どうしてこんなに

HighMountain

文字の大きさ
上 下
5 / 10

楽しくない

しおりを挟む
ついあがってしまったけど、絶対きまずいぞこれ。さて、しょうがないから存分に楽しもうか!内心不安より喜びが勝ってしまっていた。
「おおー!凄い!ちょー綺麗じゃん!!しかも広い!!そ、し、てーいいにおーい!!」っあ。
最後のは余計だった。
「お、おう!あんがとなー。ところで、はいっ!タオル。はやくしないと風邪ひくよ?」
なんて優しくていいやつなんだ!だからすきになっちゃうんだよ!お前のせいなんだからな!くそっ!お前モテてんのきずいてないのか?天然なのか?それはそれで可愛いんだけど!!俺以外に笑顔をで話すなよ!優しくするなよ!くそっ。本当に…
「言えたら楽なのに…」

「ん?なんかいった?」

耀君の言葉で我に戻った渉は急いで顔と頭を拭くと、

「いいや?なんでもない。」
誤魔化すように、明るくふるまった。
「じゃあ傘貸すからもう帰ったら?もう遅いよ?」
「えっ?でも…」
帰りたくない!やだよ!ずっとここにいたいよ!なんでわかってくれないの!?あーもう!
思っていたよりずっとたのしくない。

「あっ。そうか!そうえばなんでここにいたの?あと、ここから学校はー、走っても15分くらいかな?あるいたら40分くらいはかかるんじゃないかな?」

「そう!迷っちゃったんだよ!」長引かせなきゃ
「どういったら家につくのかわからない!」
少しでも長くそばにいるために。

「そっかー。そりゃ大変だ!学校までおくろうか?」
きたっ!
「えっ?いいの?」
「もちろんだよ。友達が困っているんだから、助けるのが普通でしょ?」
普通そこまでしてくれないよ。でも、本当にありがとう。俺のわがままのために。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな?」

いつもと違う帰り道。2人で歩く帰り道。雨の中、渉はあるきだした。


しおりを挟む

処理中です...