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1章 異世界へ
ハニートラップ
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「おめでとうございます!アキトさん!カナデさん!」
フィリアさんとの会話を終えた俺たちは部屋を出て、レーネさんの下へ向かう。
するとレーネさんが全力でお祝いしてくれた。
「お二人なら必ずAランク以上の冒険者になると思いました!」
“パチパチパチっ!”と自分事のように祝ってくれるレーネさん。
こういうところがレーネさんの良いところだろう。
「これで最強パーティーの完成ですね!ここまで強いパーティーは見たことありませんよ!」
Sランク冒険者が2人もいるパーティーは史上初に加え、他のメンバーもAランク上位なため、これ以上ない完成度だ。
「周りの人たちも注目してますからね!」
そう言われ、周囲を見渡す。
「アイツが最速でSランク冒険者になった男らしいぞ」
「聞いた話によると、崩壊したS級ダンジョンのボスをほぼ1人で倒したらしい。しかもロイド公爵に雇われてたAランク冒険者を一瞬で無力化したらしいぞ」
「マジかよ。そりゃSランク冒険者になるわ。どこのパーティー所属なんだ?」
「『彗星パーティー』らしいぞ」
「えっ、じゃあSランク冒険者が2人も居るパーティーが完成したのかよ。今後の活躍が楽しみだな」
「あぁ。美少女ばかりのパーティーに加入した点についてはは羨ましすぎて殺したくなるが」
「殺意を向けるな。瞬殺されるぞ」
等々の話し声が様々な場所から聞こえてくる。
「今は冒険者たちしか告知されてませんが、いずれアキトさんがSランク冒険者になったことは町中に広まると思います。だからアキトさんは注意が必要ですね」
「……?何にですか?」
「もちろん、女の子による罠ですよ」
「女の子による罠……ですか?」
「はい。おそらく、数多の女性が仕掛けてきます」
「レーネの言う通り、アキトは注意が必要」
レーネさんの言葉にルナが同意する。
そして詳しく説明してくれる。
「Sランク冒険者になったということは稼ぎが良いということ。だから玉の輿を狙ってる変な女が必ず現れる。それに簡単には知ることのできないレアな情報を持ってると思い、近づいてくる女もいる。例えば、ダンジョンでのオススメ攻略法とか」
「あー、なるほど」
つまりハニートラップに気をつけろということか。
「多分、大丈夫だと思いますよ。見知らぬ女性とは深く関わらないようにしてますから。もちろん、ルナたちの知り合いとなれば話は別ですが」
そう言って問題ないことを伝えるが、ルナたちの反応は微妙だ。
「お兄ちゃん、ロイド公爵の家に潜入した時、リナリーさんの胸に興奮してたらしいですよ」
「大きい胸に欲情するアキトは危険。簡単に弱みを握られそう」
「アタシらがしっかり守ってあげないといけないわね」
「はいですわ!」
「………」
(もうちょっとパーティーメンバーである俺を信頼してもいいんじゃないかなー?)
とは思ったが、リナリーさんの胸を凝視してしまったのは事実なので反論できない。
「私たちでお兄ちゃんを守りましょう!」
「ん。周りの知り合いにも声をかけとく。といっても、数人くらいしか思い浮かばないけど」
「リナリー様にも声をかけておきますわ。隠密や偵察などが得意なので頼りになると思います」
「あ!ならリナリーさんを『彗星パーティー』に誘うのはどうかな!?」
「確かに心強いが、暗部に所属してるリナリーさんが加わるのは無理だろ」
「もちろん一筋縄ではいかないのは分かってるよ。だからお兄ちゃんに口説き落としてもらおうかなーって。お兄ちゃんのことが大好きになれば絶対加わってくれるからね」
「俺が口説いても笑われるだけだよ」
『あははっ!アキトっち、全く似合ってないよ!』と言われるのが目に見えている。
「そんなことないと思うけどなぁ」
しかしカナデは納得していない様子。
するとレーネさんが口を開き、リナリーさんについて語る。
「リナリーさんは自分の意思で暗部に所属しております。おそらく心境の変化がない限りは暗部を続けると思いますよ。リナリーさんにも過去、色々ありましたからね。誘わない方がいいと思います」
「うぅ。分かりました」
レーネさんの言葉を聞き、カナデが諦める。
「では、皆さんは今からどうされますか?」
「ん。パーティーを結成したばかりだからお互いの実力を確認したい。だから『雷光ダンジョン』に行く予定」
『雷光ダンジョン』とは王都近くにあるA級ダンジョンだ。
「このメンバーであれば問題ありませんね」
