10 / 58
回復術士を仲間にしよう
10話
しおりを挟む
暖かな日差しの刺す午前の中庭で、クリスタは読書をしていた。
「今日はこのあたりにしましょうか」
本を閉じ、自室へ戻ろうとすると、
「ごきげんよう。クリスタさん」
「あら、ごきげんよう、デリアさん」
デリアに挨拶をされたクリスタは挨拶を返すためデリアの方を向く。そのとき今まで暖かかった空気が冷たく刺さるように感じた。
「どうかなさいました? クリスタさん」
昨日までのデリアではないように感じた。
「あなたこそ、どうされたのですか? 昨日と様子が違うように見えますが」
「よく気づきましたわね。その通り。私は昨日までとは違うんですの」
デリアはゆっくりとクリスタに近づく。
「私はあなたが憎かったです。あなたは才能があるから。年上の私より学年が上だから。それなのに全く鼻にかけないのも気に食わなかった。力があったなら殺してしまおうと考えるほどに。あなたがどうしようもなく憎い。だから」
デリアは黒いオーラを出現させると、体に黒い紋章のような線が体を覆った。
「あなたを殺すため、悪魔と契約しましたの」
クリスタは出来る限りの全力で逃げだした。
詩音たちはクリスタのもとを訪ねるため学校へ向かっていた。
「良い返事をもらえるといいですね」
「だが昨日の今日で返事をもらえるのか?」
「行って見ねぇと分かんないだろ。それに何回も行って熱意を見せるんだ」
詩音は今日もやるき満々だ。
「それもそうですね。…………誰か走ってきますね」
走ってくる人は詩音の存在に気付くと一目散に向かってきた。
「あれ、クリスタじゃん」
「ハァ……ハァ……詩音さんといいましたね」
「そうだけど」
「あの……あの……」
クリスタは息も上がっており、冷静さを失っていた。
「お、おい。どうしたよ」
「助けてください!!」
クリスタはすがるように詩音に助けを求めた。
「そんな顔するキャラじゃなさそうなのに……何があったんだ」
「もう追いかけっこはお終い?」
デリアが追いついてきた。
「誰だ、お前」
「クリスタさんのご友人ですか? 誰でも構いませんが私の邪魔をするのなら殺しますよ?」
「なんかやべぇのが来たぞ!? クレア! クリスタを守ってやれ! ルナは何があってもいいように魔法の準備を! こいつは俺がやる」
「解かった!!」
「解かりました!!」
クレアはクリスタをかばうように立ち、剣を抜く。ルナは杖を取り出して構えた。
「よく話が分からないけど、とりあえず落ち着こうや」
詩音はまず言葉で説得してみた。
「それはあなたたちもでしょう? 剣を抜いたり魔法の準備などして、話し合いをする気があるのかしら?」
「それはごもっともだが、お前が殺すとか物騒なこと言うからだぞ」
「別に構いませんわ。私は話し合いをする気はありませんし」
「ですよね、そんな気はしてた」
デリアは黒い電を呼び出し、詩音のすぐそばに落とした。
「次はあてますわよ。さあ、早くクリスタを差し出しなさい!!」
突然ルナが前に出た。
「それ、黒魔法ですよね」
「あら、知っているの?」
「地獄、あるいは魔界から来たとされる黒魔法、それのブラック・サンダーですよね。文書で存在は知っていますが、なぜあなたが使えるのですか?」
「あなたに関係があるの?」
「早く答えなさい!」
「私は悪魔と契約してそのクリスタを殺す力を手に入れたの」
「なるほど。あなたは回復術士としても魔法使いとしても失格です」
「なんですって?」
「魔法を使うのに悪魔と契約すること、そして黒魔術を使うことはタブーです。それも魔法で殺人を犯すことよりも重いこととされています。あなたみたいな人が魔法使いや回復術士の名前を汚していくんです。詩音さん、この人は私がやります。魔法使いとして見過ごすわけにはいきません!」
ルナは今まで見せなかった怒りの表情をしていた。
「解かったここは任せる。行くぞ、クレア」
「わ、分かった。ルナ、死ぬなよ」
「任せてください!」
詩音たちは安全な場所へ避難していった。
「見過ごせないですか。あなたが私に敵うとは思えませんが」
「あまり私をなめないでほしいですね。きっと後悔しますよ?」
デリアとルナはにらみ合い、一触即発の状態だった。
詩音とクレアは、クリスタに今までの経緯を聞いた。
「なるほど、そんなことが」
「だがデリアとかいうやつ、器の小さい人だな」
「とりあえずデリアからは離れられたが、どうするかな」
「安全な場所へ隠したらルナの所へ戻るほかないだろう」
すると今まで誰もいなかった場所に突然男が現れた。
「ハスターさん。また人の悪感情を利用して遊んでるんですね」
「び、びっくりしたぁ! なんだよお前!」
詩音はいきなり現れて驚いたのでちょっとキレ気味だ。
「私ですか。私もハスターさんと同じでこの街を滅ぼしに来ました」
「さらっとやばいこと言うなよ。誰なんだお前は」
「私は魔王軍幹部、フェイロンです。ここの回復術士学校、私たちからすれば目障りでねぇ。つぶしてしまえば回復術士も現れないわけですから、こうして街ごと滅ぼしに来たわけです」
フェイロンは、長い白髪をいじりながら言う。
「もちろんあなた方人間も一緒です」
「仲間を探しに来ただけなのになんでこんな唐突なトラブルばっかり起こるのだ……」
クレアは頭を抱えた。
