少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部

文字の大きさ
24 / 84
芸能界編

演技指導 2

しおりを挟む
 リンスレットの後に続き、ミレーユさんの部屋を目指す。
 しばらく歩くとリンスレットが1つの部屋の前で立ち止まる。

「こちらの部屋になります。ちなみに防音対策はバッチリですので、大きな声を出しての演技練習も奥様にはバレません。つまりエッチなことをしても大丈夫ということです」
「そんなことしないから!」

 防音対策の情報は必要だが最後の一言は不要すぎる。
 そう思ってのツッコミだったが、リンスレットは俺のツッコミを無視して何かを取り出す。

「あ、忘れなうちにコチラをお渡ししておきます」
「ん?なんだ?」

 俺はリンスレットから小さな正方形の物を数個渡される。

「コチラはしっかりと使用してください。でないとお嬢様が芸能活動できなくなりますので。ちなみに薄さは0.01mmのゴムとなります」
「いらんわ!」
「も、もしかしてそれを使わない予定ですか!?そ、それはメイドとして止めなければならない案件になるのですが」
「違うわ!俺は今日、ミレーユさんに演技するにあたってのコツを教えてもらいに来たんだよ!」
「はて?そのような予定、私は聞いておりませんが」
「さっきガッツリ俺が来た目的を口にしてただろうが!」

 ツッコミどころしかないやり取りに疲れてしまう。
 そのタイミングで「お待たせしました!」とミレーユさんが駆け寄って来た。

「ではお嬢様とのお部屋デートを楽しんでください。あ、手に持ってるゴムはポケットにしまった方がいいですよ」
「確かにそうだな。見つかる前にポケットへ……っていらんわ!」
「ではお嬢様。私は奥様が来られないよう見張っておりますので、頑張ってください」
「うん!ありがと、リンスレット!では行きましょう!シロ様っ!」
「いや待って!俺のポケットには必要のない物が――」

 そう言いながらリンスレットを見ると、可愛い顔してサムズアップしていた。

(確信犯かよぉぉっ!)

 こうして俺は爆弾とも言える物をポケットに忍ばせることとなった。



 ミレーユさんと一緒に部屋へ入る。

「さっそくお部屋デートを始めましょう!」
「あれ!?俺、そんなこと言ったっけ!?」
「はい!私に演技を教えてほしいということは、演技指導が終わった後はデートできるということです!」
「いや、そんなつもりで言ったわけでは――」
「時間がもったいないので、さっそくシロ様に演技のコツを教えたいと思います!」
「お、おう。よろしくお願いします」

 どこからデートという単語が出たのかは分からないがコツは教えてくれるようなので、深くは考えずにミレーユさんの言葉に耳を傾ける。

「演技をする上で大事なことは『声』、『表情』そして『表現』だと私は思ってます」
「なるほど。確かにその通りだな」

 俺はミレーユさんの言葉に納得する。

「相手が聞き取りやすい声でないと意味がないし、喜怒哀楽の表情は必須。そして最後の表現に至っては、自分の伝えたいことが見ている人に伝わらないと俳優として失格と言ってもいい」
「その通りです。なので私はきちんとした発声を得るため、腹式呼吸の練習や鏡を見て喜怒哀楽の練習、そして最後の表現に関しては、お母様やリンスレットに私の演技を見てもらい、私の意図したことが伝わっているかを確認してます」

(やっぱり女優として活躍するには才能だけじゃダメなんだな)

「これが演技のコツです。どうでしょうか?」
「さすがミレーユさん!俺、ミレーユさんに相談してよかったよ!」
「ホントですか!期待に応えることができて、とても嬉しいです!」

 俺の言葉にミレーユさんが笑顔を見せる。

(ホント、ミレーユさんは優しい女の子だなぁ)

 その笑顔を見て、そんなことを思った。



 その後、腹式呼吸の方法を教えてもらい、俺の喜怒哀楽の表情をチェックしてもらう。
 そして俺の演技をミレーユさんに見てもらい、俺の意図したことが伝わるかチェックをしてもらう。

