『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

なすか地上絵

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第三章★

066:次の日、休息明け。

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――次の日、早朝
■生徒会室_仮眠室
   (大和 真)

 差し込む朝日に起こされ、目を覚ます。

 周りを見渡すと恭二や草壁さんはまだぐっすりだった。寝室は40平米はあり、そこそこ広い。2段ベットがいくつかあり、俺は上段で寝ていた。

 俺はまだ布団から出る気に慣れずボーと天井を見つめていた。星華高校戦をなんとか切り抜け、そして生き残っている。

「………………」

 疲労はすっかり取れたが、精神的な疲労を感じる。まだこの世界に来てから1週間も経っていない。だけど既に学校間大戦は2回戦まで終えている。なんか、体感はもう半年はいる様な感じ。

 全国じゃ、あとどれくらいの高校があるんだろう。そして、戦いに終わりはいつくるんだろうか?

 俺は手から草薙刀を召喚し、それを寝ながら見る。不思議な刀だ。俺を何度も助けてくれている。

 この刀の能力は不思議で、他の武器とは雰囲気自体、違う気がする。

 そういえば…

 今度は左手から俺は一冊の本を召喚する。

 大凶高校戦を終えた時、いつの間にか持っていたこの本。この本の手に入れる過程の記憶がストンと抜け落ちているかのように感じる。

 俺は本を数ページ捲るがやはり、なにも書かれてはいなかった。

「……まったく。謎だらけだ」

「何がだ?」

「恭二? 起きてたの? 」

 恭二が目を開け、枕に肘を付きながら、俺の本に視線を向けていた。

「真って本なんて読んでたっけ?」

「いや、なんかいつの間にか買ってたみたいで……」

「なんだそりゃ」

恭二は少し笑っている。
俺は左手から本を消し、草薙刀も消した。

「別になんでもないさ。そうだ。起きて、会長の所に行こうよ」

 恭二は頷き、俺達は制服に着替える。


◇◇◇◇◇◇

――生徒会室――

 生徒会室にある窓は全て全開になっている。今日はわりと温かいからだろうか。少し温かい風が生徒会室を漂っている。秋の快適な風を感じる。

「あら、あなた達、なかなか早起きね。しっかり寝れたかしら?」

 会長は生徒会室のコーヒーメーカーからコーヒーを煎れてくれる。まるで休日の父親みたいだ。

 生徒会室には天王星がいて、何故か二人は涙ぐんでいた。

「どうしたの天王星?」

 俺が聞くと、天王星は苦笑いしながら言う。

「この会長、恐すぎです。俺、まだ寝てたのに無理矢理起こしたんですよ」

「あら、その方が男は喜ぶって聞いたから」

 場合による。例えば、沙也加が馬乗りになって「もう。早く起きないと遅刻しちゃうわよ」って言いながら起こしてくれたらそれはそれは嬉しい。だけど会長の場合は即起きないと殺されそうで焦りしかないだろう。気持ちは分かる。

 「なんか失礼なこと考えてないかしら?」

「滅相もございません!」

 この方はエスパーでしょうか。
 会長が微笑みながら、椅子に座る。

 天王星はまだ少し眠そうだ。銀縁メガネのレンズを拭きながら欠伸をしている。てか、今日の俺の仕事って天王星や他の戦力候補を連れてくるんじゃなかったっけ?結局会長がやっちゃってる…。

 不意に扉が乱暴に開かれる音がする。

「おはよう!よく休んだぜ!」

 アリスも起きたようだ。
 人のこと言えないがかなり早起き。

「あら、アリスおはよう」

「あたいも珈琲欲しい!ドブラックで」

 天王星がアリスを見てキョトンとしている。気持ちはめっちゃ分かる。星華高校にもいないタイプだろう。

「あの狂犬……女子生徒も生徒会でしょうか?」

 小さな声で俺に耳打ちで聞いてくる。俺はコクコクと頷く。恭二も隣で苦笑いしていた。

「さてと、せっかくだから早起きしてくれたメンバーには先に本日の事務連絡をしましょうかしら」

 会長はコーヒーを一口飲んだ後、A4プリント3枚綴りを全員に回す。俺達はプリントに目を通しながら頷く。

「まず、最初にだけど私達は2回戦目もなんとか勝利をした。ここから先は少しルールが変わるみたい。第二ステージというみたいね。ステージが変わることもあって休戦期間は5日間あるわ」

会長の話は続く。

「第二ステージの内容はまだ不明だけど、第二ステージに向けて私達にはやらなきゃいけないことがいくつもあるの」

 俺達は頷く。確かにこの期間は大事だ。俺は自分自身の力不足を痛感していた。

 会長は指を折りながら、カウントしながら話す。

「一つは校舎の修理及び改築強化、二つ目は情報収集。そして三つ目が全体Lvの底上げよ」

「……確かにLvは大事だな。今や生き残っているのは最低でもLv70ぐらいはあるらしいしな」

 俺、沙也加のLvはまだ平均前後くらいだ。生徒会メンバーはかなりLvが上がってきているが底上げが必要なのは確か。

 正直、Lv差を考えると星華高校によく勝てたと思う。

「各自Lvは110以上に底上げしなさい。特にあなたよ」

 会長は俺を見ながら言う。
 頑張らないといけない。

「ふぃ~。おはよ~」

 沙也加が目を擦りながら生徒会室に入ってくる。

「そしてあなたもよ」

「? ? ? 」

 そこからも会長は話し続ける。第二ステージについてはどうも通達があるみたい。それがMSPからなのかクチナワからの全国放送?なのか全て未定。ルールが変わるみたいだし、今後どうなってくるんだろう。

 これまでは近隣の高校と生き残りをかけて戦っていたけど、これからは例えば別の県の高校とも戦ったりしていくのだろうか。

 このタイミングで情報解禁が多いらしく、少し気になる。

「第二ステージについては分かり次第伝えるわ。学校の修繕改築はこれから考えるとして、取り急ぎあなた達にはLv上げを本日はしてて欲しいわ」

 学校の修繕改築は色々メニューもあるみたいだし、すぐに決断できることではない。情報収集は草野さんを主軸にやってもらえるとして、となると俺たちに今できることはLv上げくらいだろう。とても大切だけど。

 俺は隣で思案顔の恭二に話しかける。朝から険しい顔をしてるからまだ眠いのかな。

「俺らも修行するか恭二? 」

「いや、俺はいいや。あとでにする」

 恭二は何故か断り、部屋から出ていく。トイレだろうか生徒会室には俺、沙也加、天王星だけになる。

「じゃあ、三人で修行しない?」

「うん。良いね!私もLv早く上げないと」

 沙也加は乗り気みたいだ。
 天王星にも聞いてみた。

「俺も良いですよ。じゃあ、どこで修行します?」

「校庭めっちゃ広いしどうかな?」

「うん」

 俺達三人は修行するために生徒会室から出ていった。

…………
……
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