「そんなの、止めないわけにはいかねぇ。それにお前魔王軍幹部だったな。だったら尚更戦わないと。だからフェイロン、俺が相手だ」
「ほう、面白いですね。あなたが私の相手を?」
「そうだ。クレア、クリスタを連れてここから離れろ。それとクリスタ」
詩音はクリスタの方に向きなおし、続ける。
「お前は俺たち三人が助けてやる。だから安心して全部終わるまで待ってればいい。まだ返事もらってないからな、終わったら返事くれよ!」
「はい、はい! 詩音さん、お気をつけて」
「行くぞ、クリスタ」
二人はその場を走り去っていった。
「さて」
詩音は再びフェイロンに向き直る。
「始めますか」
「いつでもかかってきなさい」
フェイロンは構えをとった。武器はもっていない。片方の足を延ばし、もう片方を曲げ、重心を低く取る。そして両手の人差し指と中指をくっつけ、親指で支えた状態にし、軽く曲げる。まるでカマキリを想像させるような構えだ。
「螳螂拳か」
「蟷螂拳? いえ、これはマンティス・フィストと呼ばれる技です。私は魔王軍幹部一のマンティス・フィストの使い手にして風魔法の使い手。これであなたを切り刻んであげますよ」
マンティス・フィストは見た目は蟷螂拳だが、風魔法を使用する際に行われる素早く魔法を出すための儀式である。儀式事態に拳法のような動きを入れ、攻撃化することで、詠唱中の隙をなくせるだけでなく、風魔法を組み合わせたコンビネーション攻撃まで可能。しかし、習得まで行くのは難しく、魔王軍側の技術であるため人で使えるものはいない。
「魔法を使いながら蟷螂拳で攻撃してくるのか。面白い戦い方するじゃないか」
「ほめ言葉として受け取っておきます。では、行きますよ」
フェイロンの周りが圧で歪んで見えた。
「こっちも全力で行くぜ。すぐに終わるなよ?」
両者、同時に踏み込み、攻撃態勢になった。
「今日はこのあたりにしましょうか」
本を閉じ、自室へ戻ろうとすると、
「ごきげんよう。クリスタさん」
「あら、ごきげんよう、デリアさん」
デリアに挨拶をされたクリスタは挨拶を返すためデリアの方を向く。そのとき今まで暖かかった空気が冷たく刺さるように感じた。
「どうかなさいました? クリスタさん」
昨日までのデリアではないように感じた。
「あなたこそ、どうされたのですか? 昨日と様子が違うように見えますが」
「よく気づきましたわね。その通り。私は昨日までとは違うんですの」
デリアはゆっくりとクリスタに近づく。
「私はあなたが憎かったです。あなたは才能があるから。年上の私より学年が上だから。それなのに全く鼻にかけないのも気に食わなかった。力があったなら殺してしまおうと考えるほどに。あなたがどうしようもなく憎い。だから」
デリアは黒いオーラを出現させると、体に黒い紋章のような線が体を覆った。
「あなたを殺すため、悪魔と契約しましたの」
クリスタは出来る限りの全力で逃げだした。
詩音たちはクリスタのもとを訪ねるため学校へ向かっていた。
「良い返事をもらえるといいですね」
「だが昨日の今日で返事をもらえるのか?」
「行って見ねぇと分かんないだろ。それに何回も行って熱意を見せるんだ」
詩音は今日もやるき満々だ。
「それもそうですね。…………誰か走ってきますね」
走ってくる人は詩音の存在に気付くと一目散に向かってきた。
「あれ、クリスタじゃん」
「ハァ……ハァ……詩音さんといいましたね」
「そうだけど」
「あの……あの……」
クリスタは息も上がっており、冷静さを失っていた。
「お、おい。どうしたよ」
「助けてください!!」
クリスタはすがるように詩音に助けを求めた。
「そんな顔するキャラじゃなさそうなのに……何があったんだ」
「もう追いかけっこはお終い?」
デリアが追いついてきた。
「誰だ、お前」
「クリスタさんのご友人ですか? 誰でも構いませんが私の邪魔をするのなら殺しますよ?」
「なんかやべぇのが来たぞ!? クレア! クリスタを守ってやれ! ルナは何があってもいいように魔法の準備を! こいつは俺がやる」
「解かった!!」
「解かりました!!」
クレアはクリスタをかばうように立ち、剣を抜く。ルナは杖を取り出して構えた。
「よく話が分からないけど、とりあえず落ち着こうや」
詩音はまず言葉で説得してみた。
「それはあなたたちもでしょう? 剣を抜いたり魔法の準備などして、話し合いをする気があるのかしら?」
「それはごもっともだが、お前が殺すとか物騒なこと言うからだぞ」
「別に構いませんわ。私は話し合いをする気はありませんし」
「ですよね、そんな気はしてた」
デリアは黒い電を呼び出し、詩音のすぐそばに落とした。
「次はあてますわよ。さあ、早くクリスタを差し出しなさい!!」
突然ルナが前に出た。
「それ、黒魔法ですよね」
「あら、知っているの?」
「地獄、あるいは魔界から来たとされる黒魔法、それのブラック・サンダーですよね。文書で存在は知っていますが、なぜあなたが使えるのですか?」
「あなたに関係があるの?」
「早く答えなさい!」
「私は悪魔と契約してそのクリスタを殺す力を手に入れたの」
「なるほど。あなたは回復術士としても魔法使いとしても失格です」
「なんですって?」
