『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

第三章★

077:ジプシードール退治。

さらさらと爽やかな風が通り過ぎる。
俺達は木々に囲まれていた。

空気が美味しい。
マイナスイオンを感じる。

「森…ですかね？」

飛鳥が呟く。

「おいおい、なんかピクニックみてーじゃねーかよ」

アリスが呆然としている。

確かに天気も良いみたいで、木々の隙間からは太陽の光が射し込んでいる。

俺達がさっきまでいたクエスト会場や立心館のあたりは曇り空だったので不思議な感じ。

するとアリスのMSPから突如、アナウンスが流れる。

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クエスト開始。
道なりに進んでください。
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アリスがクエストの受付をしたからなのかな？アナウンスはアリスのMSPからしか流れない。

「あっちみてーだな。よっしゃついてこい」

はりきりながら先陣を切ってくれる。
そんなアリスに俺と飛鳥がついていく。

するとクエスト名にもあった通り、古びた城が道の先に姿を現す。

「へー結構大きいですね。シンデ○ラ城ぐらいはあるんじゃないですか？」

「けっ、ネズミがわんさかいそうだなこりゃ」

そのセリフはぎりぎりアウトじゃないかな。俺は聞かなかったことにしよう。

「ここになんたらドールがいるんだよね？出てくるのをどんどん倒していく感じだよね」

俺が2人に聞くとその瞬間、アリスのMSPからまた、アナウンスが入る。

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目的地到着。
古城に入ってください。
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「だってよ。いくぞオメーら」

「はいはい」

俺達は武器を召喚する。
いつも通り俺の右手には草薙刀が現れる。

俺は強くならないといけない。
これまでは運が良かっただけだ。

次こそは実力がないと本当に死ぬ…。
俺も沙也加も恭二も…。

絶対に強くなってやる。
まずはLevel100越えだ。

俺達は古城に向かって走り出した。

クエストの内容は非常にシンプル。

古城に住み着いたジプシードールをひたすら倒すというもの。

ジプシードールは人型のようだけど、黒いローブを羽織っていて地面から少し浮かんでいる。

城内のそこらじゅうにいる。
廊下にもいるし、部屋にも必ずと言って良いほどいる。

不気味な声を上げながら俺達に迫ってくる。それを俺達はひたすら倒し続けた。

ジプシードールのステータスはかなり高く平均でLevel75ぐらい。俺とそんなに変わらない。

苦戦しながらも俺は一体ずつ確実に倒していく。もう何匹倒したのかわからない。たぶん20体くらいは倒したと思うけどもう数える余裕もないので途中からはカウントしていない。

古城内は薄暗く、床も所々抜けている。足場が悪い中での戦闘はかなり疲弊するが、俺は早く強くなりたくてがむしゃらに草薙刀を振り回した。

終盤にはLevel130の大型ジプシードールが出てきた。このクエストのラスボスみたいで、相当強かった。

アリスと飛鳥がいなければ俺は瞬殺されていたと思う。

3人でなんとか少しずつ敵のHPを削ることでようやくこのクエストをクリアすることができる。

クエスト終了後、俺達のステータスはそこそこ上がっていた。特に俺は遂にLevel100を越えることができていた。

所要時間としては3時間くらいだった。
その後も俺達はそこまで難しくなさそうなクエストをいくつか受けることにする。

立心館に帰ったのは夕方だった。