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第二章★
028:草薙刀の本当の能力。
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■元※大凶高校校舎
(大和 真)
「さて、ここだったわね」
会長は大凶高校の校舎に入る。
廊下を迷いなく歩く。まだ廊下には死亡者の所持していた武器がいくつも転がっている。
俺と会長はある部屋の扉をガラガラと開ける。そして中に入る。あの応接間だ。
「ついてきなさい」
「あ、はい…」
俺は恐る恐る会長に続き、扉の向こうの地下へと続く階段を歩く。
成り行きで生徒会に俺はなったけど本当に良いのだろうか?恭二はともかく俺も沙也加も生徒会長曰くポン雑魚ならしいし。
そもそも俺は大凶高校戦ではただ、逃げていただけだからまごうことなきポン雑魚である…。修行したところで俺には…何ができるのだろう。
地下の錆びた鉄の扉を会長がこじ開け会長の後に続くように俺も入る。
相変わらずの広い空間。建設中の建物ももちろんそのまま。
広い空間にいく。
周りには特に何もない。
「………」
会長はいきなり手を前に突きだすと青白く発光する。鏡を召喚される。
「さて、ここら辺で良いかしら……。修行よ。早く抜刀しなさい」
「…はい」
俺は少し躊躇うが草薙刀を鞘から抜き取り前に構える。
草薙刀からはまた刀身の部分から水が溢れる。周りの地面を水で満たしていく。
「あなたはポン雑魚だけど存在力は相当高いわ。伸びるかもしれない。」
「え?そうなんですか?」
「きっとね。あなた以外の沙也加さんと恭二君にもここで私や草壁とトレーニングをしてもらうわ」
手の空いていた俺からまずは見てくれるらしい。
「不思議な刀ね。どんな技があるのか楽しみね」
足元に敷かれた水を見ながら会長は言う。かなりの広範囲に薄く水が敷かれていて、当然会長の足も水に浸かっている。
「取り敢えず…きなさい」
「え!?」
「いいから来なさい。刀を構えて私を殺す気で来なさい」
俺は考えていた。実際に刀を手に持つと本当に人を殺めてしまう可能性を考えてしまう。俺はまたも動けずにいた。
「あなた…人より少し…。まあ、いいわ。それなら動けるようにしてあげるわ」
会長の右手に浮かぶ鏡が不意に青白く発光する。そして機械の音声が鳴る。
━━━━━━━━━━━
※技発動!
―――――――――
★合わせ鏡の残像
━━━━━━━━━━━
鏡から次々とガラスでできた人間のような分身が出てくる。何体出てくるんだ?
「さあ、あなたもやってみなさい。これなら人じゃないわ。戦えるでしょ?」
ガラスの分身は俺に遠慮なく迫ってくる。ガラスの分身はナイフを持っていて普通に振り下ろしてくる。俺は慌てて転がり回避する。そして距離をとろうと走る。
水飛沫があがる。
あれ…?
俺はなんか周りが遅い?それとも俺が早くなっているようなそんな気がした。
ガラスの分身がまた俺の背後から迫ってくる。俺は跳躍し回避する。建物二階分は飛んだのではないか。俺は遥か下にいるガラスの分身を見下ろす。刀を頭上に掲げる。
「オォォオォォオォォオオオオオオオオオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオォォオオオオオオォォオォォオッ!!!!」
草薙刀を迷わず振り下ろす。
一つ思う。
大凶高校で教室での初の戦い。
体育館での人の死。そして地下施設で自分の死を間近に感じた。死なないために……皆を殺させないために強くなりたい…。生き残るためなら力は必要だ。逃げることにだって当然、力はいる。
戦う決心なんて未だないけど、
死にたくはない。だからこそ死なないために強くなりたいと思ったんだ。
突然、草薙刀は今までにないくらいに眩しく青白い光を放ち始めた。
まるで俺を何かに導くかのように。
俺はそのままガラスの分身を両断した。
…………
……
…
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