?」
椅子に座りながら、問い返してくる。
「ああ。」
「それは僕の新しい能力、“想像”を使ったんだ。見てろよ。」
そう言い、快知は机の上にプラスチック製のコップを作り出した。
「“想像 ”は文字の通り想像した物を作り出す能力だ。ま、作る大きさの物によってはクールタイムがあるけどな。ここ作った時はクールタイムが2週間あったよ。それに作る物の中身とかを理解してなきゃダメだし。」
俺の頭をは1つの疑問が浮かび上がる。
「てか、なんでお前がここ作った時、俺の目を拓人に塞がせた?」
何か発動条件でもあるのかもしれない。拠点の変更も俺は今視野に入れているからな。
発動条件が何か聞いとかなきゃいけない。
「あぁ、あれは、歩希にコピーさせないため。もし、僕のこの能力がコピーされたら、僕の有能さが少し落ちちゃうじゃん。」
それを聞いた瞬間、俺は快知の頭を握っていた。
「痛い痛いよ、歩希。止めてよ。」
このくらいでいいか、と、思った俺は手を離す。てか、こいつさっき俺に能力使う所見せたよな?
「別に俺がお前の能力をコピーしようと、お前の有能さは変わらんよ。大事な仲間だし、こいつは有能、こいつは無能。なんて、順位付けはあんましたくないし。」
そう言うとタイマーが「ぴぴぴ」と鳴り響く。なので、俺らはカップラーメンを食べる。



カップラーメンを食べ終えた俺達はゴミを捨て、歯を磨いて寝ようと思い、洗面台に向かおうとした瞬間、食堂の扉が勢いよく開く。
「師匠!」
入ってきたのはエマ。その両手には俺が渡した2丁のべレッタM9A1にナイフが付けられており、見事銃剣になっていた。自分で作ったのだろう。エマは元FOAと言うこともあり、銃の扱いには慣れているのか、持っていて重そうではない。軽量化したのか?
「師匠、私と戦いましょう!感覚も戻ってきたので、本気で。」
エマの実力も見ていたいし、絶好の機会だろう。
「あぁ、いいぜ。でも、明日な。もう夜遅いし。」




そして今は俺とエマは対面している。
ハロンとは違い銃なので、森の中で戦う。森での戦闘は何気に初めてか?
「師匠、行きますよ!」
そう言うと同時にエマが持っていたべレッタ2丁の銃口から一弾ずつ銃弾が発砲される。弾はもちろんゴム弾、死にはしないけど絶対に痛い。次いでにナイフもゴム製だ。
俺へと一直線に放たれる銃弾を横に回転しながら避ける。そして木陰に隠れる。
どうする?銃剣相手に戦闘は初めてな上に森での戦闘。エマは元秘密警察のFOAだ、弱いはずがない。エマの身体能力はどのくらいだ?銃の腕前は?
自分に課したQuestionにAnswerは出ない。どれだけ考えても出ないと思う。でも、自分の事は分かる。こんな状況下、俺はいつもどうしていた?このQuestionのAnswerは“近接戦”だ。
それが出た瞬間、木陰から一気に飛び出し、エマへの距離を詰める。
銃口を向けられても横に移動しながら近づく。そして俺はレプリカの日本刀を横に振るうが後方にバク宙しながら避けられた。コートの下に付けているチェストホルスターからグロックを取り出し発砲。弾はエマに向かって放たれる。それに対してエマも発砲する。エマが放った弾は俺の弾にあたり、軌道が変わる。
「ははっ、そんな技現実でできる人がいるなんてな。」
「意外と誰でもできますよ。師匠でも鍛えれば出来ると思います。」
後ろに下がったエマを追いかけ、剣を振るうが、今度はナイフで受け止められる。そしてもう一方のナイフを俺の腹に突き立てようとしてきた。俺は大きくバックステップをして避ける。が、それと同時に飛んでくる銃弾。俺は思いっきり身体を捻り、ギリギリで避けた。
このままじゃ、埒が明かないな。
そう思い、俺は持っていたグロックと日本刀は適当に投げる。すると、自然にエマの視線は俺が投げた武器の方に向かう。この技はミスディレクション。技と言っても一般人でもできる。この技は1度だけオーストラリアで夕貴に使ったが、簡単で自然と相手から自分への視線を逸らすことができるから結構強い。
俺はエマに一気に近づく。エマがそれに気づいた時には既に決着が着いていた。懐から瞬時に抜き出したナイフはエマの脇腹に当たっていた。
「はい、俺の勝ち!」
と、言ってもギリギリだった。まぁ、能力無しだったからな。でも、それはエマも同じだけどな。
「流石ですね、師匠。能力を使わずにこれなんて・・・・」
その場に座り込むエマは天を見上げる。俺は投げ捨てた武器を拾いながら、
「エマだって能力使ってないだろ。」
そう言うと、エマはポツリと呟く。
「私は無能力者ですよ。」
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