教育実習で来た先生が、俺の初恋の男性でした

あきら

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人名はルビがなくても読める漢字でなくてはならない

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 みなさん初めまして、こんにちは。俺の名前は、七原梢。高校二年生、17歳ホモです…。

 って、初っ端からひどい自己紹介だな。言い訳がましいけど、生まれた時から男が好きではなかったんだよ。その証拠に、中学時代は女の子ともちょっと付き合っていたし…。まぁ、それこそカモフラージュ目的だったのは否定しません。悪い娘じゃなかったけど、何だかお互い本気になれなくて…。結局、いつの間にか自然に消滅してました。ちょっと幼少期の出逢いで、人生狂わされたのが原因ですよ…。この辺りは、順を追って説明します。まだ、自分の名前くらいしか紹介してない段階ですしね。
 名前と言えば、名前部分の読みは「こずえ」です。女の子みたいな名前だって?よく言われますよ。もと運動部でガタイいいし、見た目は全く女っぽくはないですけど。ところで名前くらい、ルビ機能で読み仮名当てればいいのにって?それ、作者が嫌いなんですよ…。
 単純に機能を使うのが面倒くさいのと、「人名はルビがなくても読める漢字でなくてはならない」って妙なこだわりがあるらしいです。別に、エブリスタの作者さんたちに喧嘩売ってる訳じゃありません。キラキラネームとか、受け入れられない世代なんでしょう…。
 群馬県は、高崎市出身。ちょっと家庭の事情で、中学から埼玉県に移り住みました。と思いきや、高校ではまた高崎市内の男子校に入学しました。そのため、毎朝電車に揺られて通学しています…。何だかフラフラして、中途半端な設定だって?これも、色々と考えがあっての事です…。その辺りの意味合いも、回を追うごとに解き明かされるでしょう。
 ところで今日は何月で、一体何をやってるかって?時期としては、5月の初旬です。GW明けて、未だ連休気分が抜けない頃ですね。タイトルにもある通り、クラスに教育実習の先生がやって来たんですよ。もう、お察しもついている事でしょう。その先生…男性の先生が、俺の初恋の人だって事ですね。人生狂わせた、その元凶です。俺の気も知らず、のうのうと自己紹介とか始めやがりました。



 「みなさん、初めまして。伊勢嶋雪兎、22歳です。都内の、○○大学四回生です。この高校の卒業生なので、懐かしい気分でいっぱいです。さてこれから二週間ほど、みなさんの英語を担当する事になりました…。拙い授業とは思いますが、どうぞよろしくお願いします」
 謙虚な言葉とは裏腹に、口調は割とハキハキして演説が堂に入っている。まぁ要は、場慣れしてるんだろう。昔から超頭良くて、よく全校生徒の前で表彰とかされてたからな…。
 俺の方こそ、こうやって「独白」としては淡々と語っているけど…。内心、穏やかではなかったですよ。何度も言うけど初恋の人と、思わぬ所で再会したんですから。だけどそもそもこの高校を選んで入学したのも、ちょっとこんなハプニングを期待しなかった訳じゃないのかも。
 だけど本当に、以前とほとんど変わらないなぁ。名前聞く前に、顔見て一瞬で分かった…。最後に会ったのは彼が高校二年生だったから、あれから5年は経っているのだけど。あの頃と変わらない黒髪、ほとんど変わらない身長。そして変わらない八重歯、変わらないエロぼくろ…。
 対する俺の方は、あの頃とはかなり見た目が変わってる筈だけど…。彼の表情を見て、一目で分かった。彼も、俺の事に気がついてる。そして、俺が気づいてる事にも気づいてる。俺の事を、覚えててくれたのか。もしくはクラス名簿で、名前くらいは見ていたのかもね。だけど、そんな事はもうどうでも良かった…。
 彼と、二人きりで会いたい。会って、話をしたい。そして、もう一度この気持ちを伝えたい。あの頃と、変わらぬ気持ちを。彼…そう、雪兎お兄ちゃんに。
 「伊勢嶋先生」の自己紹介が終わり、続いて生徒の質問タイムに移った。何かしら話しかけるか迷ったけれど、その前に別の生徒が手を挙げて質問を始めた。

 「はーい!伊勢嶋先生はぁ、今付き合ってる彼氏さんはいるんですかぁ?」
 「俺がホモである事は、前提なの!?(まぁ、ホモなんやけど)」
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