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12話
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戻ってきた俺らはギャングのボスを適当に壁側に放り投げる。
「武器有り無し、能力有り無し、何でも好きなルールでいいぜ。」
警察と言っても所詮ギャングに取られられる程度、俺が負けるわけがないので、相手の好きなルールにしてやる。負けてぴーぴー騒がれるのもダルいしな。
「なら、能力無しで武器も無し。完全な肉弾戦で勝負しよう。」
「OK、それじゃ、敗北宣言or戦闘不能になった方の勝ちな。準備はいいか?」
さぁ、何分で終わるかな?こっちとしては武器の確保もしたいから早めに終わって欲しいんだけどな。相手の力が未知数な以上予想しようがない。
「さぁ、やろうか。」
ゴツイ男がそう言った刹那、俺は地を蹴り、ゴツイ男の前まで移動する。能力が無いのでそこまで速くはないが、一般人よりは全然速い。
大きく振りかぶり、力を入れると同時に、ゴツイ男の顔面目掛けて一直線に振るわれる左手。
悪いな、はよ終わらせないんだよ。内心そう思っていたが、俺の予想をゴツイ男は遥かに超える。
顔面目掛けて一直線に振るわれた左手をゴツイ男は右手で掴んだのだ。それも眉一つ動かさずに。
少しばかり動揺する俺にゴツイ男は言葉を放つ。
「終わりにしよう。」
そう言い、俺の左手を離すゴツイ男。
「どうしてだ?」
右手をプラプラと力無く振りながら答えるゴツイ男はどこか嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった。
「俺じゃ、お前に勝てない。仲間になるよ。」
俺らの組織は着々と仲間を増やしていく。日本を潰すために。
「よし!これで日本陸上自衛隊能力部隊を壊滅させる仲間が増えた!」
「やったな、師匠。」
そう喜んでいると、ゴツイ男は目を真ん丸にしている。
「え?日本自衛隊能力部隊!?は?聞いてないんだけど・・・」
あれ?言ってなかったっけ?
「まぁ、男ににごんはねぇ。仲間になるよ。俺はアベル・コースター。警察官だ。」
握手を求めてくるので手を握る。そして俺らも自己紹介をした。
「あ、やべ。もう1人居たの忘れてた。俺は助けてくるから、2人は武器庫探しててくんね?」
「了解!」
そして2人は部屋を出ていく。俺は蹴り破った壁の中に戻った。
さっき同様、壁側で体育座りしてる少年。
「悪いな、忘れてた。」
そう言いながら入口を開けた。
「ほい、外じゃ、人が倒れてるけど気にせんでいいから。それじゃ、俺はこれで。」
そして少年に背を向け、俺も武器庫を探そうとしたが、声をかけられた。
「お兄さん。私も仲間に入れて。」
ん?ん?ん?俺は今2つの事に驚いている。一つ目は仲間に入れてと言ったこと。二つ目は声が女の子ってこと。
短髪だったから勝手に男だと思っていた。顔が見えなかったし。
「俺達の組織はとっても危険なんだ。だから、悪いな君を入れることは出来ない。それに親御さんもいるだろ?ここから救ってやったんだから普通の暮らしをしろって。」
高校生ならば、まだ考えたが、中学生だ。流石に仲間には出来ない。この子の親に何か言われるかもしれないしな。
「わかってるよ。お兄さん達はほぼ毎日公園で戦闘訓練?してるよね。でも、私は戦闘経験は皆無。それに私にはもう親も帰る家も無いんだよ。私がここにいるのは親のせいだから。親に売られたからここにいるんだよ。私に出来ることは家事と治療ぐらいしかないけど、どうか・・・どうか私を仲間にしてください。」
頭を下げ、懇願する少女に俺はなるべく優しい声で言う。
「わかった。もし怪我をしたら君に治療してもらうよ。」
ここで見捨てても俺らにデメリットは無いだろう。でも、 このまま野垂れ死にされても胸糞悪いだけだ。
「ありがとうございます。」
そしてもう一度大きく頭を下げる少女。よっぽど嬉しかったのだろう、目じりに涙を貯めている。
「さっき聞いたんですけど、武器庫探しているんですよね?私、武器庫の場所知ってるんで、お連れします!」
「ありがとう、えっと・・・」
この子の名前ってなんだっけ?名前聞いたっけ?
「私はアッシュ・グラード。」
「わかった。ありがとな、アッシュ。」
そして俺らは武器庫に向かう。てか、あの二人は平気かな?
