「復讐の相手」

著恋凛

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19話

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米軍特殊部隊、888部隊?聞いたこともないな。
「んで、その特殊部隊さんがなんのようだよ。」
「単刀直入に言うと僕ら888部隊とDESTROYERSで9VS9の模擬戦闘訓練をしないかい?最近骨のある奴らがいなくてね、でも、君たちを見た時ビビって来たんだ。もちろん9人いないなら、こちらが人数を合わせるよ。どうかな?やってくれるかい?」
その問いに答えたのは俺では無く、夕貴だった。
「いいわよ。受けてたってあげる。日時とルールは?」
そんな簡単に受け入れていいのか?俺はそう思っているが、夕貴は堂々としていた。その顔を見てなにか、俺らに膨大なメリットがあるのだろうと思った。
「7月26日の10時からハグラン山で。僕達888部隊は西から、君らDESTROYERSは東からスタートだ。ルールは先に大将を討ち取った方の勝ち。基本的には致命傷を受けたら瀕死という事で山から降りてもらう。判定は最新の力で作った人造人間が判断する。もちろん弾はゴム弾、ナイフもゴム製にしてくれ。」
7月26日、明後日か。にしても888部隊って強いのか?見る限り相当自信があるみたいだ。
「わかったわ。それじゃ、私たちは帰る。さようなら。」
そう言って夕貴は拠点の方へと足を向ける。それに俺とエマも着いて聞くのだった。




拠点に帰り、全員を作戦会議室に呼んだ。そして夕貴はさっきあった事を話、888部隊との模擬戦闘訓練がある事を皆に教えた。
「・・・・って、事で明後日に888部隊と模擬戦闘訓練がある。ルールは9VS9で先に大将を討ち取った方の勝ち。とっても簡単で厄介なルール。私たちは戦闘要員9人しかいないから全員参加ね。」
「何か作戦はねぇのか?」
ごもっともな質問をする。作戦の有無で勝利は簡単に傾く。どんな戦力差でもだ。
「私たちにとっては初陣だし、特に無いわ。でも、蓮人は戦闘開始と同時に山の頂上に行って、敵の情報とかをインカムを通して伝えて。それ以外は好きに動いていいから。それに相手は888部隊出し、勝算はかなり少ない。でも、個々の力では劣ってはいない、勝てなくはないわ。それじゃ、各々準備しておいてね」
その言葉を合図に俺らは適当に作戦会議室から立ち去っていくのだった。



トントンと快知の部屋をノックしてから部屋に入る。
「なんか用か?」
快知は暇を持て余したようにベッドに座り、スマホを弄っていた。ここに来た理由は正直しょうもないことでだ。
「なぁ、みんな知ってる風になってたが、888部隊ってなんだ?そんなに強いのか?」
「はぁ?」と、ため息混じりに俺を見てくる快知の目はどこか俺をバカにしている感じがする。
「888部隊ぐらい僕でもわかるぞ」
「んじゃ、教えてくれよ」
適当に置いてあったイスに座り、背もたれに身体を預ける。
そして快知は888部隊のことを話し始めた。
「888部隊は米軍の特殊部隊ってことはお前も知ってるよな?」
首を縦に振り、知っていると伝える。なんてったって自ら自己紹介してきたからな。
「あの部隊は現在アメリカではトップ3ぐらいには入ってくる。僕らの目指してる陸自能力部隊よりは数的には負けるが、1対1なら普通に互角に戦えるぐらいの強さを持っている。888部隊の名前の由来は能力、戦闘、隠密の3点に対しては∞の力を持っているからだそうだ。ここに関しては安直だな。まぁ、なんて言うんだろう?陸自能力部隊の小型版?って感じ。ここで888部隊に勝てれば多少僕らの知名度が上がるって感じだ」    
そう言うことか、夕貴がこの模擬戦闘訓練を受けた理由がわかった。
簡単に言えば、俺らDESTROYERSの知名度アップだ。日本はバカ・・・アホ・・・いい言葉が見つからないが、頭のおかしい国だ。俺らが「日本潰しまーす」って言っても無名のテロ組織なんかじゃ、相手にされないだろう。でも、有名な組織になれば話は違う。だから、知名度が欲しいのだ。
「ありがとな、快知」
「礼には及ばんよ」
「カッコつけんなサル!」
そう言い残し、部屋を出た。




模擬戦当日、9時50分。俺らはハグラン山の麓で最終確認をしていた。
「蓮兎、あなたが山頂を取るか取らないかでだいぶ戦況が変わるわ、頼んだわよ」
自分の名前を急に言われてドキッと心臓が一気に跳ね上がる。今までは暗殺やら戦闘はしてきたが、ここまでガチのじゃなかったので緊張する。
「はい!俺は日本一の銃使いですから!」
「自称な」
歩希さんにツッコまれ、少しづつだか、緊張が和らいでいく気がした。
大丈夫、いつも通り戦えばいいだけだ。できないことはない。自分に言い聞かせるように何度も何度も心の中で言う。
「お前もしかして緊張してる?」
歩希さんにそう言われ、少しビックリする。
「い、いやぁ」
「大丈夫、弾に当たっても死なない模擬戦だ。もし、お前が山頂を取らなくても、お前の実力を知っている俺らからすると、お前以上に強いやつがいるから気をつけろってなるだけだ。そんなに気負うなよ」
鼓動が少しづついつも通りに戻っていくのが自分でもわかる。落ち着いている、今の自分は。
「お前ら全員にも言っておく、弾に当たっても死なない。だから、別に怖がる必要は無い!でも、俺らは殺す気で行くぞ」
歩希さんのドスの効いた声でこの場の空気が引き締まった。
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