転校してきた褐色のオレ様イケメンに、何でか溺愛されています

あきら

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ちょうど今、一ノ瀬くんの事を考えてた

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 みなさん、こんばんは。伊勢嶋雪兎、16歳ホモれすぅ…。失礼、またもや噛みまみた。わざとじゃないですよ。今ちょっとした、取り込み中なんです。
 え?一体、何をしてるのかって?ナニしてます…。昨日、悶々としたまま眠れぬ時を過ごしたもので。

 最初から、順を追ってご説明しますね。まず、一ノ瀬くんは朝目覚めてすぐにサッカー部の練習へと向かいました。日曜日ですが、昨日の雹災による後片付けの手伝いも含めて招集がかかったようです。
 十分休んではいましたが、昨日の今日でよく出動出来ますね。俺、今からチャリ漕いで学校に向かう元気ないわぁ…。そうだ。チャリと言えば、庭園の駐輪場に置きっぱのチャリ回収して帰らなきゃ。多分雹にやられて、使い物にならなくなってるとは思いますが…。
 ホテルの料金はとっくに払ったとか言って、慌ただしく飛び出して行きましたよ。朝食くらい、ゆっくり食べて行けばいいのにねぇ。近所の喫茶店で、モーニングでもしばいて行くらいでしょうけど。それに、ホテル代…。の件も含めて、ちゃんと彼にはお礼をしないと。
 だけど、学校では話しかけづらいなぁ…。だって、「立て替えてくれたラブホ代を、半分支払おうと思って」とはなかなか言えないじゃん?彼も彼で無神経そうだから、めっちゃ大声で返して来そうですしね。まぁ、いいや。この点についてはまた、明日になったら考えましょう。
 幸いにも、チャリは一応動かせなくもありませんでした。何とかかんとかで実家に帰れましたが、廃車にはせざるを得ないでしょう。昔お祖父ちゃんに買ってもらった、ロードバイクに乗り換えるしかないなぁ…。って、普通に考えてそっちのがいいんですけどね。どうも家族揃っての貧乏性で、「捨てる」って事に抵抗があるんですよ。
 母さんに、朝帰りの件で突っつかれたらどうしようかと身構えましたが…。幸いにも、特に何か言われるような事はありませんでした。ってか、そんな場合じゃありませんでした。ご多分に漏れず、うちも雹の被害を受けていたからですね。車は全台、車庫に入っていたため無事でしたが…。これ片付けるのに、軽く二日はかかるんじゃないの?それに一体どの程度まで、保険が下りますものやら。
 結局、庭師さんやらお手伝いさんにも来てもらって応急処置程度には片付けました。こう言う時に限って、楓兄貴はゼミ合宿とかで不在なんだよな。昔っから、変に要領がいいと言いますか…。
 もともと疲れていた所に重労働が加わって、先ほどまで泥のように眠っていた訳です。寝ている間、昔の夢を見ていた気がするなぁ。
 俺も一ノ瀬くんも小学生くらいの姿になって、どこだかの海岸を二人で歩いていました。彼とはつい最近出会ったばかりなので、こんな記憶は捏造なんですけどね。だけど、不思議に胸が切なくなる夢だった。
 砂浜を踏む足が次第に重くなって、彼がどんどん先へと進んでしまう。呼び止めたいけど、喉から声が出てこない。そのうちに、彼の姿は見えなくなりました。俺が泣いていたのかどうかは、定かでありません。
 いつの間にか、学校の教室へと場面が変わっていました。おそらくはプール授業か何かで、クラスのみんなが着替えをしています。高学年なので、流石に男女別々の部屋で着替えていますが…。やっぱり、みんな気恥ずかしいんですよね。中には、上半身まですっぽりタオルで隠しててるてる坊主みたいになってる子もいました。かくいう俺も、同じなんですけど。
 その中で、一ノ瀬くんは隠しもせずに堂々と着替えていました。人の目とか、気にならないんでしょうね。知ってましたけど。格好いいなぁ、男らしいなぁ…。そう考えているうちに、目が覚めました。
 時刻は夜。すっかり暗くなっていたけど、まだ日付は変わっていないぽい。熟睡したので、連日の疲れも一気に吹き飛んだ…。と同時に、ちょっとムラムラしてきました。何せ、昨日は一晩中「お預け」を食らいましたからね。それに、今ちょっと刺激的?な夢も見た所だし。よっしゃ。健全な男子高校生として、ここは抜くべ!
