俺の武術は異世界でも最強だと証明してやる!

ぽりまー

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転生と出会い

3話

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 ハイネスの町は活気にあふれていた。
「武器屋はここか」
詩音はもらった援助金で武器防具を買いに来ていた。
「いらっしゃい! 何がほしいんだい!?」
店内に入ると、店主が気さくに話しかけてきた。
「えらい気さくだな。お客様は神様みたいな扱いされないのは寧ろやりやすいけど」
「なんか言ったか?」
「いや、何も。俺は最近冒険者になったんだが、装備を買いたくて」
「そうだったのか! ギルド入会おめでとう! うちを今後もひいきにしてくれよな! それで職業は?」
「武道家です」
「武道家か! 珍しいな!」
「珍しいのか?」
「まあみんな戦士か武道家のどっちを選ぶかって言われたら、大体は戦士を選ぶからな。戦士はスキルの獲得も早いんだが、武道家は流派がスキルになるからな。ひたすら鍛錬しないと身につかないんだと。兄ちゃんがんばれよ!!」
「そうだったのか。それなら問題ないわ」
「武道家なら流派にもよるけど基本的に武器はいらないな。拳が武器だからな!となると道着が必要か。これなんかどうだ」
店主が出したのはよくある白い道着だった。
「見た目は普通の道着だが生地がすごく丈夫なんだ! これで激しい動きをしても大丈夫だぜ!」
「いいじゃんこれ。店員さん、これにするよ」
「まいどあり!」
詩音は道着上下を手に入れた。
「帯は白帯でいいか?」
「俺は冒険者になる前に流派を習得してるんだ。黒にしてくれ」
「へぇ。なんて流派なんだ?」
「島原流古武術。ほら、冒険者カードにも書いてる」
「聞いたことない流派だが、カードに書かれてるんなら本当に習得したんだろ。黒帯にしとくぜ」
「ありがとう」
「冒険者をするなら、あとは回復ポーションとかの道具を買いに行った方がいい。必要なものメモに書いといてやるよ。あとは仲間だな。一人で行くのはどんなに腕に覚えのあるやつでもやらないからな。ギルドでメンバー募集とかかけてみるといいぞ」
「何から何まですまないな」
「いいってことよ!ほら、メモ」
「ありがとう。また来させてもらうよ」
「はいよ!」
詩音は武器屋を後にした。

 道具屋で買い物を済ませ、ギルドへ戻っていた。
「仲間の募集がしたいな」
「右京さんパーティーメンバーを募集するんですね。それでしたらこの掲示板に募集の張り紙を張っておいてください」
「了解」
詩音は募集の張り紙を張り、誰が来るのか楽しみにしながら待っていた。

 三日後、
「ぜんぜんこねぇ」
全然来なかった。
「誰も来ねえし、一人で行くしかねえ」
詩音は仕方がないので一人でクエストに出かけることにした。
「セシルさん。何かクエストはない?」
「ひ、一人で行かれるのですか……」
「もうお金がないんだ。仕方ないじゃないか」
「はあ。わかりました。それなら森で薬草採取クエストとかどうですか?一人でも簡単に行けますし」
「何でもいいや。それにするわ」
「解かりました。王都を出て東へ歩くと森が見えてくるので、そこでこの絵のような薬草をとってきて下さい」
「了解した」
詩音は絵が描かれた紙を受け取り、クエストへ出発した。

 森はとてもすがすがしい空気だった。
「薬草なんてすぐ見つかるっしょ」
詩音は早速薬草を探し始めた。
 しかし、正午を過ぎても見つからなかった。
「朝イチに来てんだぞ……なんで見つからないんだ。」
詩音はいらだっていた。
薬草を探して歩いていると人影を見つけた。
「おーい誰かいるのか?」
そこには木にもたれて座っている小柄な少女がいた。コバルトブルーの髪は短く整えられ、大きな青い瞳が輝いている。きれいな服に大きなマントを羽織っており、背中に杖を背負っている姿はまるで魔法使いのようだった。
「おーい、大丈夫か?」
「ひゃわっ!?」
「ウワッ!」
「な、誰ですか?」
「別に驚かせるつもりじゃなかったんだ。俺は右京詩音。武道家の冒険者だ。薬草のクエストをやってるんだけどなかなか見つからなくてな」
「そ、そうだったんですか。私はルナ・エスティアといいます。冒険者で魔法使いをやっています。森の調査をやっていたんですけど、疲れて動けなくなっていたので休んでたんです」
「そうだったのか」
「あと詩音さん。薬草はこのあたりにはありませんよ?」
「え? うそでしょ?」
「本当です。よければ薬草のある所へ案内しましょうか? い、嫌でなければですが……」
「とんでもない!ぜひ頼むよルナ!」
「は、はい!それでは行きましょうか」
「おう!」
詩音たちは薬草のある場所へ行こうとした。そのとき、草陰から何かが飛び出してきた。
「で、でっかい熊!?」
「び、ビッググリズリーです!! は、早く逃げてください!!あなたじゃ危険です!」
詩音はカチンときた。
「それって俺があいつに適わないって言ってる?」
「だ、だって新米冒険者ですよね? ビッググリズリーは一般の冒険者なら4人以上で戦う相手です! どう頑張っても一人じゃ無理ですよ!!」
だろ? 俺は一般の中に入るとは思ってないから。それに熊と戦うのは武道家の伝統よ!!」
「なんの伝統かわかりませんが、どうなっても知りませんよ!! わ、私も支援はしますけど!」
「そんなもんいらねえよ。おい、熊公!! かかってこいやぁ!」
詩音の雄叫びに呼応するように、ビッググリズリーが襲い掛かった。ビッググリズリーが両前足を上げ威嚇する。詩音は腰を低く構えると、
「島原流古武術、水月中段突き!」
ビッググリズリーの腹部へ突きを放った。怯んだ隙にさらなる追撃を放つ。
「島原流古武術、旋風つむじ
ビッググリズリーの側頭部へ回し蹴りを放つ。そこを軸にもう半回転。そして反対の足でもう一度回し蹴り。着地した片足を軸に半回転し逆の側頭部を蹴り抜く計三連撃の攻撃を放った。
 
 ビッググリズリーは大きな音を立てながら倒れた。どうやら戦闘は終わったようだ。
「一回の反撃もさせないまま一瞬で!? 詩音さん、私、勘違いしていました。とてもお強かったんですんね!!か、かっこいい……」
「や、やめろよ恥ずかしい。そ、それよりこの熊も倒したんだ。薬草とりに行こうぜ。日が暮れちまうよ」
「そ、そうですね。では行きましょうか」
詩音たちは今度こそ薬草のある場所へ向かったのだった。
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