異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部

文字の大きさ
11 / 94
1章 異世界へ

『ココナツ村』へ

しおりを挟む
 『ココナツ村』という小さな村に行くため、俺たちは馬車を借りれる建物にやってくる。
 そして馬車の運転ができない俺たちは、馬車を借りることに加え、運転手も雇うことにした。

「ウチはミナミと言います!よろしくお願いします!」

 “ガバっ!”と勢いよくミナミさんが頭を下げる
 オレンジ色の髪をショートカットにした活発系の美少女。
 見た目からして俺たちよりも若く、カナデよりも背丈が小さい。

「私はカナデだよ!よろしくねー!」
「俺はアキトだ。よろしく、ミナミさん」
「ミナミで構いません!ウチはまだ成人したばかりの15歳なので!」

 この世界は15歳からが成人とされており、15歳ともなれば親元を離れて仕事をしている人が多い。

「では出発しようと思いますが……本当に荷物はこれだけでよろしいのですか?非常食とかありませんが……」
「あぁ、問題ない」

 俺たちの手には武器とカモフラージュ用の手提げカバンしかないため不思議に思ったミナミだが、俺たちは異空間ボックスがあるので問題ない。
 できる限りスキルは隠していく方向だったが、さすがに1週間の長旅で隠し通すのは無理だと判断したため、ミナミには後々話す予定だ。
 ちなみにコッソリとミナミを鑑定した結果、善人であることは把握している。

「分かりました。大荷物があった場合はウチだと運転できないので軽い方がありがたいです」

 ミナミは運転手として新人の部類に入るらしく、大きな馬車は運転できない。
 そのため4人程度を運ぶことができる小型の馬車が担当らしい。

「お二人を必ず目的地までお連れしますね!」

 こうしてミナミを加えた3人で目的地である『ココナツ村』まで向かった。



「え!ミナミちゃん、誰ともお付き合いしてないの!?」
「お恥ずかしい話ですが、まだお付き合いをした経験はなくて……」
「えー!ミナミちゃん、すごく可愛いのに!」

 出発してから約2時間。
 カナデは運転中のミナミとガールズトークを繰り広げている。
 その間、俺は2人の会話を聞きつつ索敵スキルと危機察知スキルを使用して周囲の警戒を行っている。

「そ、そんなことはないと思います。ウチ、元気しか取り柄がないアホな子なので。それよりカナデさんが誰ともお付き合いしてないことの方が驚きです!」
「私はお兄ちゃんよりもカッコ良くて強い人にしか興味ないからね!」
「アキトさんよりカッコ良い人となれば難易度は高いですね。アキトさん、ものすごくカッコいいので」
「そうなんだよねー。だから私がずっと独り身だったらお兄ちゃんに貰ってもらうしかないね」

 そう言って“チラッ”と俺の方を見る。

「血の繋がった兄妹が結婚できるわけないだろ」
「あいたっ!」

 アホなことを言うカナデの頭にチョップを喰らわす。
 そんな会話をしながらのんびり過ごした。



 しばらく移動したら日が落ちてきたため、野営の準備に取り掛かる。

「魔物や盗賊に襲われなくてよかったね」
「あぁ。索敵スキルを使っていたが、俺たちに近づく人はいなかったぞ。おそらく冒険者か行商人だな」
「うんうん!じゃあ早速……っ!テレテレッテレー!お肉とお野菜ー!」

 初めての野営ということでテンションの高いカナデが異空間ボックスから食材を取り出す。

「ふえっ!?えっ、何もないところから沢山の食材が!も、もしかして異空間ボックスを持ってるんですか!?」

 その様子を見てミナミが驚く。
 この世界も小説同様、異空間ボックスが付与されているアイテムバッグは高級品なため、俺たちの想像通り、異空間ボックスはレアなスキルのようだ。

 ちなみにアイテムバッグとは異空間ボックスのスキルが付与されているバッグのこと。
 かなりの高級品で金貨何百枚もするらしい。
 そのため異空間ボックスのスキルを他人に見せたら危険を伴うが、ミナミは善人だと賢者さんが言うので信頼している。

「ミナミちゃん、このことは黙っててね。黙ってくれたら私が美味しい料理を振る舞うから」
「え、ウチの分の料理も用意してくれるんですか?」

 通常、馬車での移動時は各々が食料を準備するため、ミナミの反応は正しい。
 そのため非常食を手に持っているミナミが問いかける。

「もちろん!私たちは一緒に旅をする仲間だからね!」
「俺たちだけ美味しい料理を食べるのは気が進まないからな。もちろん、この件を黙ってくれたらの話だけど」
「アイテムバッグのことは誰にも教えず、墓場まで持っていきます!」
「よろしいっ!」

 との言質をいただいたので、カナデが調理器具を取り出し調理を始める。

「今日のご飯はなんだ?」
「今日はすき焼きだよ!やっぱり仲良くなるには一つの鍋を囲むのが手っ取り早いからね!」

 ミナミとは十分仲良くなったと思うが、カナデ的にはまだまだらしい。
 鼻歌を歌いながら手際よく野菜を切り、料理をしている。

「すき焼きという料理は知りませんが良い匂いですね」
「俺たちの故郷では豪勢な料理の一つだ。すごく美味しいから楽しみにしてていいぞ」
「はいっ!」

 “ワクワク”っといった様子でカナデの調理を眺めるミナミ。
 地球にいた頃は基本的にカナデが家事全般を担っており、料理の腕前に関してはプロ級だった。
 この世界に転移してからは家事スキルLv.MAXを遺憾なく発揮し、見たことも聞いたこともない食材を使用して絶品料理を作っている。
 しばらくカナデの調理を眺めていると「できたー!」との声が聞こえ、カナデが俺たちのところに鍋を持ってくる。

「食べようか」
「うん!いただきまーす!」
「いただきます」
「いただき……ます?」

 俺たちの言葉にミナミは首を傾げるが、俺たちの真似をして食べ始める。

「っ!美味しいです!」
「良かったぁ。ミナミちゃんのお口に合うか心配だったんだ」
「こんなに美味しい料理、今まで食べことありませんよ!」
「そ、そんなに褒めなくてもいいよ!」
「いえいえ!お世辞抜きで美味しいです!」
「あぁ。カナデの料理は絶品だからな。今日のすき焼きも美味しいよ」
「えへへ~、ありがと~!」

 俺たちの褒め言葉にカナデが嬉しそうな顔をする。

 その後、みんなで談笑しながらすき焼きを堪能した。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ
ファンタジー
無才・貧乏・底辺高校生の稲生アキラ(イナセアキラ)にゲームの悪役貴族が憑依した。 悪役貴族がアキラに話しかける。 「そうか、お前、魂の片割れだな? はははははは!喜べ!魂が1つになれば強さも、女も、名声も思うがままだ!」 アキラは悪役貴族を警戒するがあらゆる事件を通してお互いの境遇を知り、魂が融合し力を手に入れていく。 ある時はモンスターを無双し、ある時は配信で人気を得て、ヒロインとパーティーを組み、アキラの人生は好転し、自分の人生を切り開いていく。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...