武器庫の前に着いた俺とアッシュ、中からは話し声が聞こえるから既に二人は中にいるのだろう。
俺は武器庫に入る。案の定、二人は武器を見ながら色々と話していた。
「お、戻ってきたか。師匠。」
俺に気づいたハロンがそう言うと同時にアベルもこちらに向く。少し笑みを浮かべながら、
「ハロンから色々聞いたぜ師匠の事や組織の事。」
と、アベルは言ってくる。俺はやはり師匠なのか・・・
そう複雑な気持ちに浸っているとアッシュが俺の前に出る。
「私の名前はアッシュ。本日からお世話になります!ふつつか者ですがよろしくお願いします。」
謎に堂々としながら自己紹介をしたアッシュに向けて拍手を送るハロン達。なんかシュールだ。
「あ、そうだ。見てくれよ師匠、ここにはインカム、チェストホルスターなんかもあるぞ。これで武器が無事手に入るな。でも、銃剣はねぇわ。銃とナイフはあるけど。」
少し幼くなったようにハロンは喜ぶ。それほど組織の進化が嬉しいんだろう。
使える武器をリュックに詰め込み、俺達は新たな仲間を二人連れて拠点へと戻るのだった。
「武器有り無し、能力有り無し、何でも好きなルールでいいぜ。」
警察と言っても所詮ギャングに取られられる程度、俺が負けるわけがないので、相手の好きなルールにしてやる。負けてぴーぴー騒がれるのもダルいしな。
「なら、能力無しで武器も無し。完全な肉弾戦で勝負しよう。」
「OK、それじゃ、敗北宣言or戦闘不能になった方の勝ちな。準備はいいか?」
さぁ、何分で終わるかな?こっちとしては武器の確保もしたいから早めに終わって欲しいんだけどな。相手の力が未知数な以上予想しようがない。
「さぁ、やろうか。」
ゴツイ男がそう言った刹那、俺は地を蹴り、ゴツイ男の前まで移動する。能力が無いのでそこまで速くはないが、一般人よりは全然速い。
大きく振りかぶり、力を入れると同時に、ゴツイ男の顔面目掛けて一直線に振るわれる左手。
悪いな、はよ終わらせないんだよ。内心そう思っていたが、俺の予想をゴツイ男は遥かに超える。
顔面目掛けて一直線に振るわれた左手をゴツイ男は右手で掴んだのだ。それも眉一つ動かさずに。
少しばかり動揺する俺にゴツイ男は言葉を放つ。
「終わりにしよう。」
そう言い、俺の左手を離すゴツイ男。
「どうしてだ?」
右手をプラプラと力無く振りながら答えるゴツイ男はどこか嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった。
「俺じゃ、お前に勝てない。仲間になるよ。」
俺らの組織は着々と仲間を増やしていく。日本を潰すために。
「よし!これで日本陸上自衛隊能力部隊を壊滅させる仲間が増えた!」
「やったな、師匠。」
そう喜んでいると、ゴツイ男は目を真ん丸にしている。
「え?日本自衛隊能力部隊!?は?聞いてないんだけど・・・」
あれ?言ってなかったっけ?
「まぁ、男ににごんはねぇ。仲間になるよ。俺はアベル・コースター。警察官だ。」
握手を求めてくるので手を握る。そして俺らも自己紹介をした。
「あ、やべ。もう1人居たの忘れてた。俺は助けてくるから、2人は武器庫探しててくんね?」
「了解!」
そして2人は部屋を出ていく。俺は蹴り破った壁の中に戻った。
さっき同様、壁側で体育座りしてる少年。
「悪いな、忘れてた。」
そう言いながら入口を開けた。
「ほい、外じゃ、人が倒れてるけど気にせんでいいから。それじゃ、俺はこれで。」
そして少年に背を向け、俺も武器庫を探そうとしたが、声をかけられた。
「お兄さん。私も仲間に入れて。」
ん?ん?ん?俺は今2つの事に驚いている。一つ目は仲間に入れてと言ったこと。二つ目は声が女の子ってこと。
短髪だったから勝手に男だと思っていた。顔が見えなかったし。
「俺達の組織はとっても危険なんだ。だから、悪いな君を入れることは出来ない。それに親御さんもいるだろ?ここから救ってやったんだから普通の暮らしをしろって。」
高校生ならば、まだ考えたが、中学生だ。流石に仲間には出来ない。この子の親に何か言われるかもしれないしな。
「わかってるよ。お兄さん達はほぼ毎日公園で戦闘訓練?してるよね。でも、私は戦闘経験は皆無。それに私にはもう親も帰る家も無いんだよ。私がここにいるのは親のせいだから。親に売られたからここにいるんだよ。私に出来ることは家事と治療ぐらいしかないけど、どうか・・・どうか私を仲間にしてください。」
頭を下げ、懇願する少女に俺はなるべく優しい声で言う。
「わかった。もし怪我をしたら君に治療してもらうよ。」
ここで見捨てても俺らにデメリットは無いだろう。でも、 このまま野垂れ死にされても胸糞悪いだけだ。
「ありがとうございます。」
そしてもう一度大きく頭を下げる少女。よっぽど嬉しかったのだろう、目じりに涙を貯めている。
「さっき聞いたんですけど、武器庫探しているんですよね?私、武器庫の場所知ってるんで、お連れします!」
「ありがとう、えっと・・・」
この子の名前ってなんだっけ?名前聞いたっけ?
「私はアッシュ・グラード。」
「わかった。ありがとな、アッシュ。」
そして俺らは武器庫に向かう。てか、あの二人は平気かな?
武器庫の前に着いた俺とアッシュ、中からは話し声が聞こえるから既に二人は中にいるのだろう。
俺は武器庫に入る。案の定、二人は武器を見ながら色々と話していた。
「お、戻ってきたか。師匠。」
俺に気づいたハロンがそう言うと同時にアベルもこちらに向く。少し笑みを浮かべながら、
「ハロンから色々聞いたぜ師匠の事や組織の事。」
と、アベルは言ってくる。俺はやはり師匠なのか・・・
そう複雑な気持ちに浸っているとアッシュが俺の前に出る。
「私の名前はアッシュ。本日からお世話になります!ふつつか者ですがよろしくお願いします。」
謎に堂々としながら自己紹介をしたアッシュに向けて拍手を送るハロン達。なんかシュールだ。
「あ、そうだ。見てくれよ師匠、ここにはインカム、チェストホルスターなんかもあるぞ。これで武器が無事手に入るな。でも、銃剣はねぇわ。銃とナイフはあるけど。」
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