「ん。アキトたちのいない状態でも問題なかった。今なら余裕」
「ふふっ、そうですね」
レーネさんが色々と手続きを行った後、5人で『雷光ダンジョン』に向かった。
フィリアさんとの会話を終えた俺たちは部屋を出て、レーネさんの下へ向かう。
するとレーネさんが全力でお祝いしてくれた。
「お二人なら必ずAランク以上の冒険者になると思いました!」
“パチパチパチっ!”と自分事のように祝ってくれるレーネさん。
こういうところがレーネさんの良いところだろう。
「これで最強パーティーの完成ですね!ここまで強いパーティーは見たことありませんよ!」
Sランク冒険者が2人もいるパーティーは史上初に加え、他のメンバーもAランク上位なため、これ以上ない完成度だ。
「周りの人たちも注目してますからね!」
そう言われ、周囲を見渡す。
「アイツが最速でSランク冒険者になった男らしいぞ」
「聞いた話によると、崩壊したS級ダンジョンのボスをほぼ1人で倒したらしい。しかもロイド公爵に雇われてたAランク冒険者を一瞬で無力化したらしいぞ」
「マジかよ。そりゃSランク冒険者になるわ。どこのパーティー所属なんだ?」
「『彗星パーティー』らしいぞ」
「えっ、じゃあSランク冒険者が2人も居るパーティーが完成したのかよ。今後の活躍が楽しみだな」
「あぁ。美少女ばかりのパーティーに加入した点についてはは羨ましすぎて殺したくなるが」
「殺意を向けるな。瞬殺されるぞ」
等々の話し声が様々な場所から聞こえてくる。
「今は冒険者たちしか告知されてませんが、いずれアキトさんがSランク冒険者になったことは町中に広まると思います。だからアキトさんは注意が必要ですね」
「……?何にですか?」
「もちろん、女の子による罠ですよ」
「女の子による罠……ですか?」
「はい。おそらく、数多の女性が仕掛けてきます」
「レーネの言う通り、アキトは注意が必要」
レーネさんの言葉にルナが同意する。
そして詳しく説明してくれる。
「Sランク冒険者になったということは稼ぎが良いということ。だから玉の輿を狙ってる変な女が必ず現れる。それに簡単には知ることのできないレアな情報を持ってると思い、近づいてくる女もいる。例えば、ダンジョンでのオススメ攻略法とか」
「あー、なるほど」
つまりハニートラップに気をつけろということか。
「多分、大丈夫だと思いますよ。見知らぬ女性とは深く関わらないようにしてますから。もちろん、ルナたちの知り合いとなれば話は別ですが」
そう言って問題ないことを伝えるが、ルナたちの反応は微妙だ。
「お兄ちゃん、ロイド公爵の家に潜入した時、リナリーさんの胸に興奮してたらしいですよ」
「大きい胸に欲情するアキトは危険。簡単に弱みを握られそう」
「アタシらがしっかり守ってあげないといけないわね」
「はいですわ!」
「………」
(もうちょっとパーティーメンバーである俺を信頼してもいいんじゃないかなー?)
とは思ったが、リナリーさんの胸を凝視してしまったのは事実なので反論できない。
「私たちでお兄ちゃんを守りましょう!」
「ん。周りの知り合いにも声をかけとく。といっても、数人くらいしか思い浮かばないけど」
「リナリー様にも声をかけておきますわ。隠密や偵察などが得意なので頼りになると思います」
「あ!ならリナリーさんを『彗星パーティー』に誘うのはどうかな!?」
「確かに心強いが、暗部に所属してるリナリーさんが加わるのは無理だろ」
「もちろん一筋縄ではいかないのは分かってるよ。だからお兄ちゃんに口説き落としてもらおうかなーって。お兄ちゃんのことが大好きになれば絶対加わってくれるからね」
「俺が口説いても笑われるだけだよ」
『あははっ!アキトっち、全く似合ってないよ!』と言われるのが目に見えている。
「そんなことないと思うけどなぁ」
しかしカナデは納得していない様子。
するとレーネさんが口を開き、リナリーさんについて語る。
「リナリーさんは自分の意思で暗部に所属しております。おそらく心境の変化がない限りは暗部を続けると思いますよ。リナリーさんにも過去、色々ありましたからね。誘わない方がいいと思います」
「うぅ。分かりました」
レーネさんの言葉を聞き、カナデが諦める。
「では、皆さんは今からどうされますか?」
「ん。パーティーを結成したばかりだからお互いの実力を確認したい。だから『雷光ダンジョン』に行く予定」
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「このメンバーであれば問題ありませんね」
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