「魔法を使うのに悪魔と契約すること、そして黒魔術を使うことはタブーです。それも魔法で殺人を犯すことよりも重いこととされています。あなたみたいな人が魔法使いや回復術士の名前を汚していくんです。詩音さん、この人は私がやります。魔法使いとして見過ごすわけにはいきません!」
ルナは今まで見せなかった怒りの表情をしていた。
「解かったここは任せる。行くぞ、クレア」
「わ、分かった。ルナ、死ぬなよ」
「任せてください!」
詩音たちは安全な場所へ避難していった。
「見過ごせないですか。あなたが私に敵うとは思えませんが」
「あまり私をなめないでほしいですね。きっと後悔しますよ?」
デリアとルナはにらみ合い、一触即発の状態だった。
詩音とクレアは、クリスタに今までの経緯を聞いた。
「なるほど、そんなことが」
「だがデリアとかいうやつ、器の小さい人だな」
「とりあえずデリアからは離れられたが、どうするかな」
「安全な場所へ隠したらルナの所へ戻るほかないだろう」
すると今まで誰もいなかった場所に突然男が現れた。
「ハスターさん。また人の悪感情を利用して遊んでるんですね」
「び、びっくりしたぁ! なんだよお前!」
詩音はいきなり現れて驚いたのでちょっとキレ気味だ。
「私ですか。私もハスターさんと同じでこの街を滅ぼしに来ました」
「さらっとやばいこと言うなよ。誰なんだお前は」
「私は魔王軍幹部、フェイロンです。ここの回復術士学校、私たちからすれば目障りでねぇ。つぶしてしまえば回復術士も現れないわけですから、こうして街ごと滅ぼしに来たわけです」
フェイロンは、長い白髪をいじりながら言う。
「もちろんあなた方人間も一緒です」
「仲間を探しに来ただけなのになんでこんな唐突なトラブルばっかり起こるのだ……」
クレアは頭を抱えた。
「そんなの、止めないわけにはいかねぇ。それにお前魔王軍幹部だったな。だったら尚更戦わないと。だからフェイロン、俺が相手だ」
「ほう、面白いですね。あなたが私の相手を?」
「そうだ。クレア、クリスタを連れてここから離れろ。それとクリスタ」
詩音はクリスタの方に向きなおし、続ける。
「お前は俺たち三人が助けてやる。だから安心して全部終わるまで待ってればいい。まだ返事もらってないからな、終わったら返事くれよ!」
「はい、はい! 詩音さん、お気をつけて」
「行くぞ、クリスタ」
二人はその場を走り去っていった。
「さて」
詩音は再びフェイロンに向き直る。
「始めますか」
「いつでもかかってきなさい」
フェイロンは構えをとった。武器はもっていない。片方の足を延ばし、もう片方を曲げ、重心を低く取る。そして両手の人差し指と中指をくっつけ、親指で支えた状態にし、軽く曲げる。まるでカマキリを想像させるような構えだ。
「螳螂拳か」
「蟷螂拳? いえ、これはマンティス・フィストと呼ばれる技です。私は魔王軍幹部一のマンティス・フィストの使い手にして風魔法の使い手。これであなたを切り刻んであげますよ」
マンティス・フィストは見た目は蟷螂拳だが、風魔法を使用する際に行われる素早く魔法を出すための儀式である。儀式事態に拳法のような動きを入れ、攻撃化することで、詠唱中の隙をなくせるだけでなく、風魔法を組み合わせたコンビネーション攻撃まで可能。しかし、習得まで行くのは難しく、魔王軍側の技術であるため人で使えるものはいない。
「魔法を使いながら蟷螂拳で攻撃してくるのか。面白い戦い方するじゃないか」
「ほめ言葉として受け取っておきます。では、行きますよ」
フェイロンの周りが圧で歪んで見えた。
「こっちも全力で行くぜ。すぐに終わるなよ?」
両者、同時に踏み込み、攻撃態勢になった。
1
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)
長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。
彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。
他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。
超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。
そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。
◆
「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」
「あらすじってそういうもんだろ?」
「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」
「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」
「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」
「ストレートすぎだろ、それ……」
「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」
◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる