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第二章★
029:賑やかな生徒会メンバー。
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■立心館_廊下
(植村 柚子)
ウチは朝日が差し込む廊下をボーと歩いています。こんな綺麗な朝日を見ていると大凶高校戦がまるで夢だったかのようにすら思えます。
だけど、戦死した人の中にはクラスメイトが16人もいました…。その中にはウチの友達もいて…もういないウチの友達…。その友達との日々が頭に甦っては消えていく。
頭の中がぐるぐるとしていた。
友達が亡くなったことは辛い…ただ、死に対してあまり考えれなくなりつつあるウチがいる。体育館で目の前で友達が切り裂かれ無惨にも殺されました。その時のまるで自分がどこにいるのか分からなくなるような悲しみなどの感情は今はもうあまりない。
自分が怖い。人が死んでいく状況があまりに多いとこうなってしまうのでしょうか。それともウチはどこか気が狂ってしまっているのかもしれない…。
そんなことを考えている時でした。
不意に背後から声を掛けられる。
「柚子ちゃん。待って待って!」
「あれ? 愛花ちゃんですか? 」
「うん。生徒会室に呼ばれたんだよね。柚子は?」
「あっ。ウチもなんですよー」
相坂愛花ちゃんは私のクラスメイトの一人。彼女のチャームポイントとなっているポニーテールを触るのは今やウチの日課となっています。今ももちろん触ってます。
「なら、一緒に行こうよ!」
「あ、はい。もちろん良いですよ」
ウチと愛花ちゃんは他愛もない話をしながら廊下を歩く。
「柚子ちゃんのその靴って凄いよね。金属になれるんでしょ? 」
「はい。ウチはこれのおかげで生き残れてるような感じです」
「武器といえば、噂なんだけど生徒会レアな武器や存在力が高い人材を集めて戦力強化をしてるみたいよ」
「そうなんですか?なら愛花ちゃんが呼ばれたのは分かりますけどなんでウチは呼ばれたんでしょうか? 」
「いや!柚子ちゃんの絶対防御は役に立つよ!だからじゃない?」
そうでしょうか。ウチはむしろ足を引っ張りそうな気がします。呪怨に出てくる妖怪並みに人の足を引っ張ります。上杉さんにもそのせいで大凶高校戦での戦いにかなりの迷惑をかけました。
「まあ、生徒会室に行ってからの楽しみじゃん!」
愛花ちゃんとウチは生徒会室に向かって階段を登って行く。
5階に到着。目の前には生徒会室の扉がある。ウチと愛花ちゃんは扉から中に入る。
――ガチャ
生徒会室中にはウチと愛花ちゃんを呼んだ草野という生徒が既にいて、会議室みたいな場所に連れていかれる。
「……そこに掛けていてくれ。お茶を淹れよう」
ウチと愛花ちゃんはパイプ椅子に腰を掛け、落ち着く。生徒会室の窓からは周りの街が一望できる。
「景色良いね。柚子ちゃん」
「結構高いところっていいよね」
コトッと音がする。お茶が置かれていた。愛花ちゃんが草野さんに聞く。
「あのー、草野さん以外の生徒会はここにはいないんですかー」
「……会長達は新メンバーの修行だ。由川は新メンバーと新制服を全校生徒に配布中だ」
草野さんも座る。お茶に口をつける。前髪が長くて目が隠れている。寡黙で雰囲気は大人しい。ギャルゲの主人公みたいって思ったのは内緒…。
ガチャっと扉の開く音がする。
「よっ、金属女」
「上杉さん!?」
姿を現したのは大凶高校戦で一緒に戦った上杉さんだった。
「お互い生き残れてよかったな」
「はい!上杉さんも生徒会ですか?」
「まあな。多分、お前らもだろ?」
「……その通り」
草野さんは段ボールに詰められた袋をウチと愛花ちゃんに渡す。
「それは強化制服だが生徒会仕様の白デザインだ」
ウチと愛花ちゃんは呆然とし、話についていけない。上杉さんと草野さんの言っている意味が分かったのはしばらくしてからでした。ウチ達は着替え終わる。
「どうよ、柚子から見て似合ってる? 」
「はい。似合ってますよ。ウチはどうですか?変でしたら言ってください」
「いやいや。普通に可愛いよ。襲ってええ?」
「こここ、困ります!」
「ええじゃないかー。はぁはぁ」
愛花ちゃんは中身はきっとおっさんなのだろう。ウチと愛花ちゃんはまた会議室に行く。
生徒会室に入ると上杉さんと草野さんが何かをしていた。
「上杉さんと草野さんは何を見てるんですか? 」
大きなモニターみたいのが宙に浮かんでいる。
「ああ、ナイトメア中を偵察してるんだ。ただ、対戦相手高校だけだがな」
草野さんの能力のようで草野さんの右手が薄く、青白く発光している。
「へー、便利な能力ですね。それで相手校の何を見てるんですか?」
私はモニターが気になっていた。
「学校名は星華高校。スポーツ推薦のある高校で殆どの部活動が全国区で有名だ。ちなみに頭も良くて偏差値はおよそ60の進学校だ」
「……文武両道だ。戦闘力は全生徒がハイレベルだ」
星華高校はちょっと思入れがあったりする。ウチが高校受験で落ちてしまった所なのです。不良の多い大凶高校とはまた別の強さがある気がする。
モニターは星華高校の校舎を外見から見ていた。小高い山の上に建っている。学校を囲む斜面は芝生になっていて『青春の丘』といって部活動の休憩として寝転ぶ人が多くこの学校の名物だったりする。写っている映像を見てやはり設備の整った学校だとウチは思います。
「どうやってここと戦うんですか? 」
「……籠城を考えている」
「籠城? え?籠るの?」
愛花ちゃんが聞く。
その時だった。
――バンッ
大きな音を立てて、生徒会室の扉が突然開く。
「配り終わったぞー。あたいをこき使わしたんだ。アイスを出しやがれ! もしくは命を出しやがれ!」
「アリスちゃん待ってよー」
金髪で外人のような綺麗な女の人が入ってくる。その女子生徒を追いかけるように肩ぐらいまでの栗色の可愛らしい女の子が入ってくる。同じクラスだったから知っている。いつも真君や恭二君といる沙也加ちゃんだ。
「沙也加は苛つかないか?あたいをいきなり生徒会に入れるし、制服配りさせるし!」
「まあまあ、抑えて抑えてー」
「生理でもないのに苛々する!よし、あの副会長の頭を割れたザクロのようにしてやる! 」
金髪の女の人を沙也加ちゃんが宥めている。
「あれ、上杉さん?何をしてるんですか?」
沙也加ちゃんは上杉さんに気が付き、ハーフみたいな人と一緒に近づいてくる。
「よう。三島とアリスはもう仕事は終わったのか?俺は次の敵校を調べてる」
「終わりましたよー!なかなか生徒会の仕事も大変ですね」
「あー!疲れたー!ちょっと撃っていいか上杉?」
「おい!危ないって。拳銃だすな!」
「だめ?」
「可愛らしく言っても駄目だ…」
アリスと上杉が話していると、不意に背後に気配を感じウチ達が振り返る。可愛らしい巨乳の女性がいた。
「庶務の仕事をしている由川 姫ですわ。仕事がありますの」
ウチ達四人は挨拶をし、由川さんを見つめる。ずいぶんと可愛らしい人だ。どこか落ち着いていて大人に見える。
「じゃあ、ついてきてください。色々と雑用がありますから」
アリスだけは不機嫌そうに鼻を鳴らしていた。そして愛花ちゃんは巨乳に興奮していた。
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