 久々に、お尻でヤっちゃおうかなぁ。後始末が大変なんで、しばらく御無沙汰でしたけど…。間近で、あんなもん♂見せられたらそりゃねぇ。机の奥底に閉まってたローションさんに、今こそ日の目を見せる時。ついでに、鞄の中に入れて常備しとこう。人生、何が起こるか分かったもんじゃないですからね(ある日突然、クラスメートとラブホに行ったり)。気は心ってやつで。
 んっ…。やっぱ、昨日もちょっと慣らしたからか…。スルスルと、挿入っていくなぁ。こんなんじゃ、ちょっと物足りないけど…。なかなかどうして、悪くはないや。オカズは、何にしよう。やっぱ戦犯であり元凶の、一ノ瀬大先生かな。こんなんなった責任を、取ってもらいませんとね。
 あの時、ラブホで一緒にお風呂に入ってたらどうなってたんだろう。施設の特性上、すっごい密着出来るような構造になってたしね。あの逞しい肩が腕が、惜しげもなく肌に触れて…!どちらからともなく、キスを始めたりするんだよ。舌を絡め合って、もうめちゃくちゃに掻き回してさぁ。だけど八重歯を舐めてくるのは、全身全霊をもって拒否しよう。
 そんで、姫抱っこか何かでベッドに運ばれて…(そんなに軽々と持ち上げられたら、女になっちゃう///)。うん。もう、裸のままでいいや。例のバスローブ姿だと、やっぱ何だか気恥ずかしいからね。でも敢えて羽織ったまま、適当なエッチ動画見てテンション上げるってのもアリかな?まぁ若い二人には、上げてる暇もなくハナっから最高潮だったって事でね。
 そんで前戯もそこそこに、さっそく挿入する訳やけど…。最初は、正常位がいいかな。やっぱ、お互いの顔見ながら出来るし。何せ一ノ瀬くんのいい所と言ったら、顔と顔と顔やからね…。あん、嘘です。一ノ瀬くんの一ノ瀬くん、しゅっごいおおきい…。指なんかとは、全然違うよぉ(いやまぁ、指入れてるねんけど)。
 途中から、バックに切り替えるのもいいよね。彼、後ろから奮うのとか大好きそうだし。うぅ、この体勢恥ずかしいなぁ。でも情けなく四つん這いになってる所を、無造作に腰とか掴まれて容赦なくガッツンガッツン…。って、せっかく興が乗ってきた所に何かLIMEが来たぞ。
 誰だよ、こんな時間に…。と思ったら、よもやよもやのご本人登場。当の、一ノ瀬くんからでした。
 『遅い時間に、ごめんな!おれも部活終わってから、今まで寝落ちしちゃって…』
 だってさ。何で、俺も今まで寝てた事を知ってるんだろう。それも、「お姉さん」から聞いた訳?ってかそれ以前のお話で、彼にLIMEのアドレスを教えた覚えがないんだけど…。いつの間にか、承認した事になって友だちリストに入っている。仮にブロックしたとしても、無理やりメッセージ送りつけてきそうで怖いなぁ…。
 『雪兎は今、何してたの?』
 ちょうどお前の事を考えながら、尻穴ほじってましたとも言えない。無視しようかとも思ったけど、読んじゃった以上既読スルーも失礼だしなぁ。ここは敢えて、LIMEのやり取りしながらイっちゃおうか。中の人?を相手にしながらだから、妙な臨場感があっていいかも。音声通話に切り替える事も考えたけど、流石にそこまではねぇ。バレたら、俺が転校するハメになるわ。
 『別に。でもちょうど今、一ノ瀬くんの事を考えてたよ』
 半分くらいは、本当の事を言った。思った以上にそれが嬉しかったらしく、「喜び」のスタンプを大量に送ってくる。けっこう単純で、可愛いんだなぁ。ってかむしろ、彼も今LIMEしながらヤってたらどうしよう。なんて考えたら、不意に頂点に達しちゃって…。

 ヌッ!
 …ウッ。ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。
 ヌ゛ッ!ハァ、ハァ、ハァー。

 …うぅ。また、つまらぬもので抜いてしまった。
 しかし、音声通話にしなくて本当に良かったと実感する。冒険するのは、まだまだ早いよね。
 あ、LIMEどうしよう。返信、ダルぅ…。
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