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転生と出会い
7話
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「私たちはドラゴンを倒したのだ! オークなんぞに負けるわけがない! そうだろ、右京!」
クレアは詩音が勝利すると確信し、詩音に叫ぶ。しかし、当の本人はとても緊張していた。
「別に勝てる自信があって挑んだ訳じゃないぞ、クレア。こうでもしないとオークの大群が街を攻めるかもしれなかったからだ。それに」
詩音はオークのボスを見ながら言う。
「こいつ、相当やるぞ」
詩音の見立て通り、このオークのボスには2つ異常な点があった。一つは自然には身につかない、ウェイトトレーニングを日頃からしているとしか思えない引き締まった体。もう一つは構えにあった。足を前後に無理のない幅で開き、左手は少し前、右手は顎をガードできる位置に。その状態でリズミカルに前後にステップを踏んでいる。その姿はまさしく、
「ボクシングじゃねぇか」
詩音は問いかける。
「なんでボクシングしってんだお前。この世界にもあるってのか?」
「ほう、これはボクシングというのか。いや、これは俺がボスとして人間や他のオークと戦う課程で身につけたものだ」
「わかったぜ。こいつ、こと格闘において天才だ」
だが詩音は怖じけづかなかった。逆に好奇心で内心いっぱいだった。
「師範。師範はこの武術をちゃんとぶつけられる相手に巡り会えました。師範のためにも全力で行かせてもらう!」
「こい!」
両者共に距離を詰める。最初に仕掛けたのはオークの方だった。すこし強く踏み込み左拳を最短距離で打ち込む。ジャブである。
「速っ」
詩音は反応仕切れずかろうじて腕で受け止める。
「ジャブだけでなんつー重さだ」
詩音は距離を取ろうと下がるが、オークはさらに追撃する。左、左、すぐ右。右ストレートを食らい、後方に飛ばされる。
「うまく逃がしやがる。だが守ってるだけじゃ俺には勝てんぞ」
「島原流紙風船を使っても結構響く。沢山は食らえないな」
詩音はやり方を変えることにした。
「何度でも食らわしてやるさ!」
オークは距離を詰め、ジャブを繰り出す。
「何も殴るだけが格闘じゃないんだぜ!」
詩音はジャブが繰り出される瞬間、左腕の真下に滑り込む。そしてオークの胸ぐら、伸びた左腕をつかみ、
「島原流、風車」
投げた。そのとき、オークの投げられる動線を追うようにして突風が起こり、技を加速させた。
「地面にたたきつけられたオークはすかさず距離を取り、痛みに耐えた。
「ぐぅ……やるな。だが決定打にはならなかったな。さあ、次はどうする!」
そう言うと、オークは今までとは比べものにならない、あり得ないスピードで突進した。連打、連打、連打。詩音に猛烈な連打を浴びせる。詩音は体をかがめて守ることしか出来なかった。そしてついにその防御に穴を開けられ、右ストレートを食らい吹き飛ばされてしまった。
「右京さん!!」
まだ辛うじて意識はある。そしてじわじわと迫り来る鈍痛。この痛みに詩音は生まれて初めて戦っていると実感した。
「これが戦い。これが命のやりとり!」
詩音は立ち上がり、構え直す。目が本気になった。
「もう容赦しねぇ」
詩音は前に出る。オークもそれに反応し距離を詰める。またコンボが炸裂する。詩音は左足を折り曲げ、右足に力を入れる。そして右足を蹴り出し左足を前へ、左足の着地と同時に左拳を前に出す。オークの右ストレートが顔面を直撃するが気にせず前へ、左拳が緑のオーラに包まれた。
「島原流、月見」
高速で3発の突きがほぼ同時にオークの顎、喉、みぞおちに突き刺さる。
「い、今の見ましたか!?」
ルナが叫ぶ。
「ああ、やはりすごいな右京は!」
「それもですけどそうじゃなくて。いま左手に魔法が! 魔法が出ました! 右京さん魔法つかえたんですか?」
「いえ、たしか魔力はEだったはずです。でもあれはどう見ても魔法。なにが起きてるのでしょうか」
「聞いたことがある」
「しっているのですか?ガリウスさん」
「過去に一度だけ到達出来た武道家がいると伝説になっているんだが。極限まで極めた技は、空間の魔力が反応し、魔法を帯びるようになる。そしてそれは技の精度と本人の精神力によって比例し、魔法じゃ到達出来なかった領域までへ至る事ができるらしい」
「そんなの、魔法使いいらなくなるんじゃ!?」
「確かに魔法以上の事が出来たら魔法なんか、とはなるが。だが心配すんな嬢ちゃん。さっきも言ったとおり過去に一人しか到達出来てない位の領域だ。とても目指せるもんじゃない。だから嬢ちゃんみたいな魔法使いがいるんだろ」
「いずれにしても右京さんはとんでもない武道家だったんですね。すごいです!」
外野はたいそう盛り上がっていた。
「まだ行くぜ」
詩音はさらに攻撃を仕掛けようとする。
「お、俺が負ける訳がない! 負ける訳がないんだぁぁぁぁ!」
オークは今までで最速のラッシュを繰り出す。詩音はオークの前で前方宙返りし、上空から遠心力を利用しかかと落としを繰り出そうとする。瞬間、詩音の右足が高熱をおび、炎を纏う。
「島原流、炎鉈」
炎を纏った足をオークにたたきつけた。
「ぐおァ……!!!」
着地後、詩音は右拳を突き出す。右拳には青と半透明のオーラが出現した。
「島原流、水波紋」
めり込んだ右拳から水が出現しとてつもない水圧でオークの腹部に突き刺さる。そして波紋は全身に伝わり体に波を作り、それは周りの空間をも揺らした。
「ぉ…………ぁ……」
オークは倒れた。瞬間、詩音の勝利が確定した。
残りのオークたちは、ボスの遺体を抱え帰っていった。
「やりましたね! 右京さん!」
ルナが詩音に飛びついた。
「い、いてえって。ああ、結構やばいかと思ったけど、勝ったぜ」
詩音は先ほどの戦いでのダメージによりふらふらだ。
「すごかったぞ右京! 特に足が燃えたときはめちゃくちゃカッコよかったぞ!」
「あれ、何が起きてたんだ?自分でもよくわからないんだ」
「あれは右京さんの技に魔力が反応し、魔法を生み出しているんですよ」
「俺が魔法を。そういえば師範が気について何かおっしゃっていたような。胡散臭そうだからって信じてはいなかったけど。これがそうなのかな。だとしたら……」
詩音は空に向かって技を放った。
「島原流気功術、気錬掌波」
すると詩音の両手から衝撃波が生じあたり一面草一つ無くなった。
「こういうことか」
「右京さんすごいです!」
「右京がここまでの男だったとは。流石だ」
「まさか俺が負けた兄ちゃんがここまでの奴だとは。負けたのになんか誇らしいや」
ルナ、クレア、ガリウスの三人はべた褒めだ。
「流石に疲れた。もう終わったろ、みんな帰ろうぜ」
「帰ったらギルドの酒場で宴会だぁ!!!!」
「やるぞやるぞ!!!」
周りの冒険者たちは祝勝ムードで宴会する気満々だ。
「俺たちも行くか」
詩音はパーティーメンバーに聞く。
「はい!」
「あたりまえだろ。お前が行かなくてどうする」
詩音と冒険者たちは宴会の為ギルドへ向かっていった。
クレアは詩音が勝利すると確信し、詩音に叫ぶ。しかし、当の本人はとても緊張していた。
「別に勝てる自信があって挑んだ訳じゃないぞ、クレア。こうでもしないとオークの大群が街を攻めるかもしれなかったからだ。それに」
詩音はオークのボスを見ながら言う。
「こいつ、相当やるぞ」
詩音の見立て通り、このオークのボスには2つ異常な点があった。一つは自然には身につかない、ウェイトトレーニングを日頃からしているとしか思えない引き締まった体。もう一つは構えにあった。足を前後に無理のない幅で開き、左手は少し前、右手は顎をガードできる位置に。その状態でリズミカルに前後にステップを踏んでいる。その姿はまさしく、
「ボクシングじゃねぇか」
詩音は問いかける。
「なんでボクシングしってんだお前。この世界にもあるってのか?」
「ほう、これはボクシングというのか。いや、これは俺がボスとして人間や他のオークと戦う課程で身につけたものだ」
「わかったぜ。こいつ、こと格闘において天才だ」
だが詩音は怖じけづかなかった。逆に好奇心で内心いっぱいだった。
「師範。師範はこの武術をちゃんとぶつけられる相手に巡り会えました。師範のためにも全力で行かせてもらう!」
「こい!」
両者共に距離を詰める。最初に仕掛けたのはオークの方だった。すこし強く踏み込み左拳を最短距離で打ち込む。ジャブである。
「速っ」
詩音は反応仕切れずかろうじて腕で受け止める。
「ジャブだけでなんつー重さだ」
詩音は距離を取ろうと下がるが、オークはさらに追撃する。左、左、すぐ右。右ストレートを食らい、後方に飛ばされる。
「うまく逃がしやがる。だが守ってるだけじゃ俺には勝てんぞ」
「島原流紙風船を使っても結構響く。沢山は食らえないな」
詩音はやり方を変えることにした。
「何度でも食らわしてやるさ!」
オークは距離を詰め、ジャブを繰り出す。
「何も殴るだけが格闘じゃないんだぜ!」
詩音はジャブが繰り出される瞬間、左腕の真下に滑り込む。そしてオークの胸ぐら、伸びた左腕をつかみ、
「島原流、風車」
投げた。そのとき、オークの投げられる動線を追うようにして突風が起こり、技を加速させた。
「地面にたたきつけられたオークはすかさず距離を取り、痛みに耐えた。
「ぐぅ……やるな。だが決定打にはならなかったな。さあ、次はどうする!」
そう言うと、オークは今までとは比べものにならない、あり得ないスピードで突進した。連打、連打、連打。詩音に猛烈な連打を浴びせる。詩音は体をかがめて守ることしか出来なかった。そしてついにその防御に穴を開けられ、右ストレートを食らい吹き飛ばされてしまった。
「右京さん!!」
まだ辛うじて意識はある。そしてじわじわと迫り来る鈍痛。この痛みに詩音は生まれて初めて戦っていると実感した。
「これが戦い。これが命のやりとり!」
詩音は立ち上がり、構え直す。目が本気になった。
「もう容赦しねぇ」
詩音は前に出る。オークもそれに反応し距離を詰める。またコンボが炸裂する。詩音は左足を折り曲げ、右足に力を入れる。そして右足を蹴り出し左足を前へ、左足の着地と同時に左拳を前に出す。オークの右ストレートが顔面を直撃するが気にせず前へ、左拳が緑のオーラに包まれた。
「島原流、月見」
高速で3発の突きがほぼ同時にオークの顎、喉、みぞおちに突き刺さる。
「い、今の見ましたか!?」
ルナが叫ぶ。
「ああ、やはりすごいな右京は!」
「それもですけどそうじゃなくて。いま左手に魔法が! 魔法が出ました! 右京さん魔法つかえたんですか?」
「いえ、たしか魔力はEだったはずです。でもあれはどう見ても魔法。なにが起きてるのでしょうか」
「聞いたことがある」
「しっているのですか?ガリウスさん」
「過去に一度だけ到達出来た武道家がいると伝説になっているんだが。極限まで極めた技は、空間の魔力が反応し、魔法を帯びるようになる。そしてそれは技の精度と本人の精神力によって比例し、魔法じゃ到達出来なかった領域までへ至る事ができるらしい」
「そんなの、魔法使いいらなくなるんじゃ!?」
「確かに魔法以上の事が出来たら魔法なんか、とはなるが。だが心配すんな嬢ちゃん。さっきも言ったとおり過去に一人しか到達出来てない位の領域だ。とても目指せるもんじゃない。だから嬢ちゃんみたいな魔法使いがいるんだろ」
「いずれにしても右京さんはとんでもない武道家だったんですね。すごいです!」
外野はたいそう盛り上がっていた。
「まだ行くぜ」
詩音はさらに攻撃を仕掛けようとする。
「お、俺が負ける訳がない! 負ける訳がないんだぁぁぁぁ!」
オークは今までで最速のラッシュを繰り出す。詩音はオークの前で前方宙返りし、上空から遠心力を利用しかかと落としを繰り出そうとする。瞬間、詩音の右足が高熱をおび、炎を纏う。
「島原流、炎鉈」
炎を纏った足をオークにたたきつけた。
「ぐおァ……!!!」
着地後、詩音は右拳を突き出す。右拳には青と半透明のオーラが出現した。
「島原流、水波紋」
めり込んだ右拳から水が出現しとてつもない水圧でオークの腹部に突き刺さる。そして波紋は全身に伝わり体に波を作り、それは周りの空間をも揺らした。
「ぉ…………ぁ……」
オークは倒れた。瞬間、詩音の勝利が確定した。
残りのオークたちは、ボスの遺体を抱え帰っていった。
「やりましたね! 右京さん!」
ルナが詩音に飛びついた。
「い、いてえって。ああ、結構やばいかと思ったけど、勝ったぜ」
詩音は先ほどの戦いでのダメージによりふらふらだ。
「すごかったぞ右京! 特に足が燃えたときはめちゃくちゃカッコよかったぞ!」
「あれ、何が起きてたんだ?自分でもよくわからないんだ」
「あれは右京さんの技に魔力が反応し、魔法を生み出しているんですよ」
「俺が魔法を。そういえば師範が気について何かおっしゃっていたような。胡散臭そうだからって信じてはいなかったけど。これがそうなのかな。だとしたら……」
詩音は空に向かって技を放った。
「島原流気功術、気錬掌波」
すると詩音の両手から衝撃波が生じあたり一面草一つ無くなった。
「こういうことか」
「右京さんすごいです!」
「右京がここまでの男だったとは。流石だ」
「まさか俺が負けた兄ちゃんがここまでの奴だとは。負けたのになんか誇らしいや」
ルナ、クレア、ガリウスの三人はべた褒めだ。
「流石に疲れた。もう終わったろ、みんな帰ろうぜ」
「帰ったらギルドの酒場で宴会だぁ!!!!」
「やるぞやるぞ!!!」
周りの冒険者たちは祝勝ムードで宴会する気満々だ。
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