 一通りの特訓を終え…

「はい!最初に比べればとても良くなったと思います!というより、シロ様はとても筋がいいですよ!初めてで今の演技ができる方は中々いらっしゃいませんので!」

 ミレーユさんはそう言っているが最初の方はダメ出しばかりだったので、今の言葉は俺が落ち込まないためのお世辞だろう。

「あとは監督の指導等で修正していけば、とても良い演技ができると思います!あ、私が教えた腹式呼吸や鏡の前で表情の練習、誰かに演技を見てもらうことは続けてください!」
「ありがとう、ミレーユさん」
「いえいえ!お役に立てて嬉しいです!」

 そう言ってミレーユさんが笑みを見せる。

(今回の件でミレーユさんには返しきれない恩ができたな。どこかのタイミングで返せるといいけど)

 そんなことを思っていると、ミレーユさんが口を開く。

「ではシロ様!ウチの演技指導は終わりました!なので早速、お部屋デートスタートです!」
「………え?」

 ミレーユさんの言葉に耳を疑う。

「まずは何をしましょうか?ゲームもいいですが私としてはシロ様とお話がしたいです!」
「え、えーっと……」
「ダメ……ですか?」

 ミレーユさんが目を潤ませながら、上目遣いで聞いてくる。

「っ!ま、まぁそれくらいなら」
「ありがとうございます!シロ様!」

 俺が了承すると、パーっと笑みを見せる。

(ホント、笑顔がかわいい女の子だなぁ)

 ミレーユさんの笑顔を見て、自然と俺も笑みをこぼす。
 そのタイミングでポケットに入れていたスマホが鳴る。

「ごめん、少しだけ電話に出てもいいか?」
「はい!」

 俺はミレーユさんから了承を得たため、ポケットからスマホを取り出す。
 その時、ポケットに入っていた物が何個か地面に落ちた。

「あ、シロ様。何か落ち――」

 俺が落とした物を拾おうとしたミレーユさんが固まる。
 そして俺も落とした物を見て固まる。

「「………」」

(それ、リンスレットから渡された避妊具ぅぅ!!)

 未だに鳴り続ける着信音を聴きつつ、渡してきたリンスレットを呪った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『パンツの色』を視るだけで最強になった俺、聖女様の『白』で無敵の守護騎士と崇められる ~七色のヒロインに挟まれて理性が限界突破~

白山 乃愛
ファンタジー
「この世の真理は、下着の中にある」 山奥の美魔女師匠にそう教え込まれ、視認した「下着の色」をステータスに変換する最強の魔眼、『煩悩眼(デザイア・アイ)』を手に入れた高校生、色島カナタ。 ある日、学園の「聖女」と呼ばれる生徒会長・真白セイラを襲う魔獣を倒すため、カナタは彼女のスカートの中にある『純白』をガン見する。 「白(ホワイト)……ッ! 君の色は最高だァァァ!」 覚醒したカナタは、「物理無効化」の無敵バフを発動し、華麗に魔獣を撃破。 ただの変態として通報されるかと思いきや―― 「誰もが見て見ぬ振りをした私の内面(心)の白さを、貴方だけが見抜いてくれた……!」 なぜか「高潔な精神を持つ騎士様」だと盛大に勘違いされてしまう。 その日から、カナタの学園生活は一変する。 物理的な質量を持つ「極太の好意の矢印」を顔面に押し付けてくる、重すぎる聖女様(白・防御特化)。 「私を見れば、もっと激しくなれるわよ?」と、漆黒の勝負下着で誘惑してくる小悪魔な転校生(黒・攻撃特化)。 白と黒。 二人のヒロインに挟まれ、カナタの理性と鼻血は限界突破寸前! 見れば最強。見すぎれば死(社会的に)。 これは、不純な動機と能力で戦う変態紳士が、なぜか世界を救って英雄になってしまう、ドタバタ学園無双ラブコメディ。 【更新頻度】 毎日更新(予定)

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない

七星点灯
青春
 雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。  彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。  しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。 彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

髪を切った俺が芸能界デビューした結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 妹の策略で『読者モデル』の表紙を飾った主人公が、昔諦めた夢を叶えるため、髪を切って芸能界で頑張るお話。

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